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テラパゴスとギリシャ神話


こんぐれ~ グレイです
今回は久しぶりにポケモンの考察をしていきたいと思います。
テーマはテラパゴスとギリシャ神話です

まずはギリシャ神話のうち、本記事の核心にかかわる部分を紹介していこうと思います。ギリシャ神話は少しにわかな部分があるので、誤り等ありましたら指摘していただけるとありがたいです。


神々の戦い

まずギリシャ神話は、混沌の状態からガイア(大地の女神)・タルタロス(奈落)・エロス(愛の神)が誕生するところで始まります。
その後ガイアはウラヌス(天空の神)とポントス(海の神)という神を産み、ガイアとウラヌスが結ばれることで地上の草木、鳥や獣、空の星、湖や海などが作られ、世界を誕生します。
ただ、ウラヌスは生まれた子供を嫌ったために全員タルタロス(奈落)に閉じ込めました。
このことに腹を立てたガイアは子のクロノスに復讐を頼みます。クロノスはウラヌスを襲い、最高神の座を獲得します。この時流れたウラヌスの血からギガス(巨人族)が誕生したとのことです。
最高神になったクロノスもまた、自分がいつか子供に殺されると思い、自分の子供を飲み込み続けます。末子のゼウスを産んだレアは石を産着に包んでゼウスだと偽ってクロノスに飲み込ませ、ゼウスを隠します。やがて成長したゼウスはクロノスに薬を飲ませて、飲み込まれた兄弟を救い、オリンパス山に集まります。ここからクロノスとゼウスの間での戦争が始まります。
しかし神が不死であるためにこの戦争はなかなか決着がつきませんでした。そこでゼウスはギガス(巨人族)の力を借りて、クロノスに勝利します。敗れたクロノスはタルタロスに封じられます。
ガイアはクロノスがタルタロスに封じられたことに怒り、今度はギガスをゼウスに差し向けます。
ここからゼウスとギガスの戦いが始まりましたが、人間の血を引くヘラクレスの助けを受け、ゼウスは勝利します。

…この後もギリシャ神話は続きますが、今回のポケモン考察に関わる部分はここまでなので、とりあえずここで締めようと思います。
ここでギリシャ神話の神々の関係図をご覧ください。


テラパゴスの位置付け

さてこの神々にポケモンを当てはめていくと以下の図のようになります。
根拠を順に見ていきましょう。

アルセウスとレジギガスは名前が「ゼウス」と「ギガス」とよく似ている点、プレートの裏面に「プレートに あたえた ちから たおした きょじんたちの ちから」と書かれているようにアルセウスとレジギガスを筆頭とすると考えられるきょじんが戦っているところから、それぞれゼウス、ギガスと見て良いでしょう。

続いてテラパゴスの位置付けですが、
テラパゴスとレジギガスの間にはとある繋がりが見られます。
LEGENDS アルセウス内のキッサキ神殿では、パルデア式のタイプマークが使われています。

画像:https://gametamashii.com/pokemonarceus-13/

タイプマークはポケカだったりポケモンGOだったりサンムーンのZクリスタルの模様だったりで別のものが使われているため、ここでわざわざ次作であるパルデア式の模様が使われていることは単なる偶然とは言い難いところがあります。
この部分については
「テラパゴスが産み出したタイプの概念をレジギガスが引き継いだ」
「レジギガスが産み出したタイプの概念をテラパゴスが引き継いだ」
このどちらかの解釈ができます。

テラパゴスが産み出したタイプの概念を崇拝してキッサキ神殿にパルデア式のタイプマークを刻んだのならまだ筋が通りますが、
レジギガスが産み出したタイプの概念及びタイプマークが、生物であるテラパゴスの体に模様として現れるようになったとは考えづらいので、
タイプの概念を産み出したのはテラパゴスと見てよいでしょう

するとウラヌスの血から生まれたギガス(巨人族)のように、テラパゴスからタイプの力、あるいはレジギガス一族そのものが生まれた、という風にギリシャ神話との関連を解釈できます。


テラパゴスがウラヌスの位置に当てはまる根拠はもう1つあります。

ポケモンシリーズはこれまで
メガシンカ(Mega)→キョダイマックス(英語名Gigantamax=Giga)→テラスタル(Tera)という風に、10の累乗、スケールの大きさを冠したシステムが登場し続けていますが、
「テラ」という単語を「Tera」ではなく「Terra」と綴ると、「地球」「大地」といったニュアンスが出てきます。

そしてテラパゴス ステラフォルムの特性「ゼロフォーミング」の英語名は「Teraform Zero」であり、これも「Terraform」と書くと「天体・惑星を地球化する・住める環境にする」、すなわち創世に関わる意味を持ちます。
日本語だと分かりづらいですが、テラパゴスに対してわざわざ「Teraform」という言葉を使っているのは意図的なように感じます。
そのため、ガイアと結ばれて創世を行ったウラヌスの特徴と一致するわけです。
これらのことからテラパゴスのモチーフにはギリシャ神話のウラヌスが含まれるのではないか?ということが想像できます。


シンオウ神話との矛盾

テラパゴス=ウラヌス、アルセウス=ゼウス、レジギガス=ギガスとし、彼らのふるまいがギリシャ神話と完全に一致すると仮定していきます。
すると、混沌の世界からテラパゴスより先に何らかの神にあたるポケモンが誕生、しばらくしてテラパゴスが誕生し、テラパゴスが創世を行ったということになります。
また、テラパゴスは地殻変動で絶滅したとされていますが、実際はクロノスに該当する謎のポケモン(上の画像では?????としています)に倒されたのでは?、という話も出てきます(地殻変動の正体がポケモン?)

