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B#14 吉田一将投手の現在地②

まえがき

お世話になっております。単位を獲得した者です。

今回の投稿では、前回投稿した”吉田一将投手の現在地”の内容を踏まえて、9月までの吉田一将投手を振り返り、前回述べた「投球スタイルの転換」といった展望がどのくらい実現したのか振り返りも踏まえて、Noteにまとめていこうと思います。

吉田一将投手の紹介などは前回の記事に詳しく記しているので、再確認したい方はこちらを是非一読ください。


吉田一将投手の簡単な紹介

1989年9月24日生まれ 奈良県出身 右投げ左打ち

青森山田高校→日本大→JR東日本→オリックス 2013年ドラフト1位

社会人ナンバーワン投手の評価でオリックスに鳴り物入りで入団。1年目からローテ入りし、5勝をマークすると2016年以降は中継ぎを中心にチームの痒い所に手が届く存在として活躍。190センチを超える長身から繰り出すフォークを決め球とする。

先発、中継ぎに加えイニング跨ぎもこなすタフさを売りに2016年と2018年に50試合登板。2017年にはシーズン4連投を2度しながら、最終盤に先発転向し完封勝利を達成する離れ業をやってのけた。


以降は、前回のNote内容+αの形で吉田一将投手の現在地についてまとめていくのでどうぞよろしくお願いします。

前回展望の振り返り

​現時点で一軍登板はおろか、二軍でも重要な場面を任せられていない現状から察するに、1試合ごとの結果が今後を左右する立場であろう。それと同時に投球スタイルの転換期を迎えているのではないか。チーム内には球速の低下を多彩な球種を操ることでカバーし、先発として復権した増井投手や、これまであまり使用していなかったカーブを積極的にアクセントに用いることで現在も一線級で投げ続ける平野佳寿投手など球速の低下を乗り越えた「お手本」は複数人いる。全てが右肩下がりではなく、奪三振率は昨年キャリアハイを更新しただけに伸びしろはまだ残っているはずだ。球種を増やしフライボールピッチャーとして再び復調を目指すか、奪三振率の向上をきっかけに三振を奪える選手に転換するか…選択肢は複数あるはずだ。現在の投手陣には力で仕留める速球派が多く、復調した吉田一将投手は「差別化を図る」存在としては十分すぎる存在だ。残された時間は短いかもしれないが、ブルペン陣がシーズンを完走できるとは限らない。夏場までの復調を期待したい。

こちらは前回の投稿を締める際に用いた展望。オリックスのブルペン陣はシーズンを通して一軍で投げた投手が少なく、経験豊富な選手は既に全盛期を過ぎているため、ブルペンの中心を担う選手に疲れが見えてくる「夏場にはチャンスがあるのではないか」と予想した。

現在、オリックスの中継ぎ陣は正念場を迎えている。平野佳寿とヒギンスの両投手は春先の離脱以降、ブルペンの一角として固定されているが、開幕一軍であった山田、漆原、富山の3投手は現在二軍。そして、交流戦以降に頭角を現した澤田、張、村西といった投手も二軍であり、”優勝への切り札”期待されていた山岡投手の中継ぎ起用も実現することなく9月を迎えた。

そんな優勝争いを続けるためにも更なる勢力の台頭が必要不可欠な、窮地ともいえるブルペン。吉田一将投手がここに加わって救世主になる…


ことはまだ先の話でした!!!!

8月1日を境に1か月以上登板がありません。球団からの情報もなく、現時点では「今はその時じゃない」ということだと思います。

※近藤大亮投手のインスタグラムにブルペンにいる様子が映っていたので、恐らく「何かしらのアクシデント」があったと考えられます。

幸い、ブルペンに入れる状態であったことからまだ救世主になる可能性は残されているでしょう。

以降は二軍戦、エキシビションマッチなどの内容を振り返りつつ、最後に今後の展望をもう一度行いたいと思います。

エキシビションマッチ

 吉田一将投手の一軍登板はエキシビションマッチにて実現

主力と二軍選手をシャッフルする意向もあり、海田投手や飯田投手といった同じく前半戦に一軍登板のなかった投手と共に一軍へ合流

ヤクルト戦と巨人戦の2試合に登板、投球内容はこのようになっている

※オールスター明け全登板を複合

2021オールスター明け

ヤクルト戦では1回無失点、2四球2奪三振であった。ランナーこそ2人出したものの、無失点で抑えた。ヤクルトの主軸である塩見選手から三振を奪う活躍を見せ、最高球速146キロをコンスタントに投じるなどアピールに成功。

