おしゃべり教室

§5 日本語で文章を書く

文章を書く場合、日本語もドイツ語も基本は同じ
ドイツ人学生は1年半で日記を日本語で書けるようになりました。彼ら彼女らがそれほど早く書けるようになったのは、ギュムナジウムで文章を書く訓練をしていたからです。
ひと昔前の話になりますが、先生たちの指にはペンだこができていたそうです。

それなら日本でも中高で同じ訓練をすればいいではないか、となります。しかし日本ではこの時期が受験のために使われます。
組織的に訓練ができるようにするためには、制度を変えなければなりません。
文章を書く訓練は今のところは制度外でとなります。Globeでやってきた試みでは、小学生から文章を書けるようになります。

では、どうやっているのでしょう。
Ⓐ小学生の場合
小学生の場合には日常生活の話題を切り取ります。子どもが文を三つも四つも並べて話すことは稀なので、最初は短文を使います。

  ねえ、デイズに―ランドに連れてってよぉ!

家では、これに対してお母さんやお父さんが答えるわけですが、これは論文の雛形です。ですから、この後に続く文を子どもに書いてもらいます。何を書くとなると「りゆう」ですね。お母さんなら「なぜデイズに―ランドにいきたいの」となる質問を先取りして自分がデイズに―ランドに連れて行ってほしい理由を書くわけです。すると、
 
  だって、今年は一度もデイズに―ランドに行ってないんだよお!

これをもっと強めて、

  一昨年は二回も言ったじゃないかあ!
  だから今年は一回でもいいから連れててよ!

理由だからと言って、本当に真っ当な理由を子どもが話すとは限りません。なにしろ願望から始まったのですから、理由にはその願望を正当化する論理が含まれます。それを✖にすると子どもが文章を書くのを嫌がるようになるでしょう。
願望の正当化で構わないと私は考えています、小学の二年や三年になれば理屈と屁理屈の違いは判ってきます。でも、それを文章にする両者の違いがぼやけてきます。
 
こんなものが小学生、それも二年生や三年生の書く文章になります。文章を書くのは大変なことですから、最初は子どもが進んで書けそうな話題を選ぶのがいいでしょうね。

次回はこの四つの文章の型とその変型を整理します。

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