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ジュニアアスリートメディカルサポート通信Vo.8 〜運動中に顔色が真っ青になり倒れてしまう時に起きている出来事〜 

ジュニアアスリートメディカルサポート代表の宮田大揮です。我々は、小中学生のアスリートをサポートして5年ほどが経ちました。2024年7月から、クローズされていたサポート体制をウェブ上にオープンしました。具体的には、医学の力をジュニアアスリートの能力を最大限引き出すためにフルコミットする形で使っていこうというのがコンセプトで、アジアから世界に誇れる選手を様々なスポーツで輩出することを目的としています。

 第8回は「運動中に顔色が真っ青になり倒れてしまう時に起きている出来事」を話題にしていきたいと思います。倒れてしまうといっても、様々な原因があるのですが、今回は不整脈/心筋炎や第1回で取り上げた熱中症は割愛します。今回とりあげたいのは、運動強度があがってきたときに、熱中症などを起こしやすい季節ではないのに、気持ち悪くなり顔が真っ青になって倒れてしまうケースについてです。
 スポーツの指導者であれば、そのようなケースに遭遇したことは何度かあるかもしれません。
「暑くはないけど、熱中症かな?」
「朝ごはん食べてこなかったか?」
「もともと風邪気味だったのか?」
などと考えられているケースが多いのですが、実際に起きている現象としては「迷走神経反射が発生し、脳血流の一過性の低下に伴う症状」になります。ジュニアアスリートは心臓のポンプ機能がアスリートレベルまで向上していないことや体全体の血液量が成人レベルとは異なること、スポーツ貧血を伴っていることもあるため、相対的に血液量が不足していきます。人間は、運動時に重力に逆らって血流を下肢から心臓に血流を戻すために、「ふくらはぎ」の筋肉を利用し血液を心臓に戻しています。このことを「第二の心臓」と呼んでいます。ジュニアアスリートは、ただでさえ血液量が相対的に不足している(貧血なども関与)状態で、運動強度に見合ったふくらはぎのポンプ機能がまだ未熟であるため、心臓へ戻ってくる血流が低下することが原因と考えられています。

 ヨーロッパや南米のサッカー選手は靴下の裏側をあえて切って、「ふくらはぎ」が圧迫されないようにしていますがプロサッカー選手は、既存のソックスでは圧迫が強く、ポンプ機能が十分機能しないため、あえて下腿をリリースすることで「第二の心臓」をうまく活用できているのかもしれません(靴下を切ったほうがよいプレーができるから履き続けている選手や蒸れなくていいからなどの理由の選手もいらっしゃるのも事実ですが)。

 もし、ジュニア選手が倒れてしまったら、できるだけ足を上げて血流を心臓に戻しやすいようにして横になっていると徐々に回復していきますが、倒れてしまうような出来事を起こさないようにしながら運動のパフォーマンスを更にあげていくためには、下腿の筋ポンプ機能をサポートできるようなソックスやサポーターを開発できれば、アジアのスポーツ選手の競技レベルをさらに向上できると思っております。もし、ソックスメーカーの方がこのnoteを見てくれていたら、筋ポンプ機能をサポートするスポーツソックスを開発しましょう!!下記ホームページのお問合せからお待ちしています(笑)

このようなことに医学的にフォローすることは日本の保険診療ではできませんので、小児科などで相談することができない側面もあり、我々は2024年7月からジュニアアスリートメディカルサポートとして一般向けにオープンいたしました。ご興味のある方はぜひとも下記サイトもご覧ください。


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