君は令和に甦った武士道の亡霊ダイバイザブレードを知っているか?

 初めに、皆さんはブシドーブレードというゲームをご存知でしょうか?1997年にPlayStation用ソフトとしてスクウェア(現スクウェアエニックス)から発売された対戦格闘ゲームです。
 このゲームなんですけど独特のシステムが採用されてまして、他の格闘ゲームとはちょっと一線を画す物だったんですよね。
 ブシドーブレードは武士道をモチーフにしたゲームです。武士なので当然ですが刀や薙刀などの刃物類が主な武器になります。金槌とかもあるけど。
 ここで一つ皆さんに質問です。刃物で切りつけられると人間ってどうなりますかね?そうですね。最悪の場合、死にます。
 このゲームは忠実にそれを再現しました。致命傷が入れば一撃で死にます。当たりどころが悪ければ即死です。ただし腕を斬られれば刀を握れなくなり片腕が、脚を斬られれば身体を支えられず片足が使えなくなったりと、ただ一撃で死ぬだけのゲームでは無かった事は確かです。
 そんなブシドーブレードだったんですが個人的にはかなり好きなゲームの1つでした。格闘ゲームが苦手な私でも適当に刀を振り回してるだけで勝てる可能性があるゲームでしたので。
 世間的には癖のある世界観とシステムでバカゲーといった評価をされてしまっている事が多いみたいですがね。
 そしてそんなブシドーブレードなんですけど、その一撃死のシステムを受け継いだ謎のチャンバラゲームが遂にリリースされます。

 それがダイバイザブレード(Die by the Blade)です。

 ダイバイザブレードはスロバキアに拠点を置くパプリッシャーであるGRINDSTONEから発売されるゲームでTriple Hill InteractiveとToko Midori Gamesによる共同開発されたゲームです。
 ぶっちゃけ何処で誰か作ろうとそんな事はどうでも良くて、ブシドーブレードライクなゲームを令和に!オンラインで!世界中の武士道を極めし者達と遊べる!って事実がもう嬉しいじゃあないですか!

 実はそんなダイバイザブレードのデモ版がsteamで遊べるので感想なんか書いていきます。

 デモ版で遊べるのはシングルプレイヤーのチュートリアルモード、オフラインのバーサスモード、オンラインのオンラインデュエル、カスタマイズのウェポンズ、設定はディスプレイ、グラフィック、ゲーム、オーディオ、コントローラーが調整可能でした。
 チュートリアルモードは回避、パリィ、構えの上中下段の操作、基本となる横攻撃と縦攻撃、簡単なコンボ説明という感じ。基本的に英語表記ですがスティック操作とボタンのイラストが出るので何とかなります。それからこのゲーム、攻撃や回避時にスタミナゲージ?を消費して行動するんですが、それについては特に説明が無かったので製品版だとそこらへん追加されてると嬉しいですね。おそらくスタミナが無い状態だとコンボが出なかったりします。検証が不十分なため間違いかも。
 オフラインのバーサスモードはキャラクターと武器、フィールドを選んでCPUと対戦出来るモードです。
 強さはカスタムとランダムがあり、カスタムだとEasyからExpertまで4段階強さが選べます。ですがExpertだろうが致命傷が入れば即死なのでぶっちゃけ強さの違いは分かりにくいです。若干コンボの使用が増えてる様な気はしないでもないです。

 デモ版で使用出来るキャラクターは3人。

いまいち年齢不詳な感じがある見た目とファッションセンスの男

 Yoshi
 なんていうかちょっと誉を感じなくもない顔してらっしゃる方。髪を後ろで縛ってる髭が濃い若者…?武士かどうかよく分からんが外国の映画に出てくるタイプの達人っぽい格好をしている。性能はバランス型。チュートリアルではコイツを操作します。

画面右側のいかつい男。本職は坊主とかだったりするのだろうか?

 Nakamura
 デカいハゲ。おそらくパワー型。鎧を着ているので武士判定。スタミナゲージが他の2人より長いので連続で攻撃が出来る(ような気がする)。コンボ主体の戦い方でガンガン攻めるタイプだろうか。

画面右側の女性。大きく開いたセクシーな胸元に対戦相手の視線も釘付け…?

