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第27回Unity1週間ゲームジャム お題「1ボタン」投稿作品プレイ感想

 Unity1週間ゲームジャム、通称 unity1week が開催されました。僕も参加して投稿作品をいくつか遊ばせていただきました。というわけで、感想をサクッと書いていきます。

作者名は敬称略です。

わりと気軽にゲーム内容のネタバレをしてます。あらかじめご了承ください。


Here is ONE Button! - けめる

 ルール理解自体がパズルに組み込まれてるパズル好き。ドアが開いたときの曲変化とか、ED前選択肢までスキップできる機能とか、スゴくきっちりしているゲーム。こういう丁寧さが伝わってくるゲームは評価されて欲しいな。


One Button Four Lights - ゆーじ

 ゆーじ先生の職人芸。極まりすぎててもはやジャンルと呼べそうな勢い。


Search for one button - ジェッドム

 とんち『The Witness』。よすぎ。ジェッドムさんのユーモアセンスと The Witness が奇跡の融合を果たしてる。夢のコラボレーション!


World 1-Button Sports Championship -Archery- - RDAG🔧あるだぐ

 ゲームはシンプルな目押しゲームだが、それを実況ボイスで盛り上げる。つーか声がよすぎ。RDAGさん声のお仕事やってるって言われたら信じちゃう。

「迷いない一撃がターゲットを撃ち抜くゥー!」
「クリティカルヒットォー!」
「泣いても笑ってもこれで勝負が決まるぅ!」

声がイイ


1%のリスク ~リスク管理シミュレ-ション~ - セミ

 【やってる感】みたいなモノが出ててイイな~。絵作りで雰囲気がよく出てて、ただ数字が上下するだけなのに感情が動く。


4321Button - わけん

 アクションの結果でアクションの内容が変わるから、一見簡単そうでいて、複雑で歯応えがある。アクションが全体に作用するのも面白い。ルールが全体に作用してルールが変わるの、『BABA IS YOU』味を少しだけ感じた。


イカヅチスタンプ - BowDR

 モチーフというか、世界観はなんなんだろうこれ。でもなんかイイ!わちゃわちゃ感が楽しい。雷鎚!雷鎚!マジカルスタンプも気になる。どういうスタンプだったんだろう。


幾度目の夕暮れに - AZ.

 AZ.先生のガチノベルだ!最初ボタンが出てきたとき「まさかここから一気にギャグ路線に走るのか?!」「もしやここまで真面目にやってたのは前振りだったのか?!」って審議が入った。ふつーにシリアスだった。無限ループって怖くね?ループモノとして、ループ条件やループ後の記憶持ち越し条件など、面白そうなひねりがあってよかった。この設定、もう少し掘り下げる価値あるかもしれんね。


いっぱいの幸せを - 低いカバン, まくら たみ

 自販機になって人の生活のスキマを垣間見るような体験。単純に絵が好き。お客さん同士の関係性が垣間見えたり、「時間経過してたんだ!」っていうおどろきがスゴくよかった。ピンクしか勝たん。


宇宙破壊ボタン - 三草

 リアクション豊富でむちゃくちゃおもろい。指さしたら怒られて笑った


高次元瞑想システム ZEN - MONDY

 シンプルなゲームを舞台設定のパワーで面白く感じさせてる。明瞭な発音の女性が英語でアナウンスしてくるだけで、なんかプレイを続けさせる力がある。『Portal』もこんな感じだったな~。可否のフィードバックが失敗→惜しい→完璧と三段階用意されてるのが細やかでイイ。もっと言うと、その中でも精度によって上昇値が変わる。あとレベル上昇=難易度上昇かと思えばそうでもなく、むしろテンポが上がって後半のほうが楽しい。やることは同じなので馴れてくるわけだけど、そのプロセス自体が舞台設定に合致してる。つーか音を聴いてりゃイケるのよね。


孤高のタワーディフェンス - obeco

 あの『モニタリング探偵』を手がけた obeco さんの新作!今回も唯一無二の表現が炸裂してる。ただ、そのクセに惑わされずに見るとシナリオはしっかりまとまっていて面白い。ゲーム自体も、マジック&ウィザーズ中心になる前の『遊☆戯☆王』みたいでめっちゃ好き。顔パンとか面白すぎる。


自動ドアの中の人 - ハネダ

 「ホラーゲームは単純な遊びのほうが合う」というハナシをどっかで聞いたことがあるがこれはその理論に則ったゲームのようだ。遊びがシンプルなぶん、怖さが過不足なく伝わってくる。EDもう一個どうやって見るんだろうか。


