メジロマックイーンについて
1.メジロマックイーン(ウマ娘)とは
ウマ娘プリティーダービーに登場する、現実の競走馬・メジロマックイーン号をモチーフにしたキャラクターです
公式サイトによるとーー
名門メジロ家に生まれたお嬢様。優雅ながら思い上がらない性格と品格は、他のウマ娘の羨望の的である
長距離走者としての才覚は一級で、メジロ家にとって特別なレース『天皇賞』の勝利を第一に目指している
休日は同家の者でアフタヌーンティーを楽しむ
(引用元・ウマ娘プリティーダービーより)
『〜ですわ』と典型的かつ王道的なお嬢様口調、常に優雅たらんと振る舞い、規範たらんと努め…
その上名門メジロ家の最高傑作と言える才能まで兼ね備えているのですから、完全無欠のウマ娘と言えるでしょう
そんな彼女の活躍は、アニメ、アプリ双方で描かれているため、分けて紹介いたします
2.アニメ『ウマ娘プリティーダービー』では
Season1にて、ゴールドシップやトレーナーの熱烈なオファーを受けてチーム・スピカに加入
名門メジロ家の令嬢としてクールに振る舞い、
チームの規範、あるいは精神的支柱となっていくと思われていたのですが…
Season1ではスペシャルウィークとサイレンス
スズカの2人が主人公を務めている関係上、脇役のポジションに収まっています
少しズボラなトレーナーに対し、彼が何かズレた行動及び抜けた行動をした際に、何故かプロレス技で制裁を行うという役回りを演じています
また、ゴールドシップとの絡みも非常に多く…
と、コメディリリーフとしての場面が多く、基本的には彼女は賑やかし要員というポジションに
収まっています
これも名門の令嬢として生まれ持ったが故の才と言えるでしょう(?)
3.アニメ『ウマ娘プリティーダービー Season2』
Season2において、トウカイテイオーと共に
メインキャラクターに抜擢
同時に、トウカイテイオーのライバルとして、
そして、メジロ家の宿命を背負って邁進する誇り高い令嬢としての姿が描かれることになりました
トレセン学園に入学するキッカケ、テイオーを
尊敬している旨など、様々な面が明かされました
また、第1話ではトレセン学園が行ったオープンスクールの案内役も務めており…
この時の縁が、後々マックイーンに憧れ、彼女の背を追ってレースの世界に身を投じることになるサトノダイヤモンドと引き合わせました
ちなみにサトノダイヤモンドの親友である
キタサンブラックは、ライバルのテイオーを慕うようになりました
やがてマックイーンは、テイオーに対し宣戦布告
天皇賞・春でともに走ることを約束しました
「地の果てまで駆け抜ける」と告げたテイオー
「天まで駆けていく」と対抗するマックイーン
そんな二人に対するインタビューにより、世間は天皇賞・春への関心を一気に高めました
余談ですが、このインタビュー会見にモチーフがあります
1992年、天皇賞・春直前、トウカイテイオー号の騎手・岡部 幸雄氏が「地の果てまで駆け抜ける」と応えたこと
そしてそれに対しメジロマックイーン号の騎手、武 豊氏が「あちらが地の果てなら、こっちは天まで昇ってやりますよ」と返したこと
これがモチーフとなっております
そうしてマックイーンは、天皇賞・春に備え、
厳しいトレーニングを自身に課しました
厳しいトレーニングを超え、前哨戦となる
阪神大賞典に出走、そこでマックイーンは見事な勝利をしてみせました
この時、トウカイテイオーも大阪杯を勝利
名門の誇りか、無敗の志かーー二人の激闘は、
もうすぐそこまで迫っていました
名門メジロ家は代々、天皇賞の盾を取り続けた
由緒正しいウマ娘の一族
マックイーンの母も、「おばあさま」と敬慕する祖母も天皇賞・春を取り、それを誇りとし、現在まで伝えてきました
マックイーンがこれを獲ることはメジロ家の悲願であり、マックイーン自身の目標でもあります
一方でテイオーは、敬愛するウマ娘であり、伝説とも言える功績を立てたシンボリルドルフに倣い無敗の三冠ウマ娘を目指しましたが…
皐月賞、日本ダービーを制し、後は菊花賞のみといったところで骨折により出走を断念、無敗の三冠ウマ娘という目標はここで断念しますが、
無敗のウマ娘という彼女の新たな夢はまだ続いています
二人にとって、今回のレースは特別な意味が存在していたのです
天皇賞・春、実のところテイオーにとって、
長距離レースは初めてのことでした
最終コーナーよりも先をテイオーが走れるのか、それは未知数の世界、それ故にマックイーンも
テイオー自身が無敗であるが故に恐れていた部分でもありました
