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【2024年版】三重県教員採用試験の論述テーマと模範解答例

🕰️更新日:2024年5月9日


☑️本記事でわかること
論述試験のテーマと模範解答例

※2014〜2024年度までの11年分を公開しています。

最近はICT端末(スマホやタブレット等)の普及により手書きで文章を書く機会がほとんどないと思いますが、三重県教員採用試験の論述試験では、テーマに沿って自分の考えを論理的に書かなければいけません。

とはいえ、そもそも文章自体をまともに書いたことがなかったり、習っていなかったりするためかなり難しいと言えます。

論述対策の一番の近道は、良質な解答例を読み、それを参考に演習を繰り返すことです

模範解答を読み込み、完成形(ゴール)のイメージをつかみ、型を覚えていきましょう!


論述試験の過去問と模範解答例

2024年度(令和5年実施)

【小学校・特別支援学校(小学部)】

第1問「教育の情報化に関する手引追補版」(令和2年6月文部科学省)において、「教育の情報化」とは、情報通信技術の、時間的・空間的制約を超える、双方向性を有する、カスタマイズを容易にするといった特長を生かして、教育の質の向上を目指すものであり、具体的には以下の3つの側面から構成され、これらを通して教育の質の向上を図るものとされています。これらのことをふまえて、あなたが教育の情報化として取り組みたいものを1~3から1つ選び、選んだ理由を述べるとともに、教育の情報化に向けた取組とその効果について具体的に述べ、300字以内でまとめなさい。

  1. 情報教育:子供たちの情報活用能力の育成

  2. 教科指導におけるICT活用:ICTを効果的に活用した分かりやすく深まる授業の実現等

  3. 校務の情報化:教職員がICTを活用した情報共有によりきめ細やかな指導を行うことや校務の負担軽減等


第2問 「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策」(COCOLOプラン)(令和5年3月 文部科学省)において、不登校により学びにアクセスできない子どもたちをゼロにすることを目指し、具体的な取組として以下の3つが挙げられています。これらの取組のうち、あなたが特に取り組みたいものを1~3から1つ選び、選んだ理由と取組について具体的に述べ、250字以内でまとめなさい。

  1. 不登校の児童生徒全ての学びの場を確保し、学びたいと思った時に学べる 環境を整える

  2. 心の小さなSOSを見逃さず、「チーム学校」で支援する

  3. 学校の風土の「見える化」を通して、学校を「みんなが安心して学べる」場所にする


第3問 「人権教育ガイドライン」(2018(平成30)年3月 三重県教育委員会)では、一人ひとりが、人権問題の解決を自分の課題としてとらえ、状況を変えようとする具体的な行動に結びつく教育・学習の充実を図るため、以下の個別的な人権問題を解決するための教育を積極的に推進することとしています。このことをふまえたうえで、あなたが取り組みたい内容を1つ選び、選んだ理由と取り組みたい内容を推進するための教育活動について具体的に述べ、250字以内でまとめなさい。

[個別的な人権問題に対する取組]

  • 部落問題を解決するための教育

  • 障がい者の人権に係わる問題を解決するための教育

  • 外国人の人権に係わる問題を解決するための教育

  • 子どもの人権に係わる問題を解決するための教育

  • 女性の人権に係わる問題を解決するための教育

  • 様々な人権に係わる問題を解決するための教育


<模範解答例>


【中学校・高校・特支・養護教諭・栄養教諭】

第1問 三重県教育委員会では、「公立の小学校等の校長及び教員としての資質の向上に関する指標の策定に関する指針」の改正(令和4年8月文部科学省告示)に伴い、「校長及び教員としての資質の向上に関する指標」(以下、「指標」を令和5年3月に改定しました。これは、養成・採用・研修を通した一体的な教員育成を推進するため、教員等が経験や職種に応じて身につけるべき資質・能力を各ライフステージで求められる指標として示したものです。 「指標」に掲載されている「教育課題への対応力」における以下の4つの「資質・能力にかかる項目」について、あなたが特に大切だと考える項目を1つ選び、選んだ理由とその項目の教育活動について具体的に述べ、あわせて300字以内でまとめなさい。

<資質・能力にかかる項目>

  1. ICTや情報・教育データの利活用

  2. グローカル教育

  3. 人権教育

  4. 防災教育


第2問 みえ元気プラン(令和4年10月 三重県)では、「第3章 政策・施策」「第3節 施策の概要」の1つとして「14-2 未来を創造し社会の担い手となる力の育成」を掲げ、そのめざす姿を以下のように示しています。このことをふまえたうえで、あなたが児童生徒に身につけさせたいと考える「未来を創造し社会の担い手となる力」を1つ挙げるとともに、その力を身につけさせるために取り組む学校の教育活動について具体的に述べ、250字以内でまとめなさい。

