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サッカード素人をSC相模原に夢中にさせてくれた三浦文丈監督へ

2021年5月31日15時頃、SC相模原の三浦文丈監督の解任が発表された。

昨日の山形での観戦を終えて、少しだるさの残る身体で職場にやってきて、午後に一息ついた頃、その発表を目にした。
こんなんじゃ駄目だと思いつつ、悲しさと喪失感で仕事が手につかなかった。

昨日、帰りの山形駅で見たばかりの文丈監督がもう見れないなんて、正直信じられない。
まだまだ文丈監督の相模原が見たかった。ここから上に上がって行くんだと本気で思っていた。

けれど、勝負の世界。
僕には想像もできないような色々な事情があるのだろう。クラブの決断に異を唱えるまでの知識は僕には無いので、受け入れる他ない。

それでも、最後に、ありったけの感謝を込めて、文丈監督にメッセージを送ります。
もしかしたら、少しでもこの気持ちが文丈監督に届くかもしれないと信じて。


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三浦文丈監督へ

僕は3ヶ月前まではSC相模原はおろかサッカー自体まともに見たことがない、とんでもないサッカー音痴でした。

それが3か月前、SC相模原のJ2初勝利をギオンスで目撃したとき。

藤本選手の逆転弾がネットを揺らしたときのあの感動。
喜び合う選手とジュニアユースの子供たち。
そして、ベンチでコーチたちと飛び跳ねながら喜んでいた文丈監督。

あのチーム一丸となった姿、相模原が一つになった瞬間を目撃して、僕の人生にSC相模原という新たな希望が生まれました。

そこから、よく知らなかったサッカーに興味を持つようになりました。
相手クラブの選手やスタッフ、戦術、フォーメーション、色々なことが気になるようになりました。
サッカーに詳しい友人や知人に、理解できる範囲で少しずつ教えてもらいました。

サッカーがまだまだ分からない僕にとっては、文丈監督の試合後のコメントはとても良い勉強材料でした。
正直、言っていたことの半分も理解できてはいないけれど、用語や采配の意図、チームの狙いが僕でも汲み取れるような分かりやすいコメントでした。
文丈監督のコメントがなければ、きっと僕はサッカーをちゃんと知ろうと思うことはなかったはずです。本当にありがとうございました。

そして、そうした複雑に絡み合う思惑を知ってから、ベンチの前で大きく高い声でチームに檄を飛ばし、ベンチに戻ってホワイトボードを睨みながら次の手を考えていた文丈監督がとても頼もしく見えました。

勝利に向かって全身全霊を捧げている姿が、本当に格好良かったです。

印象的だったのは、第6節の新潟戦。
Twitterで、アルビレックスサポーターが「文丈監督には負けられない」と言っているのを目にしました。そこで監督の来歴を調べると、お互いに負けられない相手であることが分かりました。

それを知り、どうしても新潟には負けてほしくないと思いながら行ったギオンス。
アルビレックスサポーターにジャックされたホームで、相模原の選手達は闘志に満ちた姿で躍動し、あの首位新潟に一時はリードするなど、2-2と堂々の健闘をしました。
けれど、試合後の文丈監督は淡々と「(新潟に)意識はなかった」「勝てた試合だった」と振り返っていました。それを見て、更に胸が熱くなりました。

負けず嫌いで、何処までも勝負にこだわっていたのが、痛いほど伝わってきました。

「セカンドーーーーー!!」
「広太ーーー!崚真ーーーー!」

たった3ヶ月しか相模原のことも文丈監督のことも知らないはずなのに、監督がピッチに向けて叫ぶ声ばかりが思い起こされて、自然と涙が流れます。

相模原のサポーターのことを毎回"サガミスタ"と呼んでいたり、常にスタンドに拍手を送り返す文丈監督の優しさが大好きでした。
試合後のスタンドへの挨拶も、負けた時の悔しさを押し殺して頭を下げる姿、勝った時の嬉しさと安堵感がまぜこぜになったような温和な表情、どれも目に焼き付いています。

きっと、出会ったのが文丈監督の相模原じゃなければ、僕はこれほどSC相模原の試合を見に来ることはありませんでした。

これからも、苦しいことを乗り越えて、また監督のあの笑顔が見れると思ってしまっていた自分をすごく悔いています。

昨日の山形戦のあと、人がまばらな山形駅の新幹線ホームでキャリーケース片手に、一人で新幹線を待つ文丈監督を見ました。
こんなご時世なのも相まって声を掛けていいのか分からず、遠くから眺めるだけになってしまいましたが、すれ違った一瞬に何か一言でも声を掛けさせてもらえれば良かったと、心の底から後悔しています。

サッカーの面白さ、奥深さを教えてくれて、ありがとうございます。
クラブと一緒に勝負に熱くなれる姿を見せてくれて、ありがとうございます。
勝つ喜び、負ける悔しさを共有できるチームを作ってくれて、ありがとうございます。

僕をSC相模原に出会わせてくれて、本当にありがとうございました。


もう、本当に感謝の言葉しか出てきません。
まだ3ヶ月しか見ていないへなちょこ相模原市民だけれども、文丈監督の相模原が大好きでした。

いつかまた、文丈監督と会える日を、心から願っています。
今後のご活躍を、心の底から祈っています。


三浦文丈監督、本当にありがとうございました。

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