しかし、やはり長距離戦ではマックイーンの方に軍配が上がりました
元来備えていたスタミナと、それを支えられる
トモ(大腿部のこと)、そして、天皇賞という夢が
マックイーンの強さとして現れ、勝利の女神を振り向かせたのでした
その後、マックイーンは骨折、休養を余儀なく
されました
同じ時期にテイオーも骨折、二人の運命に不穏な空気が流れ始めます
その間、同門のメジロパーマーが宝塚記念制覇、ミホノブルボンの三冠王手、ライスシャワーの
菊花賞制覇など、マックイーン不在の中で激動の状況が続いていきました
その一方で、テイオーは有マ記念で一足早く復活しました
ーーが、テイオーは11着、そこにかつて夢見た
帝王の姿は…
そこから、徐々に、テイオーは調子を落としていきました
それに対して不服を訴えたのが他ならぬマックイーンでした
彼女はトレーナーを通じてテイオーをメジロ家所有の温泉に誘致、休養中の身ではあるものの、
テイオーのために走り続けることを伝えました
テイオー復活の道標として前を走り続ける彼女、そんな彼女の目標は、天皇賞・春の連覇
天皇賞・春には、ミホノブルボンの三冠を阻んだライスシャワーが出走します
しかし、ライスシャワーは…菊花賞での一件以降、ずっと影を落としていました
勝利を祝福されず、あまつさえ罵声を浴びた故に彼女は走ることに恐怖を覚えていたのです
詳しい事情はライスシャワーの記事でまとめていますが、いずれにせよ、このままではライスは
レースに出るどころではないと判断されました
そこへ、彼女の下に、トウカイテイオーと、あの
ミホノブルボンが訪れます
二人の激励を受け取ったライスは、一人厳しい
トレーニングを自分に課し、マックイーンに
徹底的なマークを行いました
その結果、ライスシャワーはウマ娘としてーー
というよりも生物としても極限の領域まで仕上がった状態で登場
それにマックイーンは、無意識の内に気圧されてしまい、中々ゲートに入れませんでした
余談ですが、1993年当時の天皇賞・春でもメジロマックイーン号がゲート入りを拒み、騎手の武氏が尻尾を引っ張って進むように促したというエピソードがあります
この時のライスシャワー号の様子も凄まじかったというのは、また別の話です
その黒い影は、鬼でもヒールでもない
ただ一人のヒーローでした
かくして天皇賞・春はライスの勝利、しかし…
観客席からはブーイングの嵐、それだけマックイーンへ掛けられた期待は大きかったのです
ですが、
マックイーンは一番最初に、ライスの勝利を祝福
そんな彼女の拍手に応え、ライスを祝福する音が鳴り始めました
その一方で、天皇賞・春で敗北したことをマックイーンは後悔していました
ライスの勝利を祝福していた一方、かつてない
偉業の達成をできなかったこと、そして何より
テイオーへの道標としての役割を果たせなかったことが、マックイーンに一抹の不安を与えていたのでした
新たな精鋭達が現れ出したさなか、テイオーが
3度目の骨折、現役復帰はもはや絶望的と聞いた
マックイーンはーー
テイオーが迷わないように前を進み続けること
そして、テイオーがいつか復活する日を願って、「先」で待ち続けることを告げました
ストップウォッチを彼女に渡し、トレーニングコースを駆け出すマックイーン
しかしーー
夢を見せられたテイオーは、その美しさ、そして自分は二度とそこには辿り着けない絶望を同時に受け取ってしまいました
皮肉なことに、夢を背負ったマックイーンの姿は結果的にテイオーの心を折ってしまったのです
こうしてテイオーは引退を決意、やがて彼女は
引退ライブを行うのですが…
テイオーを信じる人達の声により、テイオーの
心に変化が起こり始めます
そしてーー
奇跡は起きます、それを信じ奮起する人のもとに
必ず、きっとーー
ライバルとして、テイオーの強さを間近で見てきた人物として、彼女に告げました
こうしてテイオーは復活を宣言、折れた心は、
新たな闘志として彼女を立ち直らせたのでした
ーーが
今度はマックイーンに悲劇が起こります
ウマ娘特有の病、『繋靱帯炎』を発症します
時間の経過と共に、彼女の左脚に激痛が強くなっていきますが…
そんな現実を否定するように、痛む脚を動かし、マックイーンは雨が降りしきる中、トレーニングを行います
たまたま駆け付けたテイオーから、無理をしないように言われますがーー
無理はしていないこと、自分はまだ足を止める
わけにはいかないこと、そして…テイオーと最強の座を賭けて走りたいことを告げました
しかしーー
なのに、動かない…動かせない…もう走れないの…あなたとの約束は…果たせないの…!
