おしゃべり教室

§8 よくあるレポートの書き方

3行作文の次に、大学でのレポートや論文の書き方でよくある型を説明しましょう。よくあるのですから簡単な型です。
あまりにも当たり前な型だから名前もないのでしょう。

それは次のような順番をたどります。

①提示された論題がこれまでどのように論じられてきたかを調べる
②その内容を要約する
③要約する過程で、まだ扱われていない点を見つける

ここまでくれば、残るのは自分で書き出すことだけです。
でも考える作業は、実は、①から始まっています。「これまでどのように論じられてきたか」を調べようがない論題だったら、論題に関係する生活のなかの出来事を色々と探せばいいのです。これも考える作業のひとつですね。
要約することも考える作業のひとつです。③の要約する過程でまだ扱われていない点を見つけるは、考えるだけでなく、鋭い眼が必要です。

どうでしょう
型は何のこともありません。でも、それを使うにはずっと自分の頭を使わなければなりません。半世紀前の私の同級生たちはこの型を使うことなど、思いもよらなかったことでしょう。
そのむずかしさは今の学生にとっても同じです。教えられてこなかったからです。おそらく、教える人を教えることから始めなければならないのでしょう。
簡単な道ではありません。これを制度教育のなかにどう組み込むのか、それはしかるべき人々が考えるべきことです。

結局、論文やレポートはきちんと書けば本格的な論文になる。しかしそれができない。これは教育の場のなかにいるすべての人が関わる問題です。自分でやってみましょう。


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