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世界のトップリーダーを斬る:戦略プレゼンス時評

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一国のリーダー、世界的なエグゼクティブ、セレブリティなど、メディア露出/公的な場に登場する人々を取り上げつつ、国際基準のトップリーダー・プレゼンスとその戦略について分析します。
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2018年5月の記事一覧

日大アメフト問題:「人は目で聴く」関東学生連盟 専務理事 森本氏の「好プレゼンス」

関東学生アメリカンフットボール連盟(関東学連)が29日に行った会見について、印象的だったことを備忘録として。 登壇者は左から森本啓司 専務理事、柿澤優二 理事長、寺田昌弘 監事。 遅れて始まったこの会見を見ながら、登壇者の会見場入室時から「この人は誰だろう?」と最初から目が釘付けとなったのが専務理事の森本啓司氏。 体幹がしっかりしているぶれない動き方で姿勢が良く、お辞儀も深くキレが良い。 原稿があるとはいえ、今回の問題について連盟が調査した結果と決断を冷静にわかりやすく説

NY州知事クオモ氏のメッセージ:ニューヨークをもう一度好きになった日

2018. 01. 14記事 2018年になってから今日まで、私の行動半径はどう考えても1km未満。 というのも、結構ハードなペーパーワークのため机にへばりついていたのに加え、豪雪だったり、極寒だったりと、気分転換に外出する気持ちさえも削がれる条件が見事なほどに揃っていたから。これぞ「冬ごもり」。 (途中、寒さと籠るのに飽きて、わざわざ一番寒い日に完全防寒で出かけるという暴挙にも出ましたが・苦笑) そんな状態なので、年明けてからこちら、流れてくるニュースでアメリカの動

ボディランゲージは言葉よりも雄弁:トランプの心理

2018. 01. 12記事 ボディランゲージは言葉より雄弁 今朝ライブでホワイトハウスで行われた Dr. Martin Luther King Jr. Day proclamation。 まずはご覧ください。 トランプ、人が話してる間、体を左右にずーっとユラユラ動かし、口をパクパクさせている。これ、小さい子供が「もう飽きちゃったよー」という時にするボディランゲージそのもの。人の話なんか全く興味ないといった姿勢ですね。違うことを考えて、自分の頭の中で遊び始めてしまって

2018ゴールデングローブ賞:オプラーの力強い受賞スピーチ

2018. 01. 08記事 昨日開催された2018年ゴールデングローブ賞。 今回、功労賞であるセシル・B・デミル賞を黒人女性として初めて受け取ったのが、アメリカでは知らない人はいないくらい有名であり、多大な影響力を持った女性、女優・司会者・ジャーナリストとしても知られるオプラー・ウィンフリー氏。 過去に例の無い、計3回ものスタンディング・オベーションを受けた彼女の受賞スピーチは、深く力強く、アメリカに住む人々だけでなく、世界中の多くの人に勇気を与えるものだと思います。

企業ブランド戦略ベース: ブリジット・マクロン氏スタイリング

2017. 11. 03記事 仏ファーストレディ、ブリジット・マクロン氏のスタイリングを行っているのが、34歳の男性で、もともとブランドでコミュニケーションの仕事をしていたとのこと。 バックグラウンドがファッション・デザインやスタイリストではないことが分かり、至極納得です。 国の公人である人のプレゼンス、アピアランスをマネジメントをするにあたり、最重要事項の中でも一番は、「スタイリッシュであるコトでは ”ない”」と理解した上での選択ができているのが良く分かります。 だ

「紫ネクタイで謝罪会見」と「2018年 PANTONEカラー」

2017. 12. 08記事 Color of the Year 2018 PANTONE 18-3838 Ultra Violet 2018年のPANTONEカラーは、ウルトラ・ヴァイオレット 深め、若干くすみ気味、赤み少なめ、落ち着いた紫。上手に取り入れると、エレガントなのがこの手の色。 紫の説明を始めると、長くなるのでここでは割愛しますが、この色、とても難しいおしゃれな色です。そして、ビジネスの色ではありません。 ちょうど、来年のPANTONEのウルトラ・ヴァイ

補足編: Ivankaピンクに見る、アメリカが思う日本の存在イメージ

2017. 11. 04記事 「Ivankaピンクに見る、アメリカが思う日本の存在イメージ」を踏まえて、色々質問をいただいたので、Ivankaピンク考察についての補足編。 「あのピンクは悪いの?」という質問をいただきました。 あの「ピンク」という色自体はオフィシャルな場でファーストレディをはじめIvankaのような立場の女性が着用するにあたり、根本的には問題はありません(ビジネスパーソンの女性は、職種と立場、目的によります)。ただ、どんな種類のピンクを”どのようなデザイン