引き絞った声でテイオーに告げたマックイーン、そこにいたのは、夢を失った少女の姿でした
きっとさ、もう諦めちゃった方が楽なんだよね
でも…ボクはまだ諦めたくない、もう一度キミと
走りたいよ
…マックイーンは、違うの?
テイオーは優しく語りかけました
そんなの…走りたいに決まってます!
だけどもう無理なんです!
もう一生!まともに走ることなんてできない!
奇跡でも起きない限り!元のように駆けることは叶わない!
あなたと一緒ですわ!
夢を失い、諦めたマックイーンは、かつての余裕もないまま苦しみ嘆き…あろうことかテイオーの
復活、努力を否定してしまうようなことまで言ってしまいました
すぐに謝るマックイーン、そんな彼女に対して
テイオーはただ手を差し伸べ、優しく語り続けました
そして、トウカイテイオーは有マ記念への出走を表明します
かつてマックイーンがしてみせたように、今度はテイオーがマックイーンに夢を見せ、その道標になろうとしていたのです
しかし、この時テイオーはケガから回復したばかり、その上、1年以上もトレーニングしていない
という状況でした
この時の有マ記念にはーー
BNWと並び称された、ビワハヤヒデとウイニングチケット
前年の有マ記念を制覇したメジロパーマー
菊花賞と天皇賞・春を制覇したライスシャワー、多くのレースで好成績を叩き出し、善戦し続けるナイスネイチャ、マチカネタンホイザ、イクノディクタス
…など、およそ復帰戦と呼ぶには、強力な相手が
勢揃いしていました
勝利するには、それこそ奇跡が必要です
テイオーはマックイーンに告げます
奇跡を必ず起こしてみせるとーー
錚々たる面々が中山レース場に集い、並々ならぬ気迫を持ってウマ娘達が有マ記念に臨むーー
テイオーは復帰明けからすぐに有マ記念に直行、
この時テイオーの人気は16人中4番人気
しかしその大半が、同情票のようなものであり、彼女の勝利を本気で信じている人は極僅かでした
テイオーの走る姿を見ようと、マックイーンも
中山レース場に来ましたが…
彼女が負ける瞬間を恐れるあまり、観客席に入れずにいました
トウカイテイオーの敗北はすなわち、二人の信じる奇跡は存在しないことに繋がるからです
勇気を出してレース場に入るマックイーン、観客をかき分け、レースの様子を見ると、そこには…
既に限界を迎えているはずの、本来であれば走ることすら精一杯のはずのテイオーが、必死にーー必死にビワハヤヒデに食らい付く姿でした
誰もが信じなかった、信じられなかったテイオーの姿に、やがて観客からもテイオーを応援する声が出てきました
何度も味わった挫折が、何度も見てきた絶望が、彼女の走りに負けられない意味を見出したのです
そしてーー
トウカイテイオー、有マ記念勝利
奇跡は起きたのです、それを信じて、奮起し続けたテイオーの元へーー
有マ記念の後、マックイーンは繋靱帯炎の治療を行い、走れるレベルにまで回復
いつもの格好をしたままトレーニングコースへと赴き、そこでテイオーと共に走り出しました
直前のシーンでは、トレセン学園の校門には、
彼女達の姿がーー
アニメウマ娘は登場するキャラクターが全員夢を持っていて、その上で諦め、絶望などを抱えているためか、人間味を感じることが多々あります
それ故に彼女達の心情に揺れ動かされ、共感するのかもしれません
3.アプリ『ウマ娘プリティーダービー』
メインストーリーにて
メインストーリーの第1章にて主人公を務め、
アニメ版とは異なりチーム・シリウスに所属
先代・トレーナー、及びその担当である
オグリキャップからチームの未来を託されます
生ける伝説とも言われるオグリキャップ、そしてそのトレーナーの勇退は、それを見ていた多くの人々に勇気を与え、当時サブトレーナーであったプレイヤーとメジロマックイーンの心にも大きな力を与えました
が……
先代・トレーナーの引退と共に、チームメンバーが軒並み移籍、所属メンバーがマックイーンのみという事態に陥ってしまいます
これを受けたマックイーンは早速…
と、ツッコミ所満載の謳い文句で勧誘を行いました。メジロ家の御令嬢がこのような勧誘を行っているので当然…
誰も来ませんでしたそりゃそうだ
トレーナーは勧誘はもちろん行なっていくとして
まずはマックイーンが出走を決めた天皇賞・春に向けたトレーニングメニューを組むことにし、
マックイーンがレースに集中できる環境を整えることに専念しました
しかし、気負い過ぎる彼女にトレーナーは一抹の不安を抱きます
先代から託されたチーム、思い、今の自分達に、それはまだ重過ぎたのかもしれない…そう考えて
