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【シャニアニ二期】もう一度信じてもいいのか?【感想】

見に行ってきたので感想を書きます。本当はふせったーくんに載せようと思っていたのですが書いているうちに文量が出てきてしまったこと、また前回のキャンペーンもありnoteに感想を載せる事が運営的にも嬉しかったりするのかな、というあれもあり(折角アカウントも作ったことなので)こちらに掲載してみました。


前置
これはたとえばハッシュタグから検索だとかパブサで感想を手当たり次第に読んでいる方に対しての気持ちなんだけど、ぜひまずは自分が劇場で感じたことを大事にしてほしいです。人の感想よりもさ…。折角アニメを4話も纏めて(しかも劇場なので他人の意思を介さずに)観れる機会だし…。誰がなんと言おうとあなたのその感想は正解なので。
おれもちょこちょこ感想見に行ってるけど引っ張られていたりだとか言葉を不必要に選んでいるのではないかと感じられるものも見受けられたので。

【総評】


素行が不真面目な生徒が突然その日だけ課題を期限通りに提出した場合、それは褒められるべきなのだろうか?より褒められるべきは普段から毎日課題を提出している勤勉な生徒であるべきだ、みたいな評価。何?
第一期から続く分割2クール計24話としてこのアニメを見たとき、この13-16話を見ただけで作品の良し悪しをを判ずることはまだできない。おれは前クール8-12話のカメラワークや演出、台詞の選び方と尺の使い方には正直失望しているので。なんだよあの16連顔アップの天丼は。馬鹿にしているのか?
ただ、今回の話を先行上映の4話ごとのセットの4章目として見たときに、前クールの三章よりも引き込まれる話が多かったことは事実であるし、前述の要素に関しても改善が見られる箇所も多く見られた。また、第一章から続く、このアニメを「283プロダクションと櫻木真乃の物語」として追うべきなのではないか?という前提に基づきつつプロットを追うと、何ヶ所かの所謂「フラグ」と見られる発言や演出も見受けられ、それがきちんと今後の話で回収されるのであれば、アニメ24話全体の評価を改める必要があるなと感じた。
つまりまあ可能な限りポジティブな表現をすれば
「この調子で頑張れ!」ともうひとつかも。

以下乱文

ストレイライト(含run.)について


enzaの内容をアニメに落とし込む、それがシャニマスにおけるアニメ化のベターな解答であることが証明された気がした。24分(おそらく)の枠の中にあのシナリオイベントを詰め込むならばあの切り取り方や改変は納得感があった。勿論愛依さんのステージと緊張の話や帰りのバスのシーンとシャニPの選択肢等、カットされるには惜しい部分こそあったものの、アニメ単話としての面白さは担保されていたと思う。
前話13話ビルシーンの冬優子の「負けない」の台詞に込められた感情を14話のラストに持ってくる演出は、アニメとして素直にオシャレだな。
あさひが忖度ユニット(忖度ユニットではない)の振り付けを突然踊り始めるシーンにビジュアルが付いたことについては、間違いなくシナリオイベントのアニメ化による大きすぎる恩恵のうちのひとつであったのは間違いない。
また13話WDCのライブシーンについては、間違いなく手書きアニメでこれを表現しやうとするならば数倍の手間が掛かるだろうなという演出が(素人目ながら)見れて3Dの恩恵を感じた。3人の色反転やライティングによる主線の色変えとかね。たぶん大変なんじゃないかな…
ただまあどれも必要と言われれば必要な演出であったことは間違いないけども、WDCのイントロ流しすぎじゃあないか?w一期の3連バベグレでもかなり笑ったけどもそれより多い天丼が二期にあるとは思わなんだ。デデデデデレレレ

16話ライブシーンについて


おおむね省略。新曲連打は豪華だしアニメ化ってこうあるべきだよな!という気持ち。いくらenzaシャニマスがハロウィンに本気だからってハロウィン曲を突然5曲も生やすな!とも思うけど。衣装まで用意するのはやはりこのアニメはライブシーンにかなり金的リソースを割いてるなという微妙な事情も見え隠れする。アイドルの私服は1シーズン1着とかなのにな。同じ服しか着ないオタクじゃないんだから…。
ちょこ先輩が観客にチョコを投げ込むシーンで1期のカレーにチョコを大量投入するちょこ先輩を思い出し、お茶吹。

