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【いいGK】とは!?

いいGKとは監督が戦術的に計算できるGKである。

※だいぶ前に書こうと思って下書きしたまま放置してたものです。


昨今、ゴールキーパーを語るときに科学的とか野性的とかクラシカルとか最先端とかそういう言葉が形容句としてよく見られる。良いゴールキーパーと一言に言ってもその解釈は多様である。先日楢崎正剛氏とシュミットダニエル選手の対談を拝見した。テーマは「シュートストップかビルドアップか」だった。まさに最近のGK二元論を表したようなテーマだったが、その中でも結論は両方大事ということだった。

柏vs横浜

多様化するGK像の中で、自分理想のGK像が描けていないということに気づき始めた今年度。昨日のマリノスvs柏はそのヒントをくれたゲームだった。(マリノスが負けて得たことがあるのは初めてです(笑)

https://youtu.be/ETsotjQ3De4

ハイライトの通り、541+キムスンギュで柏は虎の子の1点を守り切るわけだが、
ネルシーニョ監督といえばJの中でも有数の戦術家。古典の授業なら「采配」の枕詞は「ネルシーニョ」と教えていいレベルの監督である。その監督が45分耐え続けることを選んだのは(もちろん様々な要素があるが)キムスンギュの守備能力が前提にあるのではないか。


チームを勝たせるGK?

とはいえ、「キムスンギュのおかげで勝てた」というのは違う。なぜなら彼は得点を取ったわけではないからだ。得点がなければ失点をしなくても試合に勝つことはできない。GKが勝利に貢献することはできても、チームを勝たせることができるGKはいない。そもそも、チームスポーツにおいて誰か1人のおかげで勝つということはあり得ないのだが…

いいGKとは!?


何事においても評価基準が明確であるのは大事だ。理想を語るとき、そこにはその人なりの評価基準が存在する。逆に評価基準がなければ理想を語ることもできない。

指導者は頭のどこかで「こういう選手を育てたい」と言う理想があるはずだ。つまり「このような選手がいい選手だ」と言う評価基準がそこには存在する。

そして、監督にもチームを作る上で、もしくは試合に勝つ上で選手を選考する基準がある。


いいGKとは?
それは監督の評価基準を満たすGKである。
監督が戦術に組み込める力があるGKであり、監督のゲームプランを遂行する能力があるGKである。

だから、いいGKの定義は監督によって変わる。

オブラクはアトレティコで輝くがシティで輝けるわけではない。逆にエデルソンがアトレティコで評価される保証はどこにもない。


フットサルでは

フットサルでは監督がGKのポジショニングまで操作することは少なくない(経験上)。ゴールの距離が近い分、FPのプレー原則にGKが密接に関わっているからだ。守備の時、いるべき場所にGKがいないと、攻撃の時、投げるべき場所にボールを投げないと即失点に繋がる。そこの緊張感はサッカーの比ではない。主観がかなり入るが、だからこそ、フットサルの指導者のほうがGKの関わりを大事にしている印象が強いのだと思う。

(育成年代の)GKコーチとして

こう考えると、本来GKを評価するのは監督だ。失点が多くてシーズン途中で監督が首になることは腐るほどあってもGKコーチが首になることはほとんどない。
とはいえ、GKの専門性の高さを考えるとやはりGKコーチは必要だ。だからこそ、GKの育成はトレンドに偏ってはいけない。限られた時間の中で、多くの監督が要求するだろうことをGKに落とし込まないといけない。それが5年後のその選手の糧になる。まぁ、サッカーの指導者はもう少しゴールキーパーに興味を持った方がいいと思うけどね。


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