いたある日、トレーナー室にあるウマ娘が訪れてきました
彼女の名前はメジロライアン、その名前から察せられるように、彼女もまたメジロ家のウマ娘です
事情を話すマックイーンは何故か怒り気味で、
トレーナーがそれを指摘すると、強い口調で怒っていないことを伝えました
自分は話の邪魔になるので退室すると言うと、
彼女はそのまま不機嫌になりながらトレーナー室を後にしていきました
そのままトレーナー室を出て行ったマックイーンですが、それを見た後、ライアンは話をします
ライアンにとって、マックイーンは妹のような
ものであり、同時に羨望の的でもあります
そんな彼女が、チームのために奮闘している一方で無理、無茶をしていることをライアンは知っていました
トレーナーを通じ、マックイーンに忠告をする
ついでに、トレーナーがマックイーンをどう思っているのかをライアンは確かめにきました
トレーナーはこれに応え、マックイーンに決して無理や無茶はさせないこと、彼女を大切にすると告げました
ライアンはマックイーンは良いトレーナーにあったと笑い、その日はトレーナー室を後にしました
天皇賞・春には、自分も出ることを伝えながら…
その日の夜、たづなさんから猶予が設けられた
ことを受け、ひとまずは安心したのですが…
トレーナーに黙って自主トレーニングを行った
マックイーンが、疲労からか倒れてしまうという事態が発生しました
トレーナーは急いで保健室に連れ込み、マックイーンを介抱、一旦は落ち着きを取り戻しました
互いに覚悟を交わし、迎えた天皇賞・春
マックイーンはライアンら強豪達を相手に見事に勝利、目標を一つ達成しました
この時のマックイーンの活躍もあり、チームには新たなメンバーが何人か加わりました
世間におけるマックイーンの名声もそうですが、天皇賞に向けて努力し続けた彼女の姿と人柄が
1番の要因でしょう
新たにチームメンバーの中には、マックイーンに対して日常的に絡んでくるゴールドシップの姿もありました
チーム・シリウスが大きくなっていくと同時に、マックイーンに対する期待もまた大きくなって
いきました
当然、これに応えるため、夏期の強化合宿を、
メジロ家貸切の島で行うことにしました
そのメンバーには同じメジロ家であるライアンに加え、メジロドーベルの姿もありました
夏期合宿は、ライアン達にとっても良い刺激となった上、マックイーンの実力が着実に上がっていっていることを示していました
夏期合宿終了後、天皇賞・秋の時期が近付いて
きました
その期待は、チームだけでなく世間からも向いていました
そして、天皇賞・秋が始まりました
天気はあいにくの雨模様、不良バ場で脚が重く、通常通りの走りはできないと目されていましたが
天性のスタミナを活かすため、マックイーンは
序盤でコースの内側、自身にとって有利なポジションを取ることに成功
2番手すら突き放してしまうほどの圧倒的勝利、
マックイーンは鮮烈な走りをもって天皇賞春秋連覇をーーメジロ家の宿願を果たしました
しかしーー
実の所、最初のポジション取りの際、他のウマ娘の進路を図らずも妨害してしまい、それが影響しマックイーンは1着から18着への降下処分を受けてしまいました
思わぬ形で、悲願を逃してしまったマックイーンでしたが、そんな彼女に対して世間は一切容赦
しませんでした
天皇賞・秋終了後、学園前にはメディア、記者が押しかけ、マックイーンとトレーナーに対して
取材をしようとしていたのでした
たとえ悪意のある取材であったとしても、これに応えなければならないとし、マックイーンは
トレーニングに出るついでに取材陣の元へ向かいました
しかし、トレーナーにその責任が問われた瞬間、マックイーンは堪えていた怒りを出しかけてしまいます
マックイーンの一人で背負い込もうとする姿勢にトレーナーは見かね、件の質問にマックイーンが止めるよりも前に代わりに返答、謝罪します
一通り対応した後、トレーナーはマックイーンを連れて学園内に戻りました
失態を取り戻すために焦るマックイーンは、
天皇賞・秋直後に開催されるジャパンカップへの出走を表明
トレーナーは彼女の疲労、スケジュールを考慮し有マ記念まで様子を見るよう伝えますが、彼女は聞き入れず、ジャパンカップ出走を強行
これをやむなく受け入れたトレーナーですが…
徐々に調子を落としていくマックイーン
そんな中、チーム・シリウスに思わぬ訪問者が
訪れました
オグリキャップです
マックイーンがエースとして活躍している話を
聞き、チーム・シリウスの元に訪れた彼女は、
現在マックイーンが陥っている状態をトレーナーから聞くことになりました
