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世界のトップリーダーを斬る:戦略プレゼンス時評

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一国のリーダー、世界的なエグゼクティブ、セレブリティなど、メディア露出/公的な場に登場する人々を取り上げつつ、国際基準のトップリーダー・プレゼンスとその戦略について分析します。
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#宣伝会議

「グローバル舞台のコミュニケーション、英語で行うか?大谷翔平選手の場合は?」:『AdverTimes(アドタイ)』連載 vol.19

AdverTime(アドタイ)の連載19回目 は、長年書こうと思っていた、日本人の英語スピーチやインタビュー対応に対する私の見解。 きっかけは、前回(アドタイ連載18回目)に書いた、大谷翔平選手の活躍とそのプレゼンスのあり方をまとめるにあたり、一部コメンテーターや解説者による大谷選手の英語についてのネガティブ発言と直後の謝罪という現実を目の当たりにし、いいタイミングかなと思った為。 実は長年このことについて書こうと思っていたのだが、それを書くに当たってきっかけにできる適切

「謝罪会見に「赤ネクタイ」はNG!JOC森会長の「不適切」な装い」:『AdverTimes(アドタイ)』連載 vol.15

AdverTime(アドタイ)の連載15回目 は、東京五輪・パラリンピック組織委員会(JOC)の森喜朗会長のオリンピック臨時評議会での不適切な発言を踏まえた、翌日の謝罪会見におけるプレゼンスとそこから読み取れる意識について解説してみた。 人は口で嘘をつく、だけど日常的行動は嘘をつけない。中でも選択とはその人の深層心理と意識と価値観、その人が身を置いている環境が見事に反映される、鏡のような部分。 こういう場面で身に付けているものを見れば、いろいろ心理的なことやその人を取り巻

「バイデン大統領、就任式でラルフローレンのスーツを着た理由とは」:『AdverTimes(アドタイ)』連載 vol.14

AdverTime(アドタイ)の連載14回目 は、1月20日に執り行われた米国大統領就任式にて、バイデン新大統領が身に纏うことを選んだラルフローレンのスーツやコートに込めた意志や想いを紐解いてみた。 プレゼンス/アピアランスには、その人の意志や姿勢が顕著に現れる。それが一世一代のことであり、それも問題が山積みの一国のリーダーとなるその日のことであれば尚更だ。 今回、筆者自身、初心に戻る思いでいろいろ考え、再確認した。ブランディングとは、飾ることでも、誇大広告することでも、

「オンラインスピーチの正解は “三密回避”が分かる背景×自分を大きく見せること」:『AdverTimes(アドタイ)』連載 vol.13

AdverTime(アドタイ)の連載13回目 は、Salesforce.com CEOマーク・ベニオフ氏のDreamforceでのキーノートスピーチを元に分析。 世界的な大型イベントもカンファレンスも、一気にオンライン開催となった2020年。開催する側、参加(視聴)する側にとって、ただのオンライン開催では無く、コロナ禍での開催であることに真摯に向き合った社会的責任を示しつつ、さらに新しい意義を提案するかのようなキーノートスピーチとその状況設定は本当に見事だ。 2020年に

「安倍首相の「資料トントン揃え」は百害あって一利なし」:『AdverTimes(アドタイ)』連載 vol.8

AdverTime(アドタイ)の連載8回目 は、8月9日長崎での記者会見(質疑応答)時の、とある行動について。 「広島と長崎でのスピーチが酷使していた」とか、「スピーチライターもっと良いもの書け」とか、「記者からの質問への回答にすでに原稿があってそれを丸々読んでいる」とか、色々言われているが、もっと大事なことを皆さん見過ごしている。 それよりももっと大問題な、話し手の無意識下の行動が引き起こす事柄がある、と言うことに言及した。 日常とは、いざと言うときにこそポロッと露呈

「オバマ前米大統領のスピーチに学ぶ リモート時代のトップメッセージ」:『AdverTimes(アドタイ)』連載 vol.7

AdverTime(アドタイ)の連載7回目 は、5月16日(土)米国東海岸時間8pmから行われたバーチャル卒業式「Graduate Together 2020」での、オバマ前大統領のスピーチと、それに見るリモート時代のトップメッセージの発信について。 このバーチャル卒業式が行われてから2週間後、全米の各地ではコロナウイルスの脅威ではなく、プロテスト、そしてそれに便乗した暴動・略奪の脅威にさらされている。アメリカが各地でやっとビジネスを再開し始めようとしている矢先の、痛ましい

「ジョンソン英首相の退院スピーチが心を揺さぶる理由は、8回もの「ありがとう」」:『AdverTimes(アドタイ)』連載 vol.6

AdverTi me(アドタイ)の連載6回目 は、先日、新型コロナウイルスを克服し退院したボリス・ジョンソン英首相の退院後の国民に向けたビデオメッセージについて。 一時期はICUにも入ったけれど持ち直し、4月9日には一般病棟に移り、12日に無事退院。その際、この5分ほどのビデオメッセージが公開された。 このコロナウイルス禍でつくづく思うのは、本当の意味でのリーダーシップのあり方。このコロナウイルスの前では政治的なことは横に置き、全ての人がそれぞれが出来る最善の行動を取れる

「ゴーン氏が会見で駆使した、スピーチを成功させる強者のテクニック」:『AdverTimes(アドタイ)』連載 vol.2

AdverTi me(アドタイ)の連載2回目 は、日本時間1月8日午後10時から行われたカルロス・ゴーン氏の記者会見を、グローバルブランディング視点で考察。スピーチ、プレゼンスを分析してみた。 正にCESの最中、それも弊社クライアントのプレスカンファレンスが行われる日の朝という、最終準備で慌ただしくしている時間に、レバノンで行われたアノ会見。 ライブで見られなかった分、クライアントのプレスカンファレンス無事終わり一段落した後、その夜と翌日ラスベガスからNYに戻る帰途で会見

企業のトップたる服装戦略 -[特集1] 社長は最高の広報パーソン- :『PRIR』寄稿記事

※本記事は『PRIR』創刊号 5月号(2005年)に掲載された日野江都子の寄稿記事からの転載です。  8人のトップエグゼクティブの方々に共通していることは、装いにおける基本ルールと、企業のイメージ戦略・ブランディングを十分理解したうえで、「会社のイメージづくりは社長自身のイメージ」をアピールするための最適なツールが写真であることにフォーカスできている点である。  ヴァージン アトランティック航空のサー・リチャード・ブランソン氏、グラクソ・スミスクラインのマーク・デュノワ

もうひとつのアメリカ大統領選 -メディアが見たイメージ戦略 vol 1- :『PRIR』寄稿記事

※本記事は『PRIR』 1月号(2005年)に掲載された日野江都子の寄稿記事からの転載です。 本記事は、筆者が初めてメディアに寄稿した記念すべきもの。 今はなくなってしまったけれど、宣伝会議が広報に特化した雑誌として出した『PRIR』(PRとIRを合わせた名前)のプレ創刊号向けに、ちょうどアメリカ出張と重なったブッシュとケリーの大統領選投票日を目の当たりにしながら、テレビ討論会でのあれこれに触れながら書いた記事。 その後、『PRIR』の正式な創刊から1年、トップのメディ