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【イベントレポート】地域企業と連携した次代の京都の担い手育成事業 成果報告会

 こんにちは、インターン生のよっぴー(高津 遥)です。3月27日(月)に令和4年度の「地域企業と連携した次代の京都担い手育成事業」の成果報告会が行われました。本記事ではその様子をご紹介します。

◯地域企業と連携した次代の京都担い手育成事業とは?

 この事業の目的は、大学や国籍の枠を超えた留学生を含む学生を、「グローカル人財*¹」として育成するとともに、学生と企業がお互いを知る機会を創出することです。具体的には、多様(大学、学部、学年、性別、国籍等)なメンバーで構成された学生チームによる、京都企業との骨太な連携プロジェクト(PBL型)*²と京都企業と学生の出会いとして交流会を実施することです。

*¹グローカル人財:グローバルな視点と地域(ローカル)の発展を支える情熱を併せ持つ人財
*²PBL:アクティブラーニングに位置付けられる実践的教育手法Project Based Learning(課題解決型学習)

▼京都市の辻井さんより開会挨拶
 今年でグローカルとの連携8年目。京都にはたくさんの学生がいますが、卒業後を機に京都を離れる学生も多くいるのが現状です。そこで、学生が京都に愛着を持ってほしいという思いからこの事業が存在します。
 事業を通して熱意ある学生や企業に出会えて、大変うれしく思っているため、こうした取り組みを続けていきたいです。
 企業の皆さんにつきましては、ご多忙の中ご協力いただきありがとうございます。これからも一緒に魅力ある京都を作っていきたいです。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

◯事業成果報告

司会進行は木下さんが務めました✨

 はじめにコーディネーターの木下さんより、プロジェクト設計の詳細と、事業全体の成果の報告が行われました。この事業が始まった当初から「社会人としての基礎力、ジェネリックスキルの要請」、「企業」「仕事」「働く」の本質を捉えながら熟考」、「ダイバーシティ(多様性)を活かすグループワーク」の3つを大切に進めてきました。下記が、今年度の参加人数やこれまでの実績です。

▼今年度の参加人数

今年度の実施プロジェクト(連携先)

これまでの実績(大学)

これまでの実績(連携先)

◯プロジェクト発表

 プロジェクト発表では、実際にプロジェクトに参加した学生がプロジェクトの成果やピロジェクトでの学び、連携を通じて京都企業にどのような魅力を感じたのかを発表しました。
 長期プロジェクトの「はかり知れないイシダと図る未来プロジェクト(連携先:株式会社イシダ)」に参加した学生と、5日間の短期プロジェクトのGLOCAL WINTER PBL CAMP(連携先:株式会社サーカスコーヒー、株式会社フラット・エージェンシー、株式会社ニッセン)の各チームの学生が代表して発表を行いました。

▼堀さん(連携先:株式会社イシダ)の発表の様子

○プロジェクに参加した理由は?
 教員を目指しているが、あまり社会に目を向けたことない。だからこそ、教員になるにあたって生徒に世界のことを伝えるため、教育以外の世界、特にB to Bの企業ことを知りたいと思ってプロジェクトに参加した。

○プロジェクトに参加しての学んだことは?
 プロジェクトに参加して、京都企業の魅力をたくさん知った。そして、B to B企業の魅力をもっといろんな人に知ってほしい、発信していきたいと思うようになった。
 社会の問題をジブンゴト化して考える必要性や、「自分の知らない課題を自分の知らないたくさんの企業が解決しようとしてくれていること」に気づけた。

▼丸山さん(連携先:株式会社サーカスコーヒー)の発表の様子

○プロジェクトに参加した理由は?
 企業と連携するということに魅力を感じ、自分が1回生であるため、そうした低回生の学年では本来、知れないことを知れると思ったから。実際に参加して、企業との距離も近く、連携企業の魅力をたくさん知ることができた。

○プロジェクトに参加しての学んだことは?
 同じ言葉でも異なる視点や意味をそれぞれが持っている。そこで、大切なことは、いかにして相手に押し付けずに、その違いを上手く伝えることができるのか。そうしたコミュニケーションの力が重要であることに気づいた。

▼岡田さん、ティさん(連携先:株式会社フラット・エージェンシー)の発表の様子

○参加した理由は?
・地域に携わる取り組み、協働作業を取り組みを行うときのスキルを向上させたいと思ったから。
・京都企業を知りたい、日本語でディスカッションを練習したいと思ったから。