中嶋監督も(吉田)一将も海田も十分アピールしているが、まだまだして欲しいし、良かったと思う。と評価、現在海田投手が一軍に帯同して接戦でも起用されていることから、若手を中心に起用しつつもまだまだベテランの奮起に期待していることが窺える。

しかし、次回登板の巨人戦では一転して1回3失点、相手主軸の大城選手に本塁打を浴びるなど苦しい内容となった。ストレートの球速帯も139~145とばらつきが大きく、最高球速をコンスタントに出せなかった結果であろうか。

(エキシビション成績)

エキシビションマッチ

2試合 防御率13.50 奪三振率18.00 WHIP3.00 与四球率13.50

母数は少ないが球種割合はリリーフ起用が増加した2016から一貫している「ストレート>フォーク>スライダー>カーブ」の並びと一致するため、登板数が仮に増加していても大きな変化はなさそうだ。

二軍成績

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2021オールスター明け

 次に吉田一将投手の二軍全登板を振り返っていきたい。

登板数は24、二軍登板トップの齋藤投手が43試合であることを考えると、主戦級であるとはであるとは言えない。また、一軍ではイニング跨ぎもこなしリリーフの浪費を減らす役割を担っていたが、二軍戦でのイニング跨ぎは7月9日のソフトバンク戦のみ(※2イニング目はアウトを取れずに金田投手と交代)

三軍制は確立されていないため、育成選手も定期的に二軍戦で起用していることなども鑑みれば、イニング跨ぎの機会が少ないことは仕方ないといえアピール不足感は否めない。

また、2度の大量失点など、昨年開幕戦など昨シーズン一軍でも目立った「一度打たれだしたら止まらない」悪い点が二軍でも顕在化してしまった。この大量失点が影響し、防御率の高騰を招いてしまった。

軒並みの成績が大きく悪化した中で奪三振率は大きく上昇しており、二軍ではあるもののフライピッチャーから、三振を奪えるタイプの投手へとスタイルチェンジしていることが窺える。

ちなみに、二軍でも球種パターンに大きな変化はなく前述した4球種を組み合わせている。

そんな吉田一将投手だが、8月1日のエキシビションマッチ登板以降未だに公式戦登板がない。とくに情報がないため真相は不明である。

(二軍成績)9.14日現在

24試合 0勝2敗 防御率7.66(阪神戦のみ無失点) 投球回22.1 奪三振26

奪三振率10.48 WHIP 1.75 与四球率4.30 暴投5 被打率.330

トレード説(没Note再利用)

 すでにトレード期間は終わってしまったが、吉田一将投手といえば”トレード説”が今シーズン多く騒がれた選手であろう。

私は、某OB系You Tuberの「トレードしたほうがいい選手」的な動画に吉田一将投手が2年連続で選出されたため、対抗しようと変なNoteを書こうとした。結果的に夏季休暇を満喫する中で吉田一将投手が行方不明になってしまい没となったので、この記事で再利用したい。(引用は原文ママ)

