心の日記 #周囲のとまどい

帰国後。
家族が仕事や学校に行っている間、私は家で1人で過ごしていました。家にいると、窓の外から悪口が聞こえてきます。カーテンを閉めて家の中が見えないようにしても、なお聞こえてきます。怖くなり母のパート先に電話をすると、華やいだ母の声が聞こえ、電話の向こうで笑い声が聞こえました。大丈夫よ、家は安全だから、と言われ、電話は切られました。そのうち、攻撃的な声はどんどん大きくなり、しまいには家をドンドン叩く音が聞こえてきました。当時お付き合いをしていた彼に、助けて、警察呼んで、とスマホでメッセージを送ります。それでも怖くて、110番をしました。警察の人が玄関先に来て、家族構成を聞かれます。1人で住んでるの?と聞かれ、いや、こんな大きな家に1人で住んでいると思うか、と思ったのを覚えています。襲われる、と言うと、警察官はちょっと周りを見回して、誰もいないよと答えます。病院には行ってるの?と聞かれたので、これから行くと言うと、そう、と少し安心した様子でした。警察にもそういう人専門の場所があるから行く?と聞かれ、行かないと言うと、わかった、僕はあそこの交番にいるから、何かあったら来てね、と言い、警察官は帰っていきました。帰宅した母にその出来事を話すと、行かなくてよかったよ、家にいな、と母は言います。

別の日、彼氏に会いたいと連絡すると、彼は最寄駅まで来てくれました。私の様子を見て、留学に行っただけでこんなに変わってしまうんですね、と寂しそうにつぶやきました。駅前のカラオケボックスに入り、歌わずに無言で並んで座りました。私は一曲だけ流しました。X JAPANのEndless Rainです。彼は、お別れの曲ですね、と寂しそうにうつむきました。私はドキッとしました。そんな意味を込めたつもりはなかったのですが、なんだか彼と離れていってしまう予感がしました。2人でカラオケボックスを出て、彼は帰っていきました。

4月になり、新学期が始まりました。こんな調子なのに私は大学に行っていました。新学期が始まったばかりなので、授業はガイダンスでした。1限~4限まで出て、5・6限もあった日、私は悪口が聞こえて不安になっており、4限終わりに部室に行きました。部室には彼が1人でいました。部室にいると、外の道路を歩いている人が悪口を行っているのが窓の外から聞こえてきます。窓から下の道路を見ても、誰もいません。彼に、何か言われてる、とうったえると、言われてませんよ、とどこか苦しそうな顔で答えます。帰ったほうがいいですよ、と彼に言われ、私は残りの授業は出ずに帰りました。家に帰り母に早退したことを告げると、帰ってきたほうがよかったよ、と言ってくれたので安心しました。

様子がおかしい私になにかあると思った両親は、父の友人の精神科医のもとへ私を連れていきました。病院にて、両親と医師が話をしている間、私はぼんやり座っていました。お薬を処方され、帰りました。
家で、私は薬を全然飲みませんでした。たしかその時は、処方された薬が違法薬物だという妄想があったのです。食事も摂らず、風呂にも入りませんでした。

埒があかないとみた両親は、またその病院に私を連れていきました。母と医師が話をして、私は別の病院に入院することになりました。私は、今いる病院が薬物に汚染された空気で充満しているという妄想を持っていました。白っぽい煙が充満している幻覚も見えていました。そのため、とにかく早く外に出たいと母から逃げだそうとしますが、母は逃がすまいと私の腕をがっちりつかみます。紹介状を受け取り、会計を済ませ、入院先の病院へ電車で向かいます。ここでも私は母から逃げだそうとします。後になって母は、なんであの時タクシーを使わなかったんだろうと言っていました。

こうして、精神科病院での入院治療が始まりました。
スマホの内容が外部に漏れているという妄想があり、特に母とのLINEはすべて漏れていると思い込んでいました。とにかくスマホを触るのが怖かったのです。統合失調症の典型的な症状ですね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?