10/10 〇6-0 王手。心動かし、記憶に残る、亀井善行の野球道。
圧勝でした。
打っては長打がぽんぽん飛び出し、投げては完封リレー。言うことありません。
阪神に反撃の機会を与えなかった投手陣、本当にお見事でした。
メルセデスの6回福留へのラストボール、思わず声が漏れました。
何かアームの角度も違って、まるで大投手が投げ下ろすかのような直球がアウトローへズバッと決まるあの快感、形容し難いものがありますよね。痺れました。
大竹も問題なく抑え、デラロサにも今日リベンジの機会を与えることができました。本当に本当にお見事でした。
打線も、昨日から心配はしていなかったのですが、案の定ちゃんと野手の間を抜いてくれる強い当たりが一定数出ましたし、特に問題は無さそうです。
多くの選手が良い働きをして終始圧倒した試合展開の中で、一際強い輝きを放ったのは亀井でしょう。
先頭であのツーベースとヘッスラを見せられたら、
「今日も行けるぞ!」
ってなりますよねそりゃ。
スタンドが一気にそういう雰囲気になりましたよね。
昨日の魅せ肩含めて、分かってやっているのが憎らしいところです笑。
猛打賞を決めた右中間なんてあまりにも技ありでした。
昨日のタイムリーと言い、1番打者としてこれ以上ない働きです。
亀井のこういうある種のスタンドプレー、ふと思い出してしまう選手がいるんですよね。
彼の師、高橋由伸です。
由伸はあまり観客を盛り上げるような振る舞いはしなかったですけど、得点後の声援に応える姿が最高にかっこよかったんですよね。
由伸って点が入ったあとに守備位置に就く際、「由伸」コールを必ず3回名前を呼ばれるまで待ってたんですよね。
ライトに向かう時に、目の前から大歓声を浴びてるのに敢えて溜めて、3回目くらいの歓声が最高潮になったところで帽子取るんですよ。
由伸自身はおそらく一度もこの件にコメントしていないと思いますが、ファンやドームの雰囲気を考えての最高の"プレー"だったと思っています。
だから亀井のああいう所がものすごく、ライトスタンドに通い続けてる人間としてはくすぐられてしまうんですよね。
(たしか真似して3回で帽子を取ったりしたことも一昔前にあった気がします笑)
日本シリーズで同点弾打ったときに、ライトスタンドに拳を掲げながらベースを回っている姿とか、本当にかっこいいですよね。
多分、我々が思うより、亀井善行は巨人ファンと共にいてくれています。
去年までの3年間、由伸の為にと身を粉にして巨人に捧げてきたベテランが新体制の今年、思いもよらぬ打順でその魅力を引き立てられるの、エモさの塊です……。
きっと、想像することすら難しい思いを抱えて、それを力に換えて打席に立ち続けているんでしょう。
巨人軍黄金時代、オガラミの後ろで花開いた若手外野手は、今や相手に真っ向勝負を挑む巨人軍の老獪な尖兵になりました。
岩瀬からのサヨナラのガッツポーズ、日本シリーズの同点弾の打った瞬間、ロッテ戦でのサヨナラでの涙……。
彼は、打ったという事実よりも、その時の姿の方が記憶に残ります。
ハートで野球をやっているのが物凄く伝わります。
きっと、今日のヘッスラだって、多くの巨人ファンの記憶に深く刻まれるでしょう。
亀井善行とは、そういうプレーヤーです。
喜びも悔しさも、
強さも弱さも、
全てをグラウンドにぶつけるその姿勢。
ファンのみならず、一緒にプレーするメンバーや若手も間違いなく見ています。
チームを代表してプレーする誇りと責任、勝利への執着。
亀井善行の一投一打が、巨人軍を彩り、骨太にしていきます。
さあ、あと一つ。
亀井善行ともう一度、日本シリーズへ。
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