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ナイジェリアとボコハラム

2009年からBoko Haramの過激な武装行為が本格化していて、今日まで続いているのですが、その武装行為はNigeria(ナイジェリア)だけにとどまらず、近隣諸国のNiger, Cameroon, Mali, Chadにも広がっています。

でもそもそも何故、Boko Haram(ボコハラム)は過激武装集団になるに至ったのでしょうか?

ナイジェリアのかかえる問題
Nigeria(ナイジェリア)は多様な民族がすむ、アフリカで一番人口の多い国で、アフリカで一番豊かな経済も兼ね備えています。

お金持ちの国で過激派が生まれる理由のひとつは、”おいてけぼり”です。

Nigeria(ナイジェリア)は北と南で大きな違いがあり、

南側は "キリスト教徒が多い” そして "石油の輸出でお金持ち”

北側は "イスラム教徒が多い" そして "統治が行き届いていない"

という特徴があるんですね。

問題の起源
1960年までイギリスがNigeria(ナイジェリア)を植民地支配していたこともあって、キリスト教が広まったり、経済基盤がととのえられたりしたわけですが、基本的に発展というのはお金の集まるところで進みやすいため、南側ばっかり発展していったんです。

北側は政府の管理すら行き届かず、貧しい環境に置かれていました。

そんな状況の中で、北側から生まれたのが Boko Haram(ボコハラム)です。

Boko Haram(ボコハラム)という名前は "西洋の教育を禁止する” ことを意味していて、いかにイギリスに影響を受けて発展をとげた南側に対する気持ちが強いかが読み取れます。

今何がおきているの?
そんなこともあって、Boko Haram(ボコハラム)は西洋の影響を受けた現在の国家ではなく、イスラム教のルールに従ったイスラム国家をつくることを目標にしているわけです。

とくに、ISIS(イスラム国)という中東からうまれた過激派グループは同様な目標を掲げていて、Boko Haram(ボコハラム)をサポートしたり勧誘していたりして、両グループの軍事勢力が Nigeria(ナイジェリア)内を超えて拡大してきました。

拡大し、強くなりつつあるグループは、自分たちの目標を達成するために過激に、暴力的に行動をし続ける、というのが今現在の状況です。

Boko Haram(ボコハラム)の背景はこんな感じなのですが、国際問題を見るうえでひとつ大事な点があります。

国際問題の大事な見方
”イスラム過激派" といった言葉をニュースなどで目にしたりすると、どうしても

”宗教の違いがすべての根幹だ" とか "イスラム教徒は怖い" だとか考えてしまいがちですが、これって一部だけに注目した見方なんですね。

宗教や民族は大事な要素ではあるのですが、それよりも "政府の統治が行き届いていない” だとか “社会から孤立、おいてけぼりにされている地域がある” といった問題が、その先の宗教や民族の違いを名目に争う理由になったりもするんです。

複雑な国際問題の解決策を見出すためには、物事を多面的に考える必要があるんですね。

参考: Al Jazeera, BBC news, Vox, The Guardian, The New York Times

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