オグリは、マックイーンは現在、期待からくる
プレッシャーと責任感に縛られ、思うような力を出せずにいると分析しました
大きくなった期待に対して、それに応えようと
自分を縛り付けてしまうーーそれはかつて、
チームのエースとして走り続けたオグリだから
こそ導き出した結果でした
オグリはトレーナーにしかできない、自分にしかできないことがあるのではないかと説き、これを聞いたトレーナーは…
ジャパンカップ終了後、街を歩くマックイーンと
2人で話をしました
かつて一心同体となる覚悟を交わしたトレーナーマックイーンがエースとしてチームの支柱となるならば、自分はそのマックイーンを支えようと決めていました
それを理解していたからこそ、マックイーンは、その心の内を明かしました
負けたことで信頼を裏切ったーー
天皇賞・秋のように、思わぬ失態で周囲に迷惑を掛けてしまったーー
そんな自分を信じてくれるのかーー
そんな自分に夢を見ていられるのかーー
トレーナーはそれでもマックイーンを信じ続けると、結果一つで左右されるような薄いものじゃないと応えました
トレーナーの心を直接聞いた彼女は抱えていた
感情が決壊しました
トレーナーとの信頼関係、そしてーー
仲間達に暖かく迎えられ、そして彼女は宣言します
ーーかくして、チームのエースとして復活した
マックイーンは、有マ記念を制覇
調子を取り戻したマックイーンは、2度目の天皇賞・春へと歩を進めました
今回の天皇賞・春には、マックイーンに並ぶ
最強格のウマ娘・トウカイテイオーが出走します
しかし、彼女は信じてくれるチームメイト、トレーナーのために全力を尽くして天皇賞・春へと
臨みます
チームの期待を受け、マックイーンは栄光と絆の先へと歩き出しました
天皇賞・春、テイオーを始めとした強豪達を相手取るマックイーン
連覇ともなると、そう簡単にはいかなかったと
思われましたがーー
彼女はエースとしてその期待に応えて見せました
天皇賞・春以降、マックイーンはチームのエースとして、そしてチームの支柱として存在し続けることとなりました
4.第1章以降のメインストーリーでは
彼女の活躍によって大きく飛躍したチーム・シリウスには、その後多くのウマ娘が入っていくことになります
今回の記事では、メジロマックイーンの活躍を中心に書いていきます
・第2章『小さな頑張り屋』
エースとして活躍した後、その後に入ってきた
ライスシャワーのチームメイトとして、そして
天皇賞・春における強敵としてストーリー中に
登場します
ライスが菊花賞を勝利した後、徐々に調子を落としていく中で、マックイーンは一か八か策として天皇賞・春への出走をライスに推薦します
今のライスシャワーに足りないものを補うには、彼女に本気を出してもらうより他無いと判断したからです
天皇賞・春、マックイーンにとっては3連覇が
かかった重要なレースでした
しかし今を逃せば、ライスは負のスパイラルへと深く陥ってしまう可能性の方が高く、名門の誇りとチームの将来を天秤に掛けることとなったのです
結果として、ライスは勝利
本来勝者に向けられるべき喝采と祝福をーー
かつて受けた罵声を塗り替えるほどの刺激を、
ライスは受けることとなりました
マックイーンは、ライスに勝者としての姿を、
勝者としての責務を説き、ウイニングライブへと向かわせます
『小さな頑張り屋』の物語は、ここで一度幕を
下すこととなりました
その後、ライスの成長に安心したマックイーンはトレーナーと共にその事で話をしてくれました
ーートレーナーは気付いていました
マックイーンが、自身の夢を捨ててまでライスを救ってくれたことを
それと同時に、ライスの強さを信じていたことを
・第3章『夢を掴む特急券』
ウイニングチケットが主人公となる第3章では、
残念ながら出番はそこまで多くありません
しかしーーチケットのデビュー戦、函館まで
チームで応援に来た際、彼女は事件を起こします
チケットの応援に来たはずなのに、ゴルシが海鮮料理の話をしだした瞬間に、食い気味にスイーツを追加してきました
以前からマックイーンがスイーツに関して目がない描写はされてきました
しかし、隠し切れない笑みを浮かべながらメロンパフェを念押しするマックイーンの姿は、多くのプレイヤーに大きなインパクトを与えました
それ以降は、ウイニングチケットの親友であり
ライバルのビワハヤヒデ、ナリタタイシンとの
関係性が中心となるため、マックイーンの出番はほとんどありませんメロンパフェと叫んだだけで出番が終わってしまいました
・第4章『滾り、渇望す』
