深く「読む」技術ーー解説6

§ 訓練の力

上には本の小見出しに合わせて「訓練の‥‥」と記しましたが、これは「練習の‥‥」で構いません。
スポーツなら練習するのは当たり前と誰もが思っているでしょうが、勉強となると「練習」が使われることはあまり聞いておりません。それで「訓練」をもちいているのですが、内容はスポーツで言う練習と何ら変わりがありません。
要は整った論文を書くためにも練習が欠かせないということです。これは小学生なら可能な三行作文でも同じです。話題を変え、繰り返し書くことが大切です。P16L12に記した「訓練の凄さ」はそれを意味します。
では、何回繰り返し書くことを練習すればいいのか、が疑問になるかもしれません。これは人により違うので確定的な答えは出せません。これもスポーツと同じです。
本文のP16L2-3にあるように「自分が何をしているのかがわかるのに二年くらいかかることも珍しくない」とあるのは一つのヒントになるでしょう。
一年では全く足りない。Globeの受講生の場合、数年かかると言っておけば間違いないと思います。

自分の頭を総ざらいする
このページの最後にとても大切なことが書いてありました。それは「自分の頭を総ざらいする」です。文章を書くことを通じて自分の知識や理解のひとつひとつが再点検されるのです。
再点検されたと分かったときは、もう自分がどんな文章を書けばよいかもわかっているでしょう。
論文などの文章を書くことも「急がば回れ」で一本仕上がるまでに、単語や語句の検討、自分の知識や理解の検討、とひとまず論文を離れ、途中で検討しなければならないものが山積です。

課題文を出された場合に論文を仕上げるプロセス
このプロセスはP17L8に記してある通りです。「読む→書く→考える→わかり→自分に眼を向ける→自分の既存の理解の枠組を壊してそれを再構成する→新たに現実に向かう」、です。

これで一先ず「はじめに」の解説を終えたと思います。


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