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笑った顔がデフォルト: 大真面目なのに、どうしたらいいの?

今日は3月18日。1年前の今日、NYの緊急事態宣言による自宅待機が正式発令される直前、我が家では夫の最後の仕事がらみの外出日だった。

その日に起こった大爆笑なことがあり、FBに投稿していたものが先ほど上がってきた。これは流れてしまう前にこちらに残しておこう。

それは「笑った顔がデフォルトって何?(笑)」という話。

パスポート更新手続きをしなくてはならなかった我が夫。日本で発行してもらった書類の効力がその月の30日までだったことと、自宅待機令がどうなるかわからず、このままでは動きにくくなると踏んで、仕事で外出するのと合わせて、その日無理やり決行。領事館に向かう前に、持参する証明写真を撮りに行き、そこでトラブル(コント?)が発生したのだ。

そのコントとは、何度写真を撮っても撮影する機械が「顔が笑ってる」と注意を出すのだそうだ。何人も担当の人が変わり「ちょっと怒った顔してみて」「もっと怒ってみて!」「怖い顔して!」とアドバイスをしてくれながら、数人で一生懸命撮影してくれたのだそう。何十回試しても「顔が笑ってる」と表示される。挙げ句の果てに、情けない声で「写真撮れないの(涙)」と筆者のところに電話がかかってくる有様。 確かに立ち合っていれば、社長のポートレート撮影の立ち合い時に行うような指示を出して、厳しい顔に導くことも可能だったのだけど、さすがに電話では無理。

結局、撮影してくれた人から「あなた、元の顔が笑ってるんですよね(苦笑)」と言われ、なんとかプリントしてもらい(笑ってる表示になると要再撮影モードになっているようで、無理やりプリントしてもらった模様)「とりあえずこれを手続きにもって行ってみてください、もし適用じゃなかったら返金しますからね」と言われたそう(優しい)。

歯を見せて笑っている写真でなければ大丈夫なはずだからと励まして出向かせたら、案の定手続き的には何の問題なく、無事受諾してもらえたと電話で報告を受けて一安心。しかし、「顔が笑ってるからダメ」と言われて、我が夫はどういう反応をしたのだろう?と、ちょっとその様子も見てみたかった気もする。

帰宅した彼は「僕さ、すごく怒ってものを言ってるのに、怒ってない風に思われるのは、顔が笑ってるからなんだね」と今更のことをいっていた。1年前のその週末に54歳の誕生日を迎えることになっていたこの方。そう、生まれて54年もかかってやっと気づいたようだ。まぁ、NYは非常時だったので、顔の基本形が笑ってる状態の人が身近にいるのは精神衛生上良いという風に納得することにした。

その昔、歌手の石川さゆりさんが「こんな時に笑って見える」と何かの時に叩かれたことを思い出した。その原因は口角が綺麗に上がっているから。確かに我が夫も口元がふわっと笑ってるようだ、しかも目が丸くてパッチリしており、怒った風の目つきと対極。あの時から夫の別名は「我が家のさゆり」。夫の場合、笑った顔になる原因は形状的な問題だけに止まらず、多分メンタリティもあると長年一緒に暮らしている筆者は分析する。笑ってはいけない場面で笑ってしまう子供をよく見るが、それと限りなく近しいものを54歳になろうとしていた1年前にして心の中に備えているとしか思えない。

それにしても、証明写真をとる機械「顔が笑ってる」と判断する機能がついてるのか・・・とびっくり。そして、何度撮っても、担当が何人変わっても、”顔が笑ってます”となった人など今までいなかったようで、この稀なケースに該当する人物と暮らす自分にも苦笑い。ちなみに、どんな怖い顔したのか実演して見せてもらった。結果は面白い顔だった。

あれから1年、今度の日曜日は夫の55歳の誕生日。これからもデフォルト笑った顔で是非宜しく、と思っている。

Hedder photo credit: Nick Fewings

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