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2022年のSC相模原を証明しよう

2022シーズン終了を1ヶ月以上残すこのタイミングで、薩川了洋監督の今季限りでの退任が発表された。
高木琢也前監督から交代して5ヶ月あまり、チームの成績が上向くことは無かった。

思えば、今季はここまで苦しい日々だった。
開幕2戦目から3戦連続で終盤に決勝弾を被弾してのアウェイ3連敗。

天皇杯県予選での0-3敗退。監督交代。勝てないホームゲーム。

正直に言えば、応援していて苦しいことの方が多かった。
負けて、スタンドへの挨拶を終えて、下を向きながら歩いて帰っていく選手達の背中を見る度に切なくなった。
最近はその光景にも見慣れてきてしまって、感性が麻痺しつつある。

アウェイスタジアムで、試合後に夕焼けを見ながら、形容しがたい感情に包み込まれたことが何度もあった。

今日も勝てなかった。
皆辛そうな顔をしていた。
楽しかった思い出までもが、頭の中から薄れていってしまうような、辛い感覚。

怒りたくなるような日もあった。
残っていると自分の中で何かが爆発してしまいそうで、試合が終わった瞬間に一目散に帰ったこともあった。


まともにそういう感情と向き合おうとすると、心が軋んで、そのまま壊れてしまいそうになる。

けれど、秋の深まりと共に残り試合数は減っていき、SC相模原が積んだ勝ち点が、容赦なく現実を突きつけてくる。


2022年のSC相模原は、弱い。


J2復帰を目指して、クラブ強化部を中心に2022年のSC相模原が作られた。
多くの選手・スタッフ、スポンサー、そして多くのファン・サポーター、それぞれがそれぞれのできる努力をして、その2022年のSC相模原を押し上げようとしてきた。

しかし、結果は及ばず、このタイミングでの監督退任が発表された。

自分など、1人の応援しているだけの人間程度だけれども、自責の念に駆られてしまう。
自分の応援する態度は選手やチームに良い方向で働きかけられていたか。
果たして自分は"サポーター"になれていたか。

自分に何ができる訳でもないけれど、自分の選択が間違っていなかったか、確認したくなってしまう。


開幕早々に三連敗を喫した4月のアウェイ福島戦。
悔しさのあまり、スタンドのファン・サポーターの顔を誰も見上げられなかった選手達の姿が忘れられない。

5月の日曜ナイター、どこかチームの形があやふやになってきたのを感じたアウェイ岐阜戦。

今年の夏は、気温が上がっても、熱が上がりきらない夏だった。

ホームゲームではほぼ劣勢。
終盤に反撃に出てゴールへ攻め込むシーンも、試合を重ねるごとに少なくなっていった。

そして、ピッチが、ベンチが、スタンドが、
まるで身体を巡る血液の流れが止まっていくかのように、熱量が失われていった。

何かが滞り、時間だけが過ぎていくあの感覚。


悔しいことよりも、悲しいことや切ないことよりも、余程嫌な感覚だった。

自分が、今どこで、何をしているのか、段々と分からなくなりそうになった。

これが、今年皆が願ったSC相模原の形なのだろうか。

絶対に違う。


ピッチに、ベンチに、スタンドに、一体感のある、熱い空間を作り出すフットボール。
地元・相模原でそれが見たくて、その空間の一部になりたくて、僕は応援していた。

望んだ結果が得られないことは、残念ながらもう決まってしまった。

来季はまた新たなチーム編成で、一から戦っていくことだろう。
このクラブで、このチームで、このファン・サポーターでフットボールを共に作る時間は、もう多くは残されていない。

けれど、2022年のSC相模原を、このままで終わらせていいのか。
このまま、弱かった年、何も残らなかった年、皆の記憶から消されていく年にしていいのか。

そんなシーズンがあっていいわけがない。


勝てなくても、皆が望む結果が得られなくても、
何かを追い求めて必死になった時間が、きっと未来に向けた贈り物になると僕は信じたい。


3月、これほどまでに下を向く自分達を想像していただろうか。

きっと、誰もが情熱を燃やしていたと思う。

勝ちたい、頑張りたい、たくさん楽しみたい、泣くほど喜びたい。

そんな、希望に満ちていたあの時間を、僕は認めたい。あの自分を肯定させられる何かがあれば、きっと僕はまた熱くなれる。


結果は出ないかもしれない。また負けるかもしれない。
けれど、僕らが夢見たあの時間を証明したい。取り戻そう。


まだ遅くない。今からでも出来ることがある。
一緒に、2022年のSC相模原を証明しよう。

 
だから、

負けを恐れるな。
気持ち見せろ、相模原。


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