ナリタブライアンが主人公となる第4章、ここからトレーナーと共に、主人公をサポートする役割に徹することとなります
ブライアンの他にも、彼女の同期である
ヒシアマゾンについて解説したり、情報役と解説役を務めたりもしました
・第5章『scenery』
サイレンススズカが主人公となる第5章では、
彼女の走りを『夢のような走り』と表現、チームの先輩として彼女を見守ります
事実、スズカの後輩であるスペシャルウィーク、チームメイトのゴールドシップもその走りには
大きく息を呑んでいましたし、その走りが行き着く先を強く望んでいました
ですが、トレーナーはその先について、強い不安を抱いていました
サイレンススズカのように、可能性を夢見て、
それが永遠に破れたウマ娘の存在を、知ったからでしょうか
何か大きな不安を感じたトレーナーが先に相談したのは、メジロマックイーンでした
これまでの道のりを示すように、マックイーンは答えました
メジロマックイーンも、ライスシャワーも、
ウイニングチケットも、ナリタブライアンも、
夢を見て、挫けて、支えられて、前を見てーー
それを繰り返して走り続けました
信じ続けたトレーナーをまた、マックイーンは
信じていました
その言葉を聞いたトレーナーは、もう迷うことはなく、スズカを信じることにしました
そしてーー
・最終章前編『夢の原石』
スペシャルウィークが主人公を務める最終章
マックイーンはここではチームメイトとして登場し、彼女の『日本一のウマ娘になる』という夢に一定の理解を示しつつ、彼女の夢がどのような形であるかを見極めようとします
その一方で、スペのライバルとして登場する
メジロブライトの活躍を見届けるため、メジロ家の一員としての責務を果たす一面も見られました
やがて、天皇賞・春が始まると、スペはその実力を遺憾なく発揮し、ブライトはあえなく敗北
スペシャルウィーク、日本総大将への第一歩を
見届けることとなりました
・最終章後編『煌めきはどこまでも』
引き続き主人公はスペシャルウィーク、話は彼女の親友であるエルコンドルパサーが、フランスの凱旋門賞へと挑んだところから始まります
未だ誰も手にしたことのない凱旋門賞の栄光、
その栄光まで後一歩のところでエルコンドルパサーは敗北、その王者がーー
そんなモンジューが、ジャパンカップへの参戦を表明
エルコンドルパサーとの接戦を通じ、日本のウマ娘に深い関心を示したのがキッカケでした
ジャパンカップ当日、マックイーンはチーム・
シリウスのメンバーと共に応援に参加
これまでを回顧するように、スペの姿に輝きを
見出していました
やがて、ジャパンカップが開始
スペの背後にはモンジューがーー世界が、じっと見据える形となりました
日本の誇りを賭けた戦いを、多くの観衆が見守ります
想いが通じ、スペは1着でゴールイン
世界最強を相手に、見事勝利しました
勝利したスペを祝福するように、チーム・シリウスのメンバーが合流、マックイーンがその代表として彼女に声を掛けました
・第一部エンディング
メジロマックイーンから始まり、スペシャルウィークまで駆け抜けたメインストーリーは、一つの区切りを迎えました
今日もマックイーンは、チーム・シリウスのためニンジンのセールを行っていることでしょう
5.メジロマックイーン号
1990年〜1993年まで活躍した競走馬
父はメジロティターン号、母はメジロオーロラ号
隆盛の競馬界、その一端を担うメジロ軍団ーー
北野 豊吉氏が経営するメジロ牧場で生み出されました
名前の由来は、冠名「メジロ」と、アメリカの
俳優、スティーブ・マックイーンです
祖父・メジロアサマ号、父・メジロティターン号は二代連続で天皇賞を制覇したことで知られ、
そんな究極のサラブレッドたるマックイーンも、天皇賞を期待されていた…というわけではありませんでした
この頃、むしろ期待されていたのは、が所有していたメジロライアン号の方でした
幼い頃のメジロマックイーン号は、あまり目立つような存在ではなかったようですが、その素質はデビュー戦で光り始めます
・クラシック路線
彼の素質を見た関係者の多くが、ダービーはマックイーンに取らせようと考えたのですが、ここでケガが発覚
ダービーは断念する運びとなり、秋の開催となる菊花賞の向けて調整することとなりました
その後、トライアルレースの一つである嵐山ステークスに出走しますが、2着と惜敗
菊花賞へ出走するには、嵐山ステークスで1着を取ることが条件の一つでしたが…残念なことに、マックイーンには菊花賞出走を満たす他の条件はありませんでした
しかしーー皐月賞を制覇したハクタイセイ号、
東京優駿(日本ダービー)を制覇したアイネスフウジン号が菊花賞出走を断念
