パン作り

料理さえしない私は、今日、表紙の写真に並ぶ焼きたてのパンに惹かれて、パン作りの本を買った。パンを作ったことはない。

昔、母がホームベーカリーを購入してきて、意気揚々と「これからは手作りのパンが毎日食べられる!」と言って作っていたが、その手作りを食べたのは3度にも満たなかった。質量が多くお腹にたまりやすく消化に悪い(よく言えば腹持ちがいい)のと、イーストなど当時あまりスーパーなどに売っていなかった材料が多かったのがあって、苦労するからだと言い笑っていた。そんなに大変なら、どうして買う前に調べたりしなかったのだろうか。

母は、どんなことがあってもそんな様子で平然と笑う。きっとそんなところが愛しくて、色んな人に愛される理由なのだと思う。

読み進めていくと、やっぱり専門用語かさえわからない難しい言葉が出てきて、いまいちよく内容が入ってこない。一次発酵ってなんだ。分からないけれど、どのパンもおいしそうだからまあいいか、と思ってしまう。

ずっと自分は、死んだ父親に似ていると思ってきた。真面目で頑固で、適当じゃいけないところでつい投げやりになってしまう。すすんで友達になりたくはないタイプだな、と我ながら思う。

こんな私も、少なからず母親に似てきたところはあるのだろうか。

長く休みが取れたら、いつか休日に母とパンでも作ってみよう。

気が向いたら。

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