○学んだことは?
 京都には中小企業がたくさんあるということを知った。そして、地域に貢献できる職種は自分が考えているよりもたくさんあり、実際に世界で活躍している京都の中小企業が存在するということを知った。
 グループワークを通して、自分の考えをわかりやすく論理的に言語化することは重要だが、自分がまだまだその能力が不足しているということに気づけた。

▼黒田さん(連携先:株式会社ニッセン)の発表の様子

○参加した理由は?
企業と連携してのアイデア企画に興味があったから。

○学んだことは?
自分1人では考えつかないような意見もペアの人と考えることで創出でき、さらにほかのグループの人と話すことでさらなるアイデアが出るといったように、周りの人を巻き込んでいくうちにアイデアが研ぎ澄まされていることを体験できたこと。

◯学生と企業の交流のワークショップ

 学生と企業の交流ワークショップでは、「連携を通して見えた京都企業の魅力と課題解決型プロジェクトで得た学びの先」というテーマで、学生・企業がお互いにプロジェクト参加による感想や学びを共有しました。こうしたプロジェクト参加学生と企業人が交流することで、プロジェクトの意義を再認識することや、次年度以降の連携やプロジェクトの参考にすることなどのために行いました。

▼ブレイクアウトの様子

学生:活動を行ったもう一人のメンバーと「言葉」の捉え方の違いがあった。例えば、発表で「コミュニティ」という言葉を用いたとき、私はゆるい関係性を指していたが、ペアの相手はかなり強く硬いつながりをイメージしていた。そうした言葉の捉え方の差をすり合わせることが大変だった。

学生:アイデアを進める中で、「これ意味なくない?」という風に話が振り出しに戻ったりするのが大変だった。

学生:商品アイデアを考えるという挑戦をこれまで行ったことが無かったので非常に難しかった。売るためのニーズの調査やターゲットなどを深堀することが大変だった。

▼学生の全体共有の様子

 地域活性化をしようと思うと公務員などの進路に行くことが多いように思われるが、企業の事業を通して地域を活性化をするという選択肢もあると気づけた。企業の方とお話をして、公務員を目指している学生は他にも選択肢を認識して視野を広げることもできるという話になった。

▼企業人の全体共有の様子

 企業側からの意見として、学生の感度が高く、我々では気づけないような視点での意見をくれるので、参加して良かったという意見が出た。実際に学生が提案したアイデアのプロトタイプを制作するプロジェクトが社内で動いている。
 一方、学生側からの意見として、「就職は東京で」と思っていたけど、京都の魅力をどう生かしていくのかということに関心を持ったということや、企業では働かないけど学校の先生になるにあたって京都の魅力をよく知ることに繋がったという意見が出た。

◯記事の終わりに

▼インターン生みぞの感想

 今回の成果報告会は、ただ今年度のプロジェクトの成果報告を聞くだけではなく、学生や社会人との交流を通して自分の学びを振り返り、深めることができました。

 私自身も今年度のPBLに参加したり、インターン活動でPBL運営の補助を行なったりして、企業の魅力を自分の肌で感じることができました。企業訪問を通して、企業説明会に参加して表面上の説明を受けただけでは感じられないような、企業のありのままの姿を見て感じて、学生ながらも社会に触れることができたのは貴重な経験だったと思います。

 今回の交流ワークショップでは、他のPBL参加者が学んだことや、連携企業の方が感じた学生が持つ魅力も共有し、多様なバックグラウンドを持つ方々の色々な考えに触れることができました。社会の経営者の方の「若い人はどんどんチャレンジしてどんどん失敗していいんだよ!何かあれば社長が謝れば良いんだから。失敗からしか学べないこともある」という言葉が印象に残りました。失敗したらどうしよう、と一歩踏み出すことができない若者も多い中、そう言って背中を押してくれる大人(人生の先輩)って素敵だな✨と感じました。

▼まとめ(高津)

 プロジェクトに参加した学生に多くの学びがあり、それをしっかり言語化している姿に感銘を受けました。参加した学生の皆さん、連携先の企業の皆さん、本当にお疲れ様でした。
 来年度もご参加お待ちしております、よろしくお願いいたします!

執筆者:グローカル人材開発センター 高津 遥
加筆:溝川 彩夏


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