※これは没Noteで半ギレの著者

トレードを推進する意味では里崎氏の動画はいい内容だと私は思うが、1つ目につく部分があった。それは、吉田一将投手の具体的な成績を明示していないことである。ここで一度、吉田一将投手の成績を確認してみよう!
22試合 2敗 20.1回 防御率8.41 奪三振24 奪三振率10.62 与四球率4.43 WHIP1.87 暴投5(チームワーストタイ)
里崎氏は、動画内では二軍で20登板している点は伝えたが、防御率などその他の数字は一切伝えずに「まだまだ活躍できるからトレードしたほうがいい選手」として推薦しているゆえ印象操作なのではないかと反論したい。成績を伝えてしまうと視聴者から優良物件に見えないため、動画の趣旨と内容が矛盾するため仕方ないことではあるが、これでは優良誤認表示だ。自分の応援してる選手に対してこう言うのもアレだが、「出番に恵まれない」のではなく、「出る枠は当てもその枠に食い込む成績を残せていない」のではないか?しかし私は、オリックス内で間違いなくチャンスはあるだろうと考える。というのも前半戦終盤のオリックスは平野、ヒギンス、張、澤田が日替わりに相次いで失点し、リリーフ陣に脆弱性を残しオリンピック休暇へと入った。加えて、二軍の中継ぎ陣も現時点では齋藤、中川が頭2つ突き抜けていて他の選手は決して抜群の安定感という訳でもない。特に、ブルペン陣の半数が被打率3割近い内容になっているのだ。この状況を見れば、前述した2選手を除けば優先順位に大きな差がないと捉えてもよい。それこそ、本人の巻き返し次第ではトレード候補として他球団が注目する可能性もあるし、ブルペンの救世主としてここから巻き返す可能性もゼロではない。それこそ、エキシビションマッチでの内容が今後を大きく左右するのではないか?

実際にエキシビションマッチでは、リーグの関係上二軍でほとんど対戦することのないヤクルトと巨人相手に登板したことから、トレード候補としてのアピールの場を設けた可能性もあるのではないか。

特に、巨人はリリーフ(特にビハインド要員)に課題を残していることや、ロメロ選手の退団に加えて、中川圭太選手や佐野皓大選手が相次いで離脱していたオリックスにとって、巨人が擁する石川慎吾選手や陽選手などの飽和している即戦力の外野手は魅力的だったのではないか。

結果的に吉田一将投手が炎上のち行方不明になったことで、トレード案は憶測でしか語れないものとなったが、エキシビションマッチはトレード候補がアピールする場としても考えられていたのでは…という説を提唱したい。したかった。

余談~球団発表のない離脱と球団体質~

 吉田一将投手が一か月登板がない中で球団やスポーツ紙から何の情報もない事態はいわば「オリックスあるある」であり、もはや復帰を待つしかないのだろう。

今季も阿部投手が情報のないまま長期間実戦登板をしていない事例があり、昨年は長らく行方不明だった神戸投手の不在理由が契約更改でようやく判明するなど、主力選手以外の故障情報が公開されないまま復帰していることもしばしば。

ファンの心情を考えると、トレードや手術などの不安がよぎるゆえ、かなり心配な事態であるが故障して行方不明の選手にありもしない噂を流すスポーツ紙がいないからこそ、毎度毎度発表する必要がないとポジティブに捉えることもできる。

今後、チームの強さと比例して球団としての注目度が上がることを考えると、行方不明者続出体質をどうしていくのかにも期待したい。

今後の展望

 知りたくない事ではあったが、戦力外期間が発表された

第一次は10月4日から、第二次はCS終了翌日となる。

オリックスの投手で一軍登板がここまでない25歳以上の投手に限ると吉田一将投手に加えて、荒西投手、飯田投手、黒木投手、神戸投手が該当する。

その中でも吉田一将投手は最年長の32歳と未登板の選手では最年長

1つ目のデッドラインまでは残り20日ほど、今季一軍登板がなく実戦登板も遠のいている吉田一将投手にとっては元気なところを見せなければ立場が危うくなるかもしれない。

ドラ1、50登板2回の実績、前年も開幕一軍でまずまずの成績という要素を考えると1年の猶予はあるかもしれないが、高卒投手中心のドラフト指名や三軍の設置案などチーム編成は中堅選手には逆風と言っていい状況であるため、いかに"伸びしろ"が評価されるかが今後を握っているのではないか。

成績は大きく下降しているが「奪三振率は右肩上がりである」という伸びしろは見られるだけに、この光った部分がどう評価されるのかに着目したい。

加えて、現在離脱しているがその期間内にここ数年の球速低下や制球悪化などの根底的な原因が見つかる可能性もあるかもしれない。

いずれにせよ、シーズンは10月末まであるためファンが悲観していてもしょうがない。

優勝に向けての最後のピースとして、2014年の躍進に貢献した右腕がやって来ることを信じてやまない。ぜひとも「主役は遅れてやってくる」を体現していただきたい。

以上です。最後まで見ていただきありがとうございました。

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