なし崩し的に菊花賞への出走権を手に入れました
一方で、クラシックで善戦していたメジロライアンとホワイトストーンも参戦
G1タイトルを取るのはそう容易なことではないと思われました
メジロマックイーンは見事、菊花賞に勝利
陣営にG1タイトルをもたらしました
実は直前で、マックイーンはライアンとの並走、すなわち併せ馬をしており、競争経験が多い
ライアンに対して勝利、陣営はマックイーンの方に勝算があると確信に近い可能性を得ました
・快進撃
菊花賞の後、騎手が内田 浩一氏から武 豊氏に変更
更にはメジロライアン、ホワイトストーンが、
古馬となったオグリキャップ号、ヤエノムテキ号に対して善戦を繰り広げ、メジロマックイーンと並び三強と称されました
三強の中でも、特にマックイーンは目覚ましく、
阪神大賞典1着と、好調の出だし
そのままの勢いでーー
メジロマックイーン、天皇賞・春を制覇
メジロアサマ、メジロティターンと、親子三代に渡る天皇賞・春制覇が実現しました
これはメジロ牧場経営者・北野 豊吉氏の遺言でもあり、メジロ牧場きっての悲願でした
その後、主要なG1タイトルに顔を出すのですが…
宝塚記念においては、メジロライアンが積年の
思いが込められた走りの前に敗北、更には…
天皇賞・秋では斜行が問題となり、1着から18着と前代未聞の降着処分を受けてしまいました
これが元で一部の人からは悲鳴と怒号が入り混じった声が上がることとなりました
有馬記念、ダイユウサク号の執念により敗北
直前のジャパンカップでも4着を記録
しかし、天皇賞・秋での降着処分を除けば、いずれも掲示板圏内には入る記録を残しており、その実力は依然最強格と呼ぶに相応しかったです
それはまるで、勝利は当然、それ故に退屈な試合とさえ思えるぐらいにーー
メジロマックイーンの強さは、同時に、彼と同じ時期に走り、その頭角を表し始めた競走馬達の
強さを証明するものでもありました
・トウカイテイオーとの対戦
続く天皇賞・春に向け、阪神大賞典へと出走
日経新春杯を優勝したカミノクレッセ号が立ちはだかるものの、メジロマックイーンは5馬身以上の差を付けて圧勝
天皇賞・春へ弾みを付けたメジロマックイーンでしたが、そこへ、強敵が舞い込んできます
トウカイテイオー
七冠馬・シンボリルドルフ号の産駒にして、彼の強さを色濃く受け継いだ最強格の競走馬です
天皇賞・春直前のインタビューにて
トウカイテイオー号の騎手・岡部 幸雄氏が「地の果てまで駆け抜ける」と応えたこと
そしてそれに対しメジロマックイーン号の騎手、武 豊氏が「あちらが地の果てなら、こっちは天まで昇ってやりますよ」と返したことはあまりに有名ですね
京都競馬場にて開催された天皇賞・春、軍配は、メジロマックイーンの方へと上がりました
後にTM対決と呼ばれ、マックイーンにとっては
天皇賞・春二連覇、騎手の武氏にとっては天皇賞・春四連覇という偉業を成し遂げたことになります
その後、宝塚記念に向けて調教が行われますが、
左前脚の骨折が判明、長期休養に入ることとなります
・天皇賞・春三連覇へ
休養が明け、BNWが活躍し始めた時
天皇賞・春三連覇に向け、メジロマックイーンは動き出すこととなります
これまで、同重賞三連覇の記録を達成したのは、
鳴尾記念(G3)のセカイオーのみであり
G1タイトルを三連覇した競走馬は未だに存在していませんでした
メジロマックイーンの挑戦は、メジロ軍団にとっても、競馬界においても、前人未到の領域だったのです
そんな中、同レースに、ライスシャワーの出走が明らかになりました
菊花賞制覇によるミホノブルボンの三冠阻止を
果たした競走馬が、今度はメジロマックイーンの三連覇阻止に動き出したと、世間はざわめきました
ライスシャワーは、目黒記念においてはマチカネタンホイザ号に先着を許してしまうものの、その後の日経賞では優勝
順調に成績を伸ばしていました
一方でメジロマックイーンは、産経大阪杯(現・大阪杯(G1))へ出走
直前に骨膜炎を発症していたことが判明しており
当初は不安な声が大きく、産経大阪杯においても辛うじて1番人気を取れるほどでした
この時の2番人気はナイスネイチャ号、ナイスネイチャはG1タイトルを取っていませんが、他の重賞レースでは堅実に勝ちを重ねていました
しかし、メジロマックイーンはそんな不安を吹き飛ばすように圧勝、天皇賞・春へ弾みを付けます
やがて、ライスシャワーに続くように…
有馬記念を制し、マックイーン、ライアンに並ぶ評価を得たメジロパーマー号
