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「皇帝的叛逃情人」最初から最後まで伏線に翻弄される、砂漠と星空ロマンスで★801

  森森先生の「皇帝的叛逃情人」の感想です。叛逃は「逃げる」というような意味のようですので、日本語では「皇帝から逃げた恋人」とかだと思います。多分。

 森森先生が現在、晋江文学城で掲載されている中で私が最後に読んだお話のため、スルメのように滅茶苦茶かみしめながら読みました。
 森森先生はやはり何を読んでも面白い……!そして色々と凄かった……ほかの森森先生作品は地獄と名高いシーンがたくさんありますが、こちらの作品は、地獄というかホラー要素あり……

 カップリングは「偏执狂醋缸纯情攻×美强惨心机腹黑受」です。先生のお話、腹黒攻めが多い中、こちらのお話は攻めが頬染めてて可愛かったです。いや、ほかの話も攻めが頬染めてるといえば染めてるけど、それとはまた別の栄養が得られます。
 受けのお兄さんに翻弄されまくる攻め……!そんな攻めと揶揄い上手なお兄さんからしか得られない成分が沢山ある!!(なんとそういうシーンからもその成分がたくさん摂取できます)
 日本語にすると意味合い的には「偏執的に恋人に対する嫉妬心が強い純情な攻め×美しくて強くてかわいそうな腹黒受け」です。腹黒と言っても心の中が複雑なのには大きな理由があり、それを知ったときに「雨兄さん……!!!!!」と叫ばずにはいられない、そんなお話です。


あらすじ(晋江文学城に載っているのを魔翻訳しただけ)

 
 親友に陥れられた後、死刑囚の傅雨城は地球に追放された。ある日、彼は砂漠で死にかけていた少年を拾い上げた。その時、誰もこの少年が恐ろしい白皇帝になるとは思わなかった。

 長い年月の後、帝国の奥の院の中で、あの冷淡で孤独なことで有名な白皇帝は、いつも真夜中の夢の中で涙を流して目を覚まし、痛くて息ができないほどだった。

 あの人はもういません。
 自分の嫉妬と愚かさが、彼を死に追いやってしまいました。
 死体はありませんでした。

 万里とは別に、どこかの紙酔いの売金窟の中で、強制的に死遁させられた傅雨城は、「白漠の馬鹿野郎、また私を呪ったのか」と叫びながら、大きなくしゃみをした。

 ただ残念なことに、楽しく遊んでいた傅雨城は、ニュートンの三大法則に匹敵する真実をまだ理解していなかった──死んで一時的に気分がよくなり、馬から落ちる火葬場である。

キャラクター


傅雨城 fù yǔ chéng
本編当初は26歳。細かいことにはこだわらないため、家事は苦手。とても頭がよくて頼れる存在だが、目的を達成するためには冷酷な一面もある。白漠をからかうのが好き。

白漠 bái mò
本編当初は14歳。傅雨城を「雨哥哥」と慕う。出会った当初は傅雨城の肩くらいまでしか身長がなかった。そんな彼を見た傅雨城の知り合いには「お嫁さんのように仕えていた」という印象を与えている。(一人だけではない……)
潔癖な一面があり、家事は得意。料理も上手。傅雨城の魚の棘を一生取りたいと思っている。恥ずかしいときや困ったときには、傅雨城の首筋に顔を埋める。


 何を言ってもネタバレになりそうなので、ほかの登場人物は割愛しますが、本編で感動した後の番外編も最高の最高の最高でした。このカップリングならではの結末だなと思いました。
 また、森森先生の作品には「受けが何かの目的を果たさなければならない」というのが多いですが、皇帝的叛逃情人は、その目的が何なのか、読者も中盤が過ぎるまで分からないんですよね。
 分かったときの「なるほど!!!」という気持ちの後にやってくる怒涛の展開、森森先生のSF凄い!!と私は思いました。そして中盤過ぎてから「どうやって終わるのか??」と気になり過ぎて眠れなくなりました。森森先生の作品あるあるです。
 傅雨城の明晰さに何度も驚かされるんですが、つまり、そんな傅雨城を生み出した先生がめちゃくちゃ頭がいいということなんですよね……一体何度人生をやり直したら、こんなに違う設定で年下攻めの狗血話を書けるのか不思議です。
 ほかの作品とリンクしている部分がないため、森森作品を読む順番としては、このお話はいつでもいいと思います。
 ただ、現時点で晋江文学城掲載の森森作品唯一のSFのため、いつ読むかで森森作品に持つ印象が違うと思います。
 また、森森先生のお話の中でも一番短く、修仙モノより専門用語が少ないため(SF的用語はありますが、古代中国的な専門用語はないので、たぶん馴染みやすい)、一気に駆け抜けられるお話です。
 人さまの感想が吸いたいので、読み終わった方はぜひ感想をネットの海の中に紛れ込ませてください!!


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