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また行きたい店、秋葉原・御徒町

3月以降、仕事の大半はオンラインになった。仕事での外出は月に2~3回あればいいほうだ。打ち合わせもZoomやTeamsでやるのが当たり前になった。

取材はだいたい日中になるので、昼食を訪問先の最寄りでとることも多かった。初めて降りた駅で店の佇まいだけを頼りに入ってみた店。近くに寄るたびに決まっていく定番の店。チェーン店で食べる新メニューも、個人店で食べる定食も、今となってはどちらも恋しい。

秋葉原はスタートアップ関連の取材だけでなく、電子工作など制作が絡んだ記事でもしょっちゅう利用していた。一時期、秋葉原にクライアントが2社いたこともあり、昼は近くで取ることも多々あった。

秋葉原駅周辺や電気街はチェーン店ばかりだが、昭和通りから東に入ると個人店が多い。

洋食のジェンコは揚げたてのメンチカツの美味しさを教えてくれた。ハンバーグと唐揚という肉のおかず二大巨頭を、絶妙な炊き加減の白米で迎え撃つ多幸感は忘れがたい。

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秋から冬にかけては竹の子のカキフライも捨てがたい。高齢のシェフと息子さんと思しきホールのおじさんの二人が守る老舗だ。店内の至る所がガムテープでワイルドに補修された店内は、いかに地元で長く愛されてきたかを如実に語る。ここで秋口から春先にかけて供されるカキフライは高級洋食店にも負けない一皿。
ホワイトカラーのサラリーマンに混じって、AMラジオをBGMに熱々の味噌汁をすすった頃が懐かしい。

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隣駅の御徒町での食事も多かった。定番は2軒、南インドカレーのアーンドラキッチンと、中華の老酒舗。どちらも言わずとしれた有名店だ。

アーンドラキッチンはライスをお代わりすると、お皿の空いたところを敷き詰める勢いで、大量のバスマティライスが更に盛られるので、「少なめで!」と、いつもお願いしていた。

緊急事態宣言が空けてから久々に訪問してミールスを食べた際、一度も話したことのない店員の男性から「しばらくお見えになりませんでしたね」と声をかけられて驚いた。

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アーンドラキッチン以外でも5月~6月あたりは店主から「久しぶりですね」とか「また来てくださいね」と声をかけられる機会が多かったように思う。

そのたびに何か励ましになるようなことを言いたいと思いながらも、うまく言葉が出ずに「空いちゃってすみません。また近くに寄ったら来ますね」と、当たり障りのない言葉で濁し続けた。でも、その気持に嘘はない。

今年の5月、老酒舗の定番である水餃子がネットで販売されるようになり、テンションがおかしくなって3種類(合計150個)買ってしまった。濃い目の酒を飲みながら、発酵白菜やラムを使った中華を店内で食べられるのはいつになるだろう。

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