Ivankaピンクには負けるけど、部屋着感を否めないメラニア・ガウン

2017. 11. 08記事 週末にポストした「Ivanka ピンク」のポストが、気づけばすごいビュー数になっており、少々驚き気味。やはり視覚情報というのは、良しにつけ悪しきにつけ、とても気になり、その中でも「色」の情報伝達力はすごいという証拠ですね。 後から到着したFLOTUS(First Lady of the United Statesの略)メラニア夫人のあれこれにも気になった部分は無きにしもあらずですが、やはりIvankaピンク(の上下)のように、そこから読み取れ

Ivankaピンクに見る、アメリカが思う日本の存在イメージ

2017. 11. 04記事 Ivanka Trump氏のピンクの服が一部で物議を醸している模様。なので、備忘録として。 まず、到着時の水色の服も併せ、話題のピンクを見るにつけ、「なるほど、彼らは日本をこういう風に見てるということね」と、はっきりわかります。 「日本及び日本人は、ファッション(と言うよりトレンド)にとても興味がある、だけど政治・社会・経済やビジネス感覚が薄い(故にそれに必要=appropriateなアピアランスを理解していない)、成熟していない(甘めで幼

アメリカ季節の服装ルール:FLOTUSの「白デニム」はアリかナシか?

2017. 09. 18記事 先日フロリダを襲ったハリケーン被害地入りをした際のFLOTUS(米大統領のファーストレディ)メラニアさん、今回はハイヒールではなく、出発時Chanelのバレー・フラット、現地到着後は「白」のコンバース・ローカットだったとか。 出発時 Photo: AP Images 到着時 Photo: Getty Images しかし、ここで気になるのは「白」という色。靴だけでなく「白」デニムの着用。 災害地入りするのに、白いボトムに白い足元とは

米トランプ大統領、仏マクロン大統領へのデリカシーの無いちょっかい

2018. 04. 24記事 【本日のニューなトランプ ネタ】 笑いを誘って場を和ませたいのであれば、ホストである自分を落として笑いを取るべし。 フランスのマクロン大統領ご夫妻が就任後初めてアメリカを訪問中。 先ほど上がってきたニュースで、トランプ氏またまたびっくりな行為をメディアの前でそれもマクロン氏にやっているのを発見。 Trump flicks 'dandruff' off Macron's suit と言うタイトル トランプ、マクロンのスーツのフケを指で払う

右上り×紺」戦略か? 日米会見に見る「ビジュアル・パワーゲーム:JMCAウェブサイト  寄稿

*※本記事は『日本経営合理化協会 ウェブサイト』 2018年5月4日に掲載された日野江都子の連載コラムからの転載です。 先月4月17日に行われた日米首脳会談@米フロリダ州パームビーチ。 会談の内容はいつものごとく大手メディアにお任せするとして、国際舞台を背景にした際、リーダーのプレゼンスとして視覚的に気になることを切り取り解説いたします。 今回の会談・会見も多くの写真がメディアで公開されていますが、大きく取り上げられているのは、安倍首相・トランプ大統領共に示し合わせたかの

Facebookザッカーバーグ氏の公聴会がコントである件

2018. 04. 11記事 昨日、今日と行われたFacebookのCEO ザッカーバーグ氏の公聴会。内容がどのようなものであったかは、各メディアが報道しているのでそれはそちらにお任せするとして。いつものようにアピアランス・プレゼンスを分析・・・も、また改めて。 今回何が気になったかといえば、議員とザッカーバーグ氏とのやり取りが、まるで真面目なコント・バージョンの「How to use Facebook(internet)」のようだったこと(苦笑)。「ここでそれを聞く?」

天晴れポーランド大統領夫人: 握手の主導権は女性にあり

2017. 07. 06記事 ポーランドを訪問したトランプ大統領夫妻。ポーランド大統領夫妻との挨拶時のこと。下の映像のようなことが。ポーランドのFirst Ladyやるな。G7時の仏大統領マクロン氏が重なります。 あまり知られていないことなのですが、もともと握手というものは、男性から女性に握手を求めてはならないのが大前提(そんなのどうでもいいという方もおいでですし、アメリカは特に女性も社会でバリバリ活躍し、男女同権を表現するために気にせずガンガン握手しますが)。 しかし