<めざす姿>
 子どもたちが、変化が激しく予測困難なこれからの社会において、変化をしなやかに前向きに受け止めて、失敗をおそれず挑戦する心や生涯をとおして学びに向かう姿勢、社会の一員としての自覚と責任を持ち、他者との協働を大切にしながら、豊かな未来を創っていく力を身につけています。


第3問 「生徒指導提要」(令和4年12月改訂 文部科学省)では、生徒指導の目的として、「生徒指導は、児童生徒一人一人の個性の発見とよさや可能性の伸長と社会的資質・能力の発達を支えると同時に、自己の幸福追求と社会に受け入れられる自己実現を支えることを目的とする。」こととされています。
また、生徒指導の目的を達成するためには、児童生徒一人一人が自己指導能力を身に付けることが重要で生徒指導の実践上の視点として、以下の4つが示されています。このことをふまえたうえで、あなたが生徒指導の目的を達成するために、大切にしたい生徒指導の実践上の視点を1つ選び、選んだ理由について述べるとともに、その視点を生かした生徒指導の目的を達成するための取組を具体的に述べ、250字以内でまとめなさい。

<生徒指導の実践上の視点>

  1. 自己存在感の感受

  2. 共感的な人間関係の育成

  3. 自己決定の場の提供

  4. 安全・安心な風土の醸成


<模範解答例>

2023年度(令和4年実施)

【小学校・特別支援学校(小学部)】

第1問 「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す,個別最適な学びと,協働的な学びの実現~(答申)」(令和3年1月 中央教育審議会)では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、全国的に学校の臨時休業措置が取られたことにより、再認識された学校の役割として以下の3つを示しています。あなたが特に重要であると考える学校の役割を以下の3つから1つ選び、選んだ理由とその実現に向けた学校における取組について具体的に述べ、300字以内でまとめなさい。

<新型コロナウイルス感染症の感染拡大を通じて再認識された学校の役割>

  1. 学習機会と学力の保障

  2. 全人的な発達・成長の保障

  3. 身体的,精神的な健康の保障(安全・安心につながることができる居場所・セーフティネット)


第2問 「いじめ防止対策推進法」(令和元年5月改正)では、「学校及び学校の教職員の責務」について以下のとおり示されています。あなたが考える学校におけるいじめの防止及び早期発見の取組について、その留意点を具体的に挙げるとともに、いじめの防止及び早期発見に向けた取組について具体的に述べ、250字以内でまとめなさい。

<学校及び学校の教職員の責務>
第八条 学校及び学校の教職員は、基本理念にのっとり、当該学校に在籍する児童等の保護者、地域住民、児童相談所その他の関係者との連携を図りつつ、学校全体でいじめの防止及び早期発見に取り組むとともに、当該学校に在籍する児童等がいじめを受けていると思われるときは、適切かつ迅速にこれに対処する責務を有する。


第3問 「人権教育ガイドライン 」(2018(平成30)年3月 三重県教育委員会)における個別的な人権問題に対する取組のうち、「外国人の人権に係わる問題を解決するための教育」の具体的な取組として、以下の7つが挙げられています。これらの取組のうち、あなたが特に取り組みたいものを1つ選び、選んだ理由と選んだ取組の学校における教育活動について具体的に述べ、250字以内でまとめなさい。

<具体的な取組>

  1. 外国人の人権に関する理解を深める学習の充実

  2. 多文化共生社会を築く主体者を育てる教育の推進

  3. 自尊感情を高める取組の推進

  4. メディアを読み解き活用する力の育成

  5. 進路決定に向けた支援の充実

  6. 学習を支援する取組の充実

  7. 教職員の資質と指導力の向上


<模範解答例>


【中学校・高校・特支・養護教諭・栄養教諭】

第1問 「新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について(答申)」 平成31年1月 中央教育審議会)において、これまで学校・教師が担ってきた代表的な業務の在り方に関する考え方について、以下のとおりに整理されました。これらのことを踏まえて、あなたが学校における働き方改革として取り組みたい業務を1~14から2つ選び、選んだ理由についてそれぞれ述べるとともに、そのうち1つの業務についての改善に向けた取組を具体的に述べ、300字以内でまとめなさい。

<基本的には学校以外が担うべき業務>
1.登下校に関する対応
2.放課後から夜間などにおける見回り、児童生徒が補導された時の対応
3.学校徴収金の徴収・管理
4.地域ボランティアとの連絡調整

