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早川隆久はなぜ覚醒したのか

始めまして、楽天ファンのkです。
駄文ですが、最後まで見て頂けると幸いです

去年の成績

去年の早川選手(以下選手略)を一言で表すと、「ローテ3番手ぐらいにいたら嬉しい」ぐらいの投手でした。
17試合登板し、防御率は3.44 WHIP1.33
96回3/2を投げ、奪三振率7.26 FIP4.15
QS率は64.71%と、ドラ1の四球団競合選手にしては微妙な成績でした。

今年の成績

今年の早川は完全に一皮向けたと行っていいのではないでしょうか
10試合に登板し、防御率2.48 WHIP1.17
69回を投げ、奪三振率8.22 FIP2.32
QS率は70%とすべての指標が大幅に良化しています。まだAS前で、サンプルが少ないとは言え、ここまでの好成績には何が影響しているのでしょう

平均球速

https://tokyudx.com/2022thayakawa/

現代野球において、平均球速と言うのはとても重要です。高速化が進み、平均が150を超える選手がちらほら出てきている中、早川選手の平均143.5というのは、左腕とは言えかなり遅い部類です。去年のパ・リーグ先発の平均球速は146.2キロなので、早川選手は平均より約3キロ遅いストレートでここまでの好成績を残していることになります。
では、平均球速が上がったわけでもないのに、なぜ成績が良化したのでしょうか


決め球、投球割合

去年と比べて変わったのは、決め球と投球割合です。
2023と2024ではストレートの投球割合こそほぼ同じなものの、約50%を占める変化球の投球割合が全く違います。

捕らえられるようになった魔球「カットボール」

一番の違いは、カットボールの投球割合と被打率です
2023のカットボールはまさに魔球でした。
被打率が0.229 見逃率19.10% 空振率12.26% 投球割合24.5%
ストレートとカットボールの組み合わせから、チェンジアップとカーブで緩急を作る。
これが去年までの早川の投球スタイルでした。
しかし、今年のカットボールは魔球ではありません
被打率0.387  空振率11.95% 見逃率11.95% 投球割合14%
被打率が1割強上り、投球割合が10%下がりました。
ストレートとカットボールのツーピッチピッチャーが魔球カットボールを失い、平均球速は変わらない。
成績が悪化する未来しか見えません。
球速が上がったでもなく、決め球のカットボールは悪化。しかし、それでも成績は良化しています。つまり、ストレートとカットボール以外の球に今年の覚醒の理由があるということです。

ツーピッチの変化球投手から、真の変化球投手への進化

先程話した通り、今年の早川の覚醒にはカットボール以外の変化球の大幅な指標の良化が原因だと言えるでしょう。
今年のカットボール以外の変化球、スライダー、カーブ、フォーク、チェンジアップ
これらの球が、今年の早川を支えています
特に大きいのが、カーブの改善とフォークの習得です。 
2023のカーブは、あまり使い物になっていませんでした。
被打率0.387と非常に高い上に、三振も5つしか取れず、完全にタイミングを外すことしかできない変化球でした。
しかし今年は、被打率が0.176と改善され、見逃率が35.2%と、打たれづらく、ストライクの取れる球になりました。 
また、フォークの習得も大きいものでした。
投球割合は僅か8%ながら、12個の三振を奪っており、空振り率も27.06%と高く、今年習得した球ながら、決め球として十分に通用するスペックになっています。 

飛翔グセの大幅な改善と平均投球回の増加

これまで変化球に焦点を当てて、早川を分析してきましたが、ストレートもまた進化しています。
去年のストレートの被打率は0.244
今年のストレートの被打率0.229とあまり変わらないものの、去年と比べて明らかに違うものがあります。それは被本塁打です。
去年のストレートは被打数160に対して、被本塁打がなんと9本もありました。
しかし、今年は被打席109に対して、被本塁打が1本のみ。
去年96回3/2で13本打たれた本塁打が、今年は69回を投げて、2本しか打たれていません。つまり、長年の課題であった飛翔グセが改善されているのです。
また、今年はもう一つの課題であったスタミナが付いたのか、平均投球回が爆増しています。
去年の平均投球回は約5.9回なのに対して、今年の平均投球回は6.9回。イニングも食えるようになりました(現在投球回パ・リーグ2位)

今後の課題

早川の今後の課題としては、対右打者と、魔球カットボールの復活です。
早川は対左打者に対しては、被打率0.180と圧倒しているのですが、対右打者には被打率0.280と打たれています。
特に右打者のインコースの被打率が高く、カットボールとフォークチェンジアップを組み合わせて、左右に広く使っていきたいのですが、カットボールが悪化しているため、上手く攻めきれていません。
今後、カットボールが復活することで、右打者にも効果的に攻められるのようになるのを期待しています

一抹の不安

早川は去年もASまではかなり良い投球をしていました。AS前までの防御率が2.8 AS後の防御率は4.73と、去年はAS後に急激に悪くなってしまいました。今年もそうならないことを願います

総括

今年の早川の覚醒の要因は、カットボール以外の変化球の良化。特に、カーブと新球フォークの存在が大きい。今後はカットボールを復活させて、右打者へのアプローチを良くしていってほしい。

あとがき

いかがだったでしょうか。少しでも早川選手について、多くの皆様に知っていただけたのなら幸いです。
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