チーム分け、ユニット越境について


前項。シャニマスのアニメ化におけるベターな選択肢はゲーム内シナリオの再演……とは書いたものの、やはりベストは百点満点のアニオリ展開だと自分は思う。ソシャゲのストーリーはソシャゲという媒体に最適化されたものだし、ただでさえオート再生で1時間を超えるenzaのストーリーを愚直正確にに再現することは諸々の理由からして不可能だし、既にストーリーを知っている身としては「こういうのでいいんだよ」以上の感動は生まれないからだ。さらに言うと「あるなし」の話にも発展しやすいし。どこのシーンがあってどこがカットされて…みたいな。新規に優しくは勿論大前提だけど既存ファンも新しいシナリオを見たいよ。できるのならば両取りを目指してほしい。
その点、今回のシャッフルユニットは面白い試みだと思う。原作に無い要素を拾いながら、9-12話までの「283プロとして混ざり合いながら成長する」というプロットの流れを汲むこともできている。
今回のチーム分けはそんな、ひとりひとりの成長と刺激にフィーチャーした組み分けだったのではないかなと思った。
卓越したスキルを持つ新メンバーこと芹沢あさひ→競うように練習する恋鐘、夏葉→イルミネの時よりもハードなレッスンを要求される灯織 のようなチーム分けや、
所謂「かわいい」の色、近似値を持つアイドルを集めて、自分の進むべき道をその中で改めて見つめ直すためのチーム分け、自分を出すことにまだ抵抗のありそうな甘奈や樹里、結華には果穂やめぐるを合わせ、等。あくまで個人的な解釈にはなるんですけど。こじつけ感も強いし。各々の強みを伸ばすための組み合わせが多かったように見えた。ここの答え合わせはたぶん次幕以降の展開だと思う。双子のすれ違いや、何がとは言わないが樹里ちゃんが自分を出すようなシナリオが来るのだとしたら繋がるものがあるんじゃないかな。
ただやはり、加入したばかりのストレイライトを即シャッフルに組み込むのは流石に脚本として若干の違和感を感じざるを得なかった。服装の切り替わりと季節の移り変わりで時間の経過を表現こそしていたものの、視聴者の体感時間的なはなしで…。
チェインやり取りのターン、霧子の返信がワンテンポ遅れていたりだとか、恋鐘結華から真乃の返信までに時間が空いていたりだとか、キーになる言葉を甜花がふと出すところだったりだとか、嬉しいのポイントが沢山あった。灯織が褒められてニコニコのめぐるちゃんとか。多分ゆっくり見たらまた細かい発見があるんだろうな。あと寮の共有スペースがだいぶ見えてきてなるほどなにもなった。漫画のオタク的にも助かりますね。

演出について。


ライティングやカメラワーク、構図による行間の見せ方、キャラクターの心情の移り方を見せようとする姿勢に関しては、1-12話と比べると飛躍的に向上していると感じた。これにより一期では「行間はそこに置いてきた、探してほしいけど無いところには無いです。」みたいな散らかり方から、「この辺りに読ませたい行間があります」くらいにまで読みやすくなっていたと思う。台詞のあるキャラクターを追うように移動するトレジャーガウストのようなカメラワークがあまり見られなかったことも好印象。
特にチーム智代子や千雪と行動しているときの真乃の心情の移り変わりや不安をカメラアングルや足元や手元の仕草を強調しながら表現しようとしている箇所や、13話でのあさひと真乃の会話のシーンでの2人の位置関係、冬優子と鏡の置き方などはぜひテレビ放送時に改めて確認してほしい。
ただまだまだ改善の余地はまだある。キャラクターひとりひとりが決められた台詞を喋っているかのようなターン制会話や、やはり間を持たせるための顔アップと引き構図の繰り返しなどは散見されていた。間違いなくマイナスポイントなので是非そこは拘り尽くしてほしい。
また、これは正面構図の回数が減ったことの弊害であるので嬉しいことでもあるのだが、やはり斜め顔が鼻線や輪郭の処理の関係であまりキャラクターが可愛くないように見えるタイミングがあり、それが一期に比べて多いように感じた。特に真乃ちゃん。そこは素直に残念。