<学校の業務だが、必ずしも教師が担う必要のない業務>
5.調査・統計等への回答等
6.児童生徒の休み時間における対応
7.校内清掃
8.部活動

<教師の業務だが、負担軽減が可能な業務>
9.給食時の対応
10.授業準備
11.学習評価や成績処理
12.学校行事の準備・運営
13.進路指導
14.支援が必要な児童生徒・家庭への対応


第2問 三重県教育ビジョン(令和2年3月三重県・三重県教育委員会)では、基本施策2「個性を生かし他者と協働して未来を創造する力の育成 」の施策の1つとして「キャリア教育の充実 」を掲げ、そのめざす姿を以下のように示しています。このことを踏まえたうえで、あなたが児童生徒に身につけさせたいと考える「将来の社会的・職業的自立に必要な資質・能力」を具体的に1つ挙げるとともに、その資質・能力を身につけさせるために取り組む学校の教育活動について具体的に述べ、250字以内でまとめなさい。

<めざす姿>
 子どもたちが、学ぶことと自己の将来とのつながりを見通しながら学び、進路を決定する能力や態度、人間関係を築く力等、将来の社会的・職業的自立に必要な資質・能力を身につけています。


第3問 「学校における防災の手引」(令和4年3月三重県教育委員会)には、学校における防災教育のねらいとして、以下の3点が示されています。以下の3点のうち、あなたが特に 取り組みたいと考えるねらいを1つ挙げ、そのねらいを選んだ理由とねらいを実現するためにあなたが取り組む学校の防災教育について具体的に述べ、250字以内でまとめなさい。

<学校における防災教育のねらい>
※文部科学省「『生きる力』を育む防災教育の展開」(平成25年3月)より

  1. 自然災害等の現状、原因及び減災等について理解を深め、現在及び将来に直面する災害に対して、的確な思考・判断に基づく適切な意志決定や行動選択ができ るようにする。(知識、思考・判断)

  2. 地震、台風の発生等に伴う危険を理解・予測し、自らの安全を確保するための行動ができるようにするとともに、日常的な備えができるようにする。(危険予測、主体的な行動)

  3. 自他の生命を尊重し、安全で安心な社会づくりの重要性を認識して、学校、家庭及び地域社会の安全活動に進んで参加・協力し、貢献できるようにする。(社会貢献、支援者の基盤)


<模範解答例>


2022年度(令和3年実施)

【小学校・特別支援学校(小学部)】

第1問 次の表は、文部科学省が公表した「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」におけるいじめの態様のうち、パソコンや携帯電話等で、ひぼう・中傷や嫌なことをされる、いわゆるネット上のいじめの認知件数の推移を示したものです。小学校及び特別支援学校におけるネット上のいじめについて、この表から読み取ることができる傾向を挙げたうえで課題と対応策について具体的に述べ、300字以内でまとめなさい。


第2問 三重県教育ビジョン(令和2年3月)は、基本施策4「安全で安心な学びの場づくり」の施策の一つとして「不登校児童生徒への支援」を掲げ、そのめざす姿を次のようにしています。このことを踏まえたうえで、あなたが不登校児童生徒に対して行う支援と、新たな不登校児童生徒を生まないために学級において行う環境づくりについて具体的に述べ、250字以内でまとめなさい。

<めざす姿>
不登校の子どもたちの意思が尊重され、将来の社会的自立に向けて個々の状況に応じた支援体制が整っており、子どもたち一人ひとりが社会性や自立心を育みながら、互いに尊重し合う態度を身につけ安心して学んでいます。


第3問 「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す 個別最適な学びと 協働的な学びの実現~(答申)」(令和3年1月 中央教育審議会)では、新たなICT環境や先端技術を効果的に活用することにより、以下のような事項に寄与することが可能となると考えられるとしています。あなたは、ICT環境や先端技術をどのように活用し、これらに寄与することができるか、以下の事項のうち2つについて具体的に述べ、250字以内でまとめなさい。

  • 新学習指導要領の着実な実施

  • 学びにおける時間・距離などの制約を取り払うこと

  • 全ての子供たちの可能性を引き出す、個別に最適な学びや支援

  • 可視化が難しかった学びの知見の共有やこれまでにない知見の生成

  • 学校における働き方改革の推進

  • 災害や感染症等の発生等による学校の臨時休業等の緊急時における教育活動の継続


<模範解答例>


【中学校・高校・特支・養護教諭・栄養教諭】

第1問 次の表は、内閣府が公表した「令和2年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果(概要)」における青少年のインターネットの利用状況のうち、 インターネットの1日あたりの平均利用時間及び3時間以上インターネットを利用する割合について示したものです。表から読み取ることのできる傾向について述べるとともに、その原因及び児童生徒に及ぼす影響について考え、児童生徒のインターネットの利用に関して、あなたが教員として取り組んでいきたい具体的な方策について、300字以内でまとめなさい。