重賞三連勝、その上、目黒記念で一度はライスシャワーを破る活躍を見せたマチカネタンホイザ号も名乗りを上げました
強敵揃いの天皇賞・春、メジロマックイーンは…
「黒い刺客」の前に惜敗、更にライスシャワーはこの時にレコードタイムを記録しており、メジロマックイーンは三連覇を逃したことを惜しまれました
余談ですが、実はメジロマックイーンも、イナリワン号が記録していたレコードタイムを越えておりーー
というよりも、3着のメジロパーマー、4着のマチカネタンホイザまでがレコードタイムを更新する記録を残しており、メジロマックイーンに迫るメンバーの強豪ぶりが伺えました
その後は宝塚記念に出走、メンバーにはアイルトンシンボリやニシノフラワーなど、古馬に入ったばかりの競走馬から、イクノディクタスやメジロパーマーなどの同期までいました
雨が降り、内側が荒れてはいるものの良馬場
ポジション取りが激しい中、逃げるメジロパーマーを抜き、後方から追い上げてきたイクノディクタスを突き放してゴールイン
メジロアサマ、メジロティターンが何度も挑み、取り逃した宝塚記念をその手に収めました
そしてーー次の目標は天皇賞・秋
汚名を雪ぐべく京都大賞典で勝利したメジロマックイーンでしたが…
・引退
調教の最中、彼の歩様に異変が生じました
検査の結果、繋靱帯炎を発症したことが発覚
第1指骨と第3中手骨(管骨)をつなぐ部分を球節と呼ぶ
この部分には種子骨が存在し、指骨・中手骨と互いに接続しているが、このつなぎの部分に位置する靱帯が炎症を起こしたものを総称して繫靭帯炎と呼ぶ
球節にある種子骨の上部にある靭帯が炎症を起こすケースと、中手骨の下部にある靭帯が炎症を起こすケースがある
ーー引用・wikipedia『繋靱帯炎』より
靱帯の炎症自体は治癒可能ですが、悪化した場合
屈腱炎などに進行してしまい、馬にとって重要な部位である脚にいつ爆発するか分からない爆弾が取り付けられることと同様の事態に陥ります
なお、治療にも半年以上の期間を費やすため、
関係者はメジロマックイーンの引退を決意しました
なお、この時既に種牡馬としての目処は立っていたため、こちらの方も影響しているようです
・引退後
引退後は、北海道早来町の社台スタリオンステーション『早来』にて種牡馬として供用されました
彼の産駒は成績が振るわず、2006年4月3日に
亡くなりました
4月3日はメジロマックイーンの誕生日、誕生日に亡くなる運命は、日本の行く末を変えた坂本龍馬にも似たものを感じさせます
なお、種牡馬としての生活を終えた後は、メジロ牧場で繋養馬として過ごす計画があったそうです
前述した通り、彼の産駒はあまり成績が振るいませんでした
しかし、メジロマックイーンの血を受け継ぐ競走馬の中には、後に黄金の不沈艦と呼ばれた彼ーーゴールドシップ号がいます
メジロマックイーンは、ゴールドシップから見ると母方の祖父です
ウマ娘においてメジロマックイーンとゴールドシップの仲が良いのは、お互いのモチーフが祖父と孫の関係であることから来ています
6.最後に
ウマ娘において、メジロマックイーンはメディアに出る回数も多く、グッズも数多く販売されています
また、現在、pixivにおけるメジロマックイーンのイラスト投稿数は14,194作品、小説投稿数は9,410作品が投稿されています(2023.9.15現在)
こちらはpixiv百科事典のメジロマックイーン(ウマ娘)におけるピックアップイラストです
ウマ娘に登場するキャラクターの中でも上位の
人気を誇るメジロマックイーンですが…
どこかで見たことがあるアイドルみたいですね
スイーツに対して異様なまでの執着を見せるためか、スイーツを絡めたイラストも多いです
ちなみにアプリの育成ストーリーにおいて、トレーナーとマックイーンの出会いは、彼女が体重管理に失敗してしまったことがキッカケだったりします
誇りある令嬢として邁進、尽力する一方でーー
無類のスイーツ好きなど、親しみやすい部分を持ち合わせていること
そして何より、周囲の人に気遣える優しさ、面倒見の良さが、彼女を高嶺の花ではなく、自然に佇む花としているのかもしれません
通常と比べ、長い記事となってしまいましたこと
また、投稿期間が空いてしまったこと、大変申し訳ありません
今回の記事でウマ娘に関して興味が出た方、またメジロマックイーンについて関心が出たという方がいらっしゃれば幸いです
ご高覧いただき、ありがとうございます
ーーie88keibaさんより
『絶対の強さは、時に人を退屈にさせる』
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?