 Butterfly
 現状今回の紅一点なのだが、かなりパンクな見た目をしている。赤い髪を片側に流して反対側を剃り上げている。クロマティ高校に在籍してそうな髪型してますね。服装は世紀末ライダーといった風貌。割と胸元の開いている格好をしているがまったく嬉しくは無い。性能はスピード型。技の出が速く奇襲戦法に向く。反面スタミナゲージは短いので連撃には向かないと思われる。

 使える武器は2種類。Katana(刀)とWakizashi(脇差)から選択可能です。刀は両手、脇差は二刀流で両手に持ちます。それぞれコンボが存在し、3連撃の最後の攻撃が決まると演出付きのフィニッシュになります。ちなみにコンボ攻撃の途中でパリィされると普段より体勢が大きく崩れる様な感じもしたのですが、スタミナの消費が原因の可能性もあるので要検証です。

 実際に対戦した感覚としてはブシドーブレードよりもかなりアグレッシブな印象です。ブシドーブレードと違いダッシュは出来ないんですがステップ回避により間合いの取り方にかなりスピード感があります。ブシドーブレードで本気の対戦をする場合には反則級の理不尽さを持つダッシュからの攻撃を禁止にした上でお互いの間合いを摺り足で探り合う様なプレイだったと思うんですが、ダイバイザブレードはその点ダッシュが出来ない代わりにステップ回避が可能で距離を取りタイミングを伺ったり一気に間合いを詰めて攻め入ったりというプレイが可能です。
 間合いを詰めて一気に攻める!それを華麗に弾く!隙を見て必殺の一撃を叩き込む!そんな命のやり取りが対戦では繰り広げられる訳です。
 言うなればブシドーブレードは繊細な達人同士の間合いの探り合い。ダイバイザブレードではよりアグレッシブな脂が乗り切った剣豪達の豪快な打ち合い。それぞれの立ち回りにはそんなそれぞれ違う武士道を感じる作りといった所ですかね?

 デモ版で選択可能なフィールドは3種類。

 奥に一里塚?首塚?的な木があり周囲を岩に囲まれた野原。他のフィールドに比べて距離を取りやすく少し広い印象。

 ダウンタウン
 サイバー中華街の片隅、怪しげな店の建ち並ぶストリート。長方形のフィールドで立ち回りを考えないと壁を背にしやすく追いめられると厳しい。

 オフィス
 なんか海外の日本食レストランの店内の真ん中です。多分人が死ぬ様を見るのが至上の喜びの金持ちが普段は周りで懐石料理なんかを食べていると思われる。店の中なので一番狭い印象。何故こんな所で…という感覚が大きい。

 最後にメインディッシュのオンライン対戦です!やっと世界中の武士達を百人斬り出来る!という訳なんですけど…
 ぶっちゃけあまりマッチング出来なかったです。連続でプレイすると同じ相手と研鑽を積む事も結構ありました。
 まだまだ本格的に対戦環境が整っていない事もあって現状はお互いに距離を取りながら打ち合うみたいなプレイが多かった印象です。
 対戦で意図的にコンボを使う相手はほぼ居ませんでした。私は最もベーシックな中段からの2種類の3連コンボは練習したので使ってましたが、普通にコンボの合間に斬られて何度もお亡くなりになってました。まぁ、それも求めてオンライン対戦に勤しんでいた訳なんですけど。
 ちなみにこのゲームはコンボの最終攻撃を当てると演出付きのフィニッシュとなります。残光のように揺らめく太刀筋一閃!対戦相手の頭部は上半身との永遠の別れを悲しむこともないまま静かに眠りにつくことになるでしょう。

冗談みたいに吹き上がる血しぶきにはどことなくシュールさを感じる。


もっともっと対戦して人が斬りたいのですが…おっと、つい生命のやり取りの美しさに魅了されて武士道から外れてしまう所でした。ブシドーブレードでも武士道に反する事をするとゲームオーバーでしたからね。ダイバイザブレードがそこら辺どうなのかは分からないですが。

 最後になりますが、もし皆さんの心の刃が血を求めて鍔鳴りしていたりするなら
「ダイバイザブレード」
文句なしにオススメです。小難しい人狼とか遊んでないで分かりやすく殺し合いしましょう?
私はあなたを斬るその時を、そしてあなたに斬られるその時を待っています。







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