第2問 児童生徒が遅刻や欠席などを繰り返す背景の一つに、本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っているヤングケアラーの存在が指摘されています。「ヤングケアラーの実態に関する調査研究報告書」(令和3年3月三菱UFJリサーチ&コンサルティング)によると、 要保護児童対策地域協議会へのアンケート結果では、ヤングケアラーと思われる子どもを支援する際の課題として、「家族や周囲の大人に子どもが 「 ヤングケアラー 」 である認識がない」ことが、回答の中で最も高い割合を占めています。児童生徒がヤングケアラーとして年齢や成長に見合わない責任や負担を負うことにより、生活や教育に大きく影響することがないよう、教員として日頃からどのようなことを心がけて上記の課題を克服し、児童生徒への支援を行うことができるか 、 具体的に述べ250字以内でまとめなさい。


第3問 三重県では、令和3年4月1日から「性の多様性を認め合い、誰もが安心して暮らせる三重県づくり条例」が施行されています。この条例の基本理念を踏まえ、あなたが児童生徒から性同一性障害であることを伝えられたとき、どのようなことに留意したうえで児童生徒に支援を行うか 、 具体的に述べ 250字以内でまとめなさい。

<性の多様性を認め合い、誰もが安心して暮らせる三重県づくり条例>

第三条 性の多様性に関する施策は、性的指向及び性自認にかかわらず、全ての人の人権が尊重されるとともに、社会のあらゆる分野の活動に参画でき、一人ひとりが個性及び能力を発揮することができ、並びに多様な生き方を選択できることを旨として、推進されなければならない。

第四条 何人も、性的指向又は性自認を理由とする不当な差別的取扱いをしてはならず、及び性的指向又は性自認の表明に関して、強制し、禁止し、又は本人の意に反して、正当な理由なく暴露(本人が秘密にしていることを明かすことをいう。)をしてはならない。


<模範解答例>

2021年度(令和2年実施)

[小学校・特別支援学校(小学部)]

第1問 令和2年3月に策定された三重県教育ビジョンでは、「読書活動・文化芸術活動の推進」を施策の一つとしていますが、平成31年度(令和元年度)全国学力・学習状況調査の結果では、授業以外に平日平均10分以上読書をする本県の小中学生の割合は、小学生が63.9%、中学生が45.5%となり、全国平均を下回っている状況です。児童生徒の読書活動を推進するために、あなたが取り組みたい内容を挙げ、その理由と期待できる効果について、250字以内でまとめなさい。


第2問 「外国人児童生徒受入れの手引き 改訂版」(2019年3月 文部科学省総合教育政策局男女共同参画共生社会学習・安全課)には、外国人児童生徒等が直面する課題として、以下の5点が挙げられています。これらの課題のうち、外国人児童生徒等が日本において学校生活を送る上で、あなたが特に重要であると考えるものを1つ取り上げ、その理由と学校において課題解決に向けどのように取り組むかを、250字以内で述べなさい。

  1. 学校への適応、居場所の確保

  2. 「学習するための言語能力」の習得

  3.  学力の向上

  4. かけがえのない自分をつくりあげていくこと

  5.  新たな課題(不就学、母語・母文化の保持、進路の問題)


第3問 「教育の情報化に関する手引」(令和元年12月 文部科学省)には、遠隔教育の類型として、以下の3つが示されています。これらの類型から1つ取り上げ、「遠隔授業の類型(イメージ)」を参考にして、その遠隔授業が効果を発揮しやすいと考えられる学習場面や状況と、その理由について具体的に述べなさい。また、その遠隔授業をより効果的に実施するための工夫について、あなたの考えを300字以内でまとめなさい。

1.合同授業型
当該教科の免許状を保有する教師それぞれが指導している複数の教室をつないで授業を行う形態。

2.教師支援型
当該教科の免許状を保有する教師が行う授業に対して、専門家等が遠隔の場所から協働して授業を行う形態。

3.教科・科目充実型高等学校段階において、原則として、当該学校の教師(当該教科の免許状の有無を問わない)の立会いの下、当該教科の免許状を保有する教師が遠隔の場所から授業を行う形態。


<模範解答例>

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