見出し画像

ジュニアアスリートメディカルサポート通信Vo.11 〜ジュニアアスリートにとってメディカルチェックの重要性〜

ジュニアアスリートメディカルサポート代表の宮田大揮です。我々は、小中学生のアスリートをサポートして5年ほどが経ちました。2024年7月から、クローズされていたサポート体制をウェブ上にオープンしました。具体的には、医学の力をジュニアアスリートの能力を最大限引き出すためにフルコミットする形で使っていこうというのがコンセプトで、アジアから世界に誇れる選手を様々なスポーツで輩出することを目的としています。

 第11回は、「ジュニアアスリートのとってメディカルチェックの重要性」を話題にしてみたいと思います。ジュニアアスリートは、もちろん将来オリンピックに出場するような有望な選手もいるかもしれませんが、多くの子供たちがそうではなく、将来プロ選手になりたい!オリンピックに出てみたい!と夢をもって望んでいると思います。
 その子がプロになれるのか?オリンピックに出場できるのか?は誰にもわかりません。そのため、精神的負荷をかけすぎてもいけませんが、本人がその時には本気で思っているのであれば、「無理だ」「できるはずない」など否定的な発言をする必要もありませんし、その根拠もありません。
 我々の方針でもある「ジュニアアスリートの能力を最大まで引き出す」がコンセプトにあるので、そのために必要なこととして今回話題として取り上げたメディカルチェックをとりあげます。

 ジュニアアスリートにとってのメディカルチェックは、先述したように貧血の早期発見・早期介入を行ったり、成長期の段階を正確に評価し適正なタイミングで栄養や筋力トレーニングを開始できるように導いています。
 また、メディカルチェックでは気管支喘息に罹患していないか?(症状に気づいていなくても気道過敏性が亢進しており、お話をしっかり伺うと乳幼児期に喘息の可能性を指摘されていたようなことがあります)突然死のリスクが生じるような心疾患が隠れていないか?(心電図や超音波検査にて心疾患の有無などを確認します)なども確認しています。
 よく知られている病気の気管支喘息は、アレルギーの病気に分類され気道が腫れて狭くなり、息は吸えるが、吐き出しにくい状態になっています。そのため、有症状の子供などは、運動時に咳き込まないように浅い呼吸を頻回にするようになっており、肺機能の最大値を出せない状態です。しかも、子供は無意識に咳のでにくい呼吸法(浅く頻回な呼吸)を学習するので、本来持っている最大酸素摂取量を生かせるような運動は無意識のうちに制限してしまっています。
 また、突然死を起こしうる不整脈(ブルガダ症候群)や肺疾患の有無を心電図、超音波検査、必要時には胸部CTまで用いて評価しています。新型コロナウイルス感染症が発生して間もない時期には、新型コロナウイルスに罹患した後に運動を再開するタイミングがとても難しいと考えられていた時期でも、当施設でサポートし復帰プログラムを組んで対応をしたりしていました。

気管支喘息は、治療可能な病気ですし、症状が残存している場合には運動のパフォーマンスが低下することは知られているため、医療機関併設である我々は、呼吸機能検査などを用いて気管支喘息をちゃんと評価して発作ゼロ、治療の減量中止(卒業)を目指していきます。

このようなことに医学的にフォローすることは日本の保険診療ではできませんので、小児科などで相談することができない側面もあり、我々は2024年7月からジュニアアスリートメディカルサポートとして一般向けにオープンいたしました。ご興味のある方はぜひとも下記サイトもご覧ください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?