詩を書いてみる　「『嫌い』上映禁止令」

この目はいつだって「好き」を映す
「嫌い」は上映禁止中です

否が応でも目に入ってくる「嫌い」の１つや２つ
そんな時は瞼を閉じて
さもなくば数十分程度の不快感
もしくはメンタルジェンガのぐらつきの刑に処されます
好きなように嫌いを排除して
監督は自分自身
端っこに映り込んだ汚いコバエ
まばたきしてる間に誰か
モンシロチョウに差し替えといて

超リアリティーノンフィクション大長編映画
命有る限りは上映中
ご飯食べる子猫と適当なクラシックでワンシーン出来上がり
毎日は作れない面白シーン
そんな時はカレーにトンカツ乗せて目と口を「好き」で埋めつくそう
自然と上がる口角
迫る眠気
申し訳程度に今日のオチ付け
「おやすみ」と共に布団かぶって
瞼を暗転

超個人的ノンストップ一人称視点映画
人生辞めるまで上映中
鏡に映った死んだ顔は気持ちばかりの作り笑いでリカバリー
毎日どうなるか分からないシナリオ
取り敢えず台本から「嫌い」を摘み取って「好き」だけで埋めつくそう
知らぬ間に消えた「嫌い」
目の前の「好き」
今日も１日お疲れ様でした
「おやすみ」しても監督は休めない
夢の中でもロードショー
夢の中でも「嫌い」は上映禁止中です