そしてクロノスにあたるポケモンは、レジギガスの協力を得たアルセウスに倒され、アルセウスが最高神の座についたことになります。
しかし今度はアルセウスとレジギガスの間で戦いが起こり、レジギガスが敗れます。

ここで気になってくるのはシンオウ神話の文章との整合性で、
例えばはじまりのはなし(ポケモンwikiより引用)

「はじめに あったのは
こんとんの うねり だけだった
すべてが まざりあい
ちゅうしんに タマゴが あらわれた
こぼれおちた タマゴより
さいしょの ものが うまれでた

さいしょの ものは
ふたつの ぶんしんを つくった
じかんが まわりはじめた
くうかんが ひろがりはじめた
さらに じぶんの からだから
みっつの いのちを うみだした

ふたつの ぶんしんが いのると
もの というものが うまれた
みっつの いのちが いのると
こころ というものが うまれた
せかいが つくりだされたので
さいしょのものは ねむりについた

混沌から最初の神が誕生していたことは一致しますが、本当に創世を行ったのはアルセウスではないのでは?という点でこの文章は今回の考察と矛盾します。

また、プレートに刻まれた文章のうち一つには

「プレートに あたえた ちから たおした きょじんたちの ちから」

というものもありますが、
ギリシャ神話に基づけばクロノスにあたるポケモンとアルセウスが戦った際にレジギガスはアルセウスと協力していることになるため、
プレートの力は本当はクロノスとの戦いの時にレジギガスから得たものであり、その後その力をもってレジギガス達を倒したのでは?という考えも浮かんできます。
もちろんレジギガス達を倒した際に初めて力を得たという可能性も十分ありますが

歴史というものは勝者によって記されたものであるという側面があるため、
現在残っている神話は完全なる真実ではなく、アルセウスの絶対性を示すために脚色を加えられたものなのかもしれません

あるいは今回の考察では物事が完全にギリシャ神話の通りに運んだと仮定していますが、ポケモンのモチーフはギリシャ神話以外から取られている可能性も十分高いため(ギリシャ神話以外にも神と巨人が戦う神話がある)、テラパゴスが創世の主である、という考察自体正しくないかもしれません

結局信じるか信じないかはあなた次第ということです(古いかな)


?????の正体

さて、最後にクロノスに該当する?????の正体として可能性のあるポケモンを見ていきましょう

まずステラタイプのテラスタルジュエルの王冠のような部分を見ると、Zクリスタルのような形状のものがぐるっと一回りついていることが確認できるでしょう

Zクリスタル画像:
https://www.pokemon.co.jp/ex/usum/gamesystem/170922_03.html

さらに、テラパゴス ノーマルフォルムの体の星形、ウルトラネクロズマの頭の形、レジェンドプレートに刻まれた星の形、
似たような形状をしていますね

そう、ネクロズマは結構怪しいんです
ネクロズマはZパワーの元のポケモンでもありますが、Zクリスタルってタイプの力を強める石なわけですから、テラスタル現象やアルセウスのプレートと似たような性質があると言えます。
ウラヌス、クロノス、ゼウスはそれぞれ親子関係にあたるので、テラパゴス、ネクロズマ、アルセウスが似たような力を持っていても不自然ではありません

そしてネクロズマがいる場所はウルトラスペースですが、
クロノス(=ネクロズマ)はゼウス(=アルセウス)に倒された後タルタロス(奈落)(=ウルトラスペース)に追放された、と捉えると辻褄が合うんですよね

じゃあシルヴァディがアルセウスを模して作られた理由って、単にタイプを変えられるからだけではなくて、アルセウスが一度ネクロズマを倒しているからってこと…!?



…といった感じで話してきましたが、今回の考察はここまでとしたいと思います。
ゲーム本編ではあまり明かされなかったテラパゴスの正体に迫れたのではないでしょうか
もっとも今回はテラスタルとメガシンカの関係については考えられなかったため、LEGENDS Z-Aの新情報でテラスタルの深掘りに期待したい感じですね
もちろんギリシャ神話のみに基づいてポケモンの設定が行われているとは言い切れないので今回の考察には確かとは言えない部分もあると思いますが、それでもなんか面白いと思ってもらえたら嬉しいです。

それではまた次回の記事でお会いいたしましょう
みなさん良いポケモンライフをお過ごしください




参考:ポケモンwiki
ギリシャ神話:https://www.vivonet.co.jp/rekisi/a02_greece/sinwa0.html

『世界でいちばん素敵な教室 ギリシャ神話』