見出し画像

「闘う君の唄を 闘わない奴等が笑うだろう」

病みそうだ……と感じてから数週間。着々とメンタルが降下していっている。
けれど、その"底"は、一度突っ込めば戻るのに凄まじい苦労を必要にする奈落のような底だったりする。それはもう経験則で分かっている。

何とか奈落の底に落ちるのは回避しようと自分のご機嫌を取ってみたけれど、今回はなかなか上手くいかない。
もしかしたら、ちょっと本当にどうにもならなくなるかもしれない。割と焦ってる。
まあ焦ってもどうにもならないんだけれども。

原因も何となく分かってる。
「あのやり取りが未だにとてもモヤモヤする……」
「自分の知らないところで誰かがすごい陰口を叩いてるかもしれない……」
「仕事が何をしても上手くいかない……」
「もしかしたら、自分はもう今後つまらなくてみじめな人生を歩むのかもしれない……」
今回は理由が多方面から押し寄せてきている。いわゆる「何をやっても上手くいかない」期。

元々自分は仕事が出来る人間ではないと自覚しているから、仕事で壁に当たったくらいで病むことはない。

コミュニケーションが下手で、ちゃんと相手に言わなきゃいけない事を伝えられないと自分の能力を理解しているし、人の話は自分の域外を出ると聞こうともしないから、多少人から嫌われたくらいで病むことはない。

人からよく嫌われる自覚があるから、陰口を叩かれてもそれだけで病むことはない。

そのはずだけれど、今回はとても複合的。笑っちゃうくらいに全部上手くいってない。流石にキツい。
精神を安定させようにも、仕事もプライベートも、自分を落ち着けるシチュエーション全てにネガティブ因子がある異常事態。
本当にダメな時のご飯とお酒も、夏場は暑くてどんどん太るから今はご法度。いよいよ詰んできた。


どうすればいいんだろう……と悩んでいたら、ふと文章を書きたくなった。
元々noteはこういう文章を書くために始めたものだった。最近はサッカーの記事を多く書いていて、忘れてしまっていた感覚だった。

文章を書くと、前向きになれる。
仕事ができない自分と向き合えるから。
自分を認知して、明日に向かえるような気がしてくる。

文章を書くと、楽しくなれる。
人にちゃんと気持ちを伝えられるから。
うまく口から出てこない言葉も、一呼吸置けば書ける。自分も人と接して良いんだと思える。

文章を書くと、強くなれる。
自分のことが分かるから。
自分を書き起こすことで、嫌われる自分と同じくらいの好かれる自分が見えてきて、ああ僕はまだこの世界にいて良いんだと感じられる。



眠れない夜、すぐ自暴自棄になってしまう。
考えたくないことをたくさん考える。

仕事はもうずっと上手くいかずにこのまま病んでフェードアウトしてしまうのではないか。

誰からも好かれず、誰からも信頼されず、周りからは一人また一人と減っていって、気付けば僕の視界には誰も映らず、誰も僕のことが見えないどこかに消えていってしまうのではないか。

僕が思う信頼や情愛は誰にも伝わらず、一人で惨めな思いをしてこのまま死んでいくのではないか。

たまらなく不安になる。


きっと、悩むだけ無駄なことだって分かる。
けれど、悩んでいた方が、ちゃんと自分に向き合っている気がして、けどそんな時間すらも無意味なことにも気付いていて、ひたすら自己嫌悪に陥る負のスパイラル。

こういう時間を味わってしまう分、多分僕は病んだり考え込んだりするのが好きなんだと思う。
病むことが少ない人からすると本当に意味が分からないと思うけれど、自分でも自分のことがよく分かっていないから仕方ない。


夜飲んで、そのまま朝までカラオケに行くことがよくある。
部屋に入って、決まって一番にかけるのは、中島みゆきの「ファイト」のライブ版。

酒か水か、その時手元にあるものを口にしながら、酔っ払った状態で顎を膝に乗せながらそれを眺めるのが自分の深夜のルーティーンになっている。

ちょっと前の時代、今の僕よりとても辛い境遇に置かれていた若者の叫びが詰まった曲。

「闘う君の唄を 闘わない奴等が笑うだろう」

きっと、いつの時代だってそうなんだと思いながら聞いている。


中学生時代、学校に行くのが怖くて仕方なかった時、今では国会議員となったヤンキー先生・義家弘介のラジオを聴いていた。
学校に行きたくない人、いじめられている人、人生に悩んでいる若者の悩みを聞いて、とにかく受け入れて、背中を押してくれるラジオだった。
あの時期、僕はあのラジオに生かされていた。

僕の前の時代の若者が中島みゆきと一緒に闘っていたように、僕もまた若い時には人の言葉に助けられながら、きっと僕なりに闘っていたんだと思う。


今さらかっこつけても、どうにもならないのは自分が一番分かっている。
自分の弱さに心開いて、誰かの言葉を借りる勇気を持って、その言葉と心に感謝の心を持ちつつ、また生きていこう。

そう思った取り留めのない夜の話。

頂いたサポートは自分自身の文章の肥やしにできるように、大事に使わせていただきます。本当に励みになります。