実録 ハイスコア刑務所 - Hagi42

 unity1week の中でも、ハイスコアを目指すプレイヤーについて取り上げたドキュメンタリーゲーム。いわば究極の内輪ネタ。つまり最高ってことだ。このゲームに出演する受刑者みたいなことやってる知り合いに入所を勧めてます。


手芸ex - Kannoゲーム開発本部

『エクストリームソーイング』
それは手芸とスカイダイビングを組み合わせた
まったく新しい競技──

『手芸ex』オープニングより

 なに喰ったら思いつくのこんな舞台設定。天才がすぎる


断崖絶壁ぴょんぴょん競争!! - 葉香理かねる(わかり かねる)@新人Vtuber

 今回の unity1week でスゴく面白いと思ったゲームの一つ。フワッとしたジャンプと地形の移動によって、「どこに着地するか?」を瞬時に判断する遊びに仕上がってる。攻める意識と守る意識がせめぎ合って常に流動する感覚がスゴく楽しい。詰み地形が出るっぽいのが少しもったいないな~。


伝説の大声バトル - ホンタⅡ

 まず基本姿勢の時点で耳塞いでるっぽいポーズなのが笑えるんだよな。事前に予想した三倍は大声出てる。

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛!!!!」

うるさすぎる


人気投票で〇〇1位にして泣かそうぜ - ゆーりんち

 クリッカーゲーム。競争的要素があるクリッカーゲーム初めて遊んだので新鮮だった。クリッカーゲームでクリックを一時的に取り上げるのが面白い。「うわーもっとやらせてよ!」ってより欲求が刺激されて飽きないし、その時間を「いまのうちに強化選択して有効活用しよう!」と戦略要素に少し組み込んである。そしてこのクリックの取り上げは【公式の不正投票取り締まり】という舞台設定にぴったりハマっていて、とてもよい。新しい面白さを生み出しててスゴいなと思った。子ども、泣かすぜ!


パーフェクトシューティング - ぽぼす

 まずリアクションがきっちり仕上がっててイイ。一度に当てる敵の数が多いほどヒットスローが長くなるところ好き。エフェクトも好き。難易度の上げかたも力が入ってる印象。「うわーそういうことしてくるか!」っていう手ごわさと納得感がある。総じて完成度が高い。こういうゲームは評価されて欲しいなあと思う。

まだLEVEL5までしか行けてないので、もうちょい挑戦したい……


バウンテールちゃん! - kido, yrw

 端に引っ掛けて加速できたらスゴく楽しそうなんだけど、なかなか上手くいかなくてもどかしい。出来そうで出来なくて何度か挑戦しちゃう


バク転忍者 - assam.0812

 ワンボタンで四つアクションできて楽しい。少しせせこましさがあるジャンプ移動と、ダイナミックに移動できるバク転とアタックという対比も気持ちいい。オープニング演出やチュートリアルなど、プレイヤーが最初に体験する箇所をしっかりと作っていて好感が持てる。こういう丁寧なゲームは評価されてほしい(定型句)。


発言不能遺言 - ArrayCats, nito, taro, リル姉の趣味垢

 舞台設定が重いよ~。モールス対応表とにらめっこしながら打ち込むのがシンプルにめんどい。このめんどさが発言の困難さを表現してるようでイイ。そんでもって「もういいかなー……」って辺りで男が本性あらわして「オッ」と思わせてくるの上手いな~と感心した。


バローニエの弦奏人形 - えふぇこ, nemorum

 消えた文明の遺物、【弦奏人形】を操るという舞台設定がよすぎる。新しさがあり、それでいてグッとくる。演奏される曲が、在りし日のバローニエを想わせる。この世界が本当に“ある”と思わせるパワーを感じた。(これいつかパクります)人形の腕を上下させる動きが、ワンボタン操作と合致しているのも完璧だ。難易度ひかえめなのもありがたいね。


万能勇者~伝説の一撃~ - トナリト

 演出がよい!シンプルに音楽を切り替えるだけでも効果あるよな~。ゲーム自体はシンプルなので、演出のよさが引き立っているかも。


ひとり行進 - おとなり

 間接的にキャラクターを操作するゲームってあんまり好きじゃないんだけど、【笛による指揮】という設定がお見事。ピピッと吹くこと自体が気持ちいいし、【指揮してる感】が出てる。レスポンスもよいので、ミスしたときはちゃんと自分が悪いと感じる。納得感がある。だからこそ、後半の手強いステージ設計も乗り越えてクリアできた。


ヘリサバイバー - wadajun

 基本システムからして高度を維持して敵を撃つ遊びが楽しい。そのうえで、経験値回収の仕組みがスゴい。経験値回収には地面に着く必要があり、この仕様が上下動を繰り返させるようになってて「上手いな~これ!」と思った。基本的にあるていど余裕を持って敵を殲滅できるペース配分なので、地面に着くこと自体は攻略にほとんど関与しない。けど経験値回収したいのでやる。そうすると自然と上下動することになってプレイングに波が出て面白くなる!はえ~すっごい