櫻木真乃さん、また全体のプロットについて。


総評で触れた「フラグ」の話。自分はシャニアニ一期(1-12話)を雛鳥たち(バースオブウイング)が翼を広げる(Spread the Wings!!)までの物語だと思って取り扱うが、二期は恐らくそこから羽ばたいて向かう先、方向の話をしているのだと思う。動と静のような話はあくまでも取り扱うシナリオやキャラクターの傾向であり、本質的な話では地続き、もとい空続きのストーリーラインを進めている。
具体的な話をしようとすると櫻木真乃さんの話をしようね、になるのだが…。なんかもうとりとめのないことになりそう……。

enza版の真乃さんのアイドルイベントにおけるテーマは幾つかある。「踏み出す勇気」や「ありのままの肯定」、「変化と成長」などだろうか。wingの頃のシナリオは勿論最新のLanding
Pointやトワコレ、マイコレのpSSR、またユニットや越境のシナリオイベントに至るまで一貫して描かれている。
アニメにおける真乃さんも同様のストーリーラインが展開されており、第1期の1話(含シャニソン•ノーメイク)ではSTEPやWINGに該当する「踏み出す勇気」の話を、後半ではユニットや越境ライブのセンターという大役を任されたことによる苦悩と成長の話が描かれた。ここまではおおむねenzaのストーリーを追うような形、または行間を埋めるような形でプロットが進行していたが(おれはまだシャイニーテイルを省いたことを許してはいないが?)2期ではそんな真乃さんの物語は思いがけない形で加速することになる。

「何をどう頑張るんすか?」

13話、芹沢あさひとの会話のシーンである。
enza版においても、真乃さんと「頑張り」について触れるコミュは多い。イルミネの感謝祭シナリオや、pSR【花結びゆくゆく】、GRADシナリオなどだろうか。特に後者二つやwingのシナリオでは、真乃は好ましく無い状況から脱出するために我武者羅な「頑張り」の姿勢を見せる(しかも状態は好転しない)ことがあった。
真乃さんのシナリオにおける登場人物は、往々にして「優しい」人物が多い。灯織やめぐる、Pは真乃の迷いに対して敏感でいてくれるし、登場するモブたちも真乃の頑張りを見守ろうとしてくれる人らが殆どだ(それが真乃に引き寄せられた人たちだからという話はまた別の場所で…)丁度雰囲気としては一期のアニメに近い。しかし今回ここで登場したあさひが投げかけたのは、そんな「優しい」人々からはほぼ出てこない言葉だ。また、これは以前からティザーとして流れている映像の台詞——おそらく次幕以降の浅倉透による発言

「アイドルって、頑張ってなるものなの?」

この二つの言葉が、アニメにおける真乃さんの次の一歩への鍵となるだろう。きっと真乃さんなら、悩みながらも答えを出してくれるんじゃないかな。

また、鍵となる言葉と言えば桑山千雪の台詞を思い出す。帰り道、千雪と智代子が真乃の迷いを聞くシーンだ。真乃が目指すべきアイドルの姿。もしかしたらそれは真乃ちゃんの中にあるのかもしれないし、これから出会うのかもしれないね(ちょっとうろ覚えでごめん…もしかしたら智代子の台詞かも)

踏み出す勇気、変化と成長、ありのままの肯定。

シャニアニは櫻木真乃さんのストーリーを書いてくれるのかもしれない。enza版とは違ったプロットで、違う演出方法で。
enza版の彼女のストーリーが大好きだからこそ、このことが大いに楽しみである、と同時に怖くもある。
自分は第一シーズンのやりたいこと、描きたかったことに対してはある程度自分の中で納得はしつつも、その演出と表現方法に対しては苦い顔をせざるを得なかったからだ。重箱の隅をつつくのに耐えれるような細かな演出を謳いながら、肝心なところですっぽ抜ける仕草と脚本、申し訳ないが予算が無いことが伝わってくる画面作り。宣伝方法etc……
何より許せなかったのは、とある曲の存在を匂わせながらティザーPVとハミングでしか使用しなかったこと。感想の飲み会ではその話しかしなかった。悔しかったし悲しかったし、申し訳ないがその曲が収録された円盤は買えなかった。5万円は払えなかった。払おうと思えば払えたけども。人質商法ほんとにやめてください。

今度こそ信じていいんですかね?

中でも散々書いたが、シャニマスにおけるアニメ化でのベターな選択肢は、原作を忠実に再現、再演することだ。それはそうだ。自分たちはその話たちに惹き込まれてこのコンテンツのことを好きになったのだから。14話の評判が比較的良いことからも頷ける。

だからこそ、だからこそだ。

「アニメ」のシャイニーカラーズが、この世に生まれてきた意味を。ベストな選択とここからの展開に期待したい。

楽しみにしています。少しだけ。

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