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『ゴールデンカムイ』のロシア語台詞が面白い

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作者と監修がつけた日本語とロシア語の台詞の差異から物語を掘り下げる。全16回。
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#銃

11)有坂銃を「不殺銃だ」と言ったのは誰だったのか【金カムロシア語】

この「不殺銃」という評価について当時のロシア側専門家が言及している。 既に過去回でお馴染みのフョードロフ中将(当時の階級は大佐。以下大佐) 。第一次世界大戦時、有坂銃(三十年式/三八式) を輸入するにあたって交渉使節の一人だった軍人である。 今回は氏の1964年出版の回顧録「В поисках оружия [フ・ポーイスカフ・アルージヤ](火器を探し求めて)」から拙訳で紹介するよ。 【読了まで 12分】 当シリーズはゴールデンカムイをロシア語から掘り下げて楽しんでいる

8)尾形は100 ヴァシリは140 杉元は55と答える【金カムロシア語】

ロシアのことわざで「何事も自分の物差しで測る」。аршин[アルシン] は長さの単位でおよそ71センチ。 今回は163話のヴァシリvs尾形…の前にちょっと寄り道。 ゴールデンカムイ(作中現在軸は1907~08年) の後の1915年、ロシア帝国は日本から有坂銃(三十年式/三八式) を輸入する。まずはそんな第一次世界大戦に従軍した有坂銃のお話から。 【読了まで 13分】 照準が合わない?有坂銃の第一次世界大戦での活躍について、ケルスノフスキー著「История Русско

4)答えられるもんなら 答えてみろよ?─反語表現【金カムロシア語】

第四回は161話のヴァシリの初台詞。 ここ、一文字もロシア語読めなくても、日本語台詞と違うこと言ってるって分かっちゃうんだよね。何せ日本語では「はずがない」と断言しているのに、ロシア語では「?」がついた疑問文になってるからね。 【読了まで 16分】 ゴールデンカムイのロシア語台詞を楽しむシリーズだよ。 単行本読了済みであることを前提に執筆しています。 作者と監修がつけた日本語とロシア語の台詞の差異から物語を掘り下げていきます。 ロシア語には縁が無いよって方にも楽しんでいた