敵の種類や、出す順番、量、すべてが心地良く作られてる。終盤の無双は嫌いな人いないよねこれ。


ボタンを押すだけのかんたんなゲーム - ぐみし, Moa

 遊んだときの「これ優勝しそう~~~~~」感がエグい。一時期囁かれていた【unity1week はドット絵パズルゲームが優勝する説】を体現するかのようなゲーム。まず、ボタンを押すという気持ちいい行為がゴールになっているのが素晴らしい。そして、ゲームルールをキャラクター表現にして納得感を大きく高めているのが凄まじい。転ぶとか、遊び相手が欲しいとか。そう考えると歩行者信号もキャラクター表現にして欲しかったかも。ザ・ゲームのルールって感じだったので。わがまま。

カーソルの初期位置をステージ毎に決めてるのが上手い。無意味なハマりを防止しつつ、パズル自体の導線になってる。アイディアだなぁ~。


ぽちっトリマー! - 瓜頭(かず) 🍈, Shibo

 可愛い。パーフェクト判定は結構シビアに感じる……というか、ちょっとでも遅れたら怒られる。犬は厳しい。種類の豊富さが素晴らしいですね。人間?!っていうおどろきポイントも仕込んであってイイ。


ミライ探救 - なまり, すなじろ, みずかき

 ピコピコ音楽作る人来て嬉しい。今後も参加して欲しい……

箱を───許すな。


リズム・チキン・バトル - まるぼら@Unity

 まさにリズムバトル。馴れると攻撃と回避をスタイリッシュにワンボタンでできて楽しい。やはりリズムは強い。ボスの攻撃予兆もちゃんと作ってあるのがいいね。死んだら即丸焼きの過酷な世界!


りべんじ! らしょうもん! - βluck, ジェロニモ

 今回の unity1week で一番やりこんでるゲーム。なんでやりこんだかを書いてみる。まず、初回プレイで40枚くらい剥ぎ取れたので「おっ僕はこのゲームの才能あるかもしれんぞ」って調子乗ったのが大きい。これでしばらく遊び続ける。で、しばらく遊んでるうちに段階的に発見があって、のめり込んでいった。

・下人に服を剥ぎ取らせてからそれを最後に全部奪うのが効率よさそう
・斜め移動のほうが速いぞ!
・下人はだいたいこの辺りに出るっぽいな
・下人はメスガキが剥ぎ取ったあとの下着状態でも剥ぎ取るのか!
・下人の回収枚数に上限無いっぽいぞ!
・ボタン当てなくても下人が老婆から奪ったときの硬直で取れるぞ!

こういうテクニックの発見がいっぱいあって楽しかった。とくにメスガキが剥ぎ取ったあとの下着状態の老婆から下人が剥ぎ取る──通称【シェア婆】が面白い。これによってメスガキ、老婆、下人の位置関係を見極めつつ、老婆から剥ぎ取るタイミングも考慮する必要が出てくる。老婆は二度死ぬ。まさに副題どおり Tragedy of BBA である。

全体的なプレイ時間も肌に合う長さ。リトライもテンポ悪くない。前述したテクニック(仕様)と、剥ぎ取った服が多いほど動きが遅くなる仕様によって、序盤→中盤→終盤で立ち回りが変化する。老婆の配置や下人の動きにランダム性があるので、結果として飽きが来なくて何度も遊べる

いやーハマっちゃったなー。この記事執筆時点で自己ベストは52枚。下人を三人引き連れてシェア婆する【トリプルシェア】を安定して決められる腕前があればもっとイけると思う。僕は下手くそで無理なので誰かやってください。


ユーリとカラスと時間旅行 - stara, 玄下めがねね, Nokia Packet

 イベント発生順、選択肢、報酬、すべてが固定になっていて、出力を上げる方法が強化とイベント報酬しかないので、知識の重要度が非常に大きいゲームになってる。結果的に、効率の良い選択肢を知らないとむちゃくちゃ待たされるが、分かってくると一瞬で終わるゲームになっている印象。ランキング上位陣がとんでもねえ速度でクリアしてる。初見だと「ど、どうすればいいんだ…?!」ってなる。おおむねいつものstaraさんらしいゲームという印象を受けた。いつもどおり着いていくので精一杯!でも関西弁カラスにほっこり。


おわり

 以上、サクッと感想でした。評価期間終わる前に公開してるので、まだもうちょい遊んで感想書くかも。

unity1week 参加者の皆さん、お疲れさまでした。主催者のないちさん、ありがとうございました。また次の unity1week でお会いしましょう!


おしまい!


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