2023を振り返る①

今週の水曜日のことだ。
冬コミに向けたコピ本やノベルティを入稿しようとしたら、なんと、商品到着は12/28になるそうな。

えっ……年末じゃん。
もしかして……もう一年が終わるの!?!?

というわけで、唐突ですが2023年の振り返りをしようと思います!
イェーイ!ドンドンパフパフ!チョベリグバッチグー!!

項目は以下の通り。

ベストライブ
ベスト飯
ベスト芝居
ベスト漫画
ベスト小説
ベスト本
ベスト映画
ベストレース


2023ベストライブ

これは初手から悩むな…。
今年はあまりライブに行けてないかもしれない。
なんと、ライブハウスは一回も行ってない!
そんな一年があるか!?
あるんだな〜これが。

2023ベストライブは、『DREAMS COME TRUEのWONDERLAND mini2023』。
老若男女入り乱れた観客席がみんな満足した、素晴らしいエンターテイメントだった。

ドリカムって、1989年デビューだって。89年って、我らがレジェンド・武豊がイナリワンやスーパークリークでG1を勝った年だよ。そんな時にデビューしたドリカムが、いまだに日本のエンタメのトップをひた走ってるんだよ。そんで豊さんもバリバリトップなんだよ。あまりにすごすぎる。

30年日本の音楽界のトップを張り続けるってすごいよ。ちょうど私が観に行ったライブの日にベースの中村さんが60歳のお誕生日を迎えたけれど、その年齢でドームツアーができるミュージシャンが、一体日本に何組いるかって話だよ。

もう、そこまで来ると、ドリカムと一緒に四半世紀以上生きてきたって人がたくさんいるわけ。
他人の人生を丸ごと背負えるアーティストって、なかなかいない。そんな人たちと生きている時間が交差する奇跡と喜びを存分に感じた、そんな素晴らしい一夜でした。
楽しかった!また行きたい。

2023 ベスト飯

すばり、福島県会津若松市にあるラーメン屋、『うえんで』の山塩ラーメン。
ラーメン道に通じた方なら、この一文を読んで「おや?」と思われたかもしれない。
そう、会津のラーメンといえば(正確に言うと会津地方の喜多方)、あっさり醤油ベースのスープに太ちぢれ麺を合わせた、日本三大ラーメンの一つ、喜多方ラーメンなのだ。

そんな土地で、どうして塩ラーメン?
私も最初はそう思った。けれど、これがまた美味かった。
会津には北塩原村がある。磐梯山の恩恵をたっぷりうけたその村の温泉は塩分を含んでいて、それを煮詰めると山塩がとれるそうな。

山塩は、通常の塩より繊細な味がする。その山塩を使った塩ラーメンは、他のそれらよりマイルドな風味がする。優しくて、塩ラーメンなのにどこか甘い。

会津といったら喜多方ラーメンしか目に入っていなかった私にとって、山塩ラーメンとの出会いは幸福だった。

地のものに触れるのは、旅の醍醐味の一つだ。山塩ラーメンを通じ、その土地のことや歴史にほんの少し触れることができたような。そんな素晴らしいラーメンだった。

ベスト芝居

これも悩むな…。実は、芝居も今年はほとんど観にいけていない。コロナが騒がれていた去年に比べたら観た方だが。

うーん。
地元に来てくれた劇団や、アマチュアの劇団を何本か観たくらいかなあ。
東京遠征はしなかった。仙台にも行かなかったなあ。自分のアンテナが低すぎる。これは反省だな。

その中でもベスト芝居は…チェーホフの『かもめ』の演目だなあ。
いやあ、チェーホフってこんなに面白いんだと舌を巻いたよ。

昔の戯曲って、一人で部屋で読むだけだとあんまり楽しくないんだ。言い回しが難しいし、キリスト教文化に根付いた生活のドラマってどこか共感し辛かったりするから。

だから、目の前で役者がその時その場所で生きているのを見せてもらえると、本当に最高な気分になる!

百年も生き残っている戯曲が持つ力は強い。すごいよね。シェイクスピアなんか450年も昔の戯曲なのに、こんな東洋の島国でいまだにひっきりなしに上演されてるんだから。ここまでくると、もはや世界の共通言語かもしれないね。

演劇って聞いたら、真っ先にシェイクスピアの『ロミオとジュリエット』を思い浮かべる人はそこそこいるんじゃないだろうか。
逆に、野田秀樹やケラリーノ・サンドロヴィッチ、松尾スズキや鴻上尚史らの作品が思い浮かぶ人は玄人だよ。どれも日本のトップ劇作家だけど、ほとんど誰も知らないだろうさ。
宮藤官九郎あたりは、みんなピンと来るかもしれない。

話が逸れた。
というわけで今年のベスト芝居は、当時のロシアに流れていた没落と新世代が入り乱れるあの空気に連れて行ってくれた某劇団の『桜の園』に一票!


ベスト漫画

『付き合ってあげてもいいかな』

めっちゃ質感のある女女恋愛マンガ。
(作者さんがXのプロフィールに「百合漫画を連載しています」ではなく、「女女恋愛漫画を連載しています」と記載しているので、ここでもそう記載する)

実は今年、マンガをあんまり読めなかったのだけど、そんな中でもウワーッ好きだー!と思える作品に出会えたのは幸運だった。

ところで、マンガにおける質感ってなんだろう。

読んでいるうちに胸に湧き起こる『ああ、その感覚わかるなあ』という共感が質感に繋がっているのだろう…という予想はできる。

また、共感できるマンガ内のエピソードはが決してポジティブなものだけではない…ということも、質感を感じる要因なのかなとも思う。

『付きかな』の中で丁寧に描かれているのは、バフのかかったフォーリンラブの状態のみならず、たとえば性欲の不一致、惰性で恋愛関係を続けることの苦しさ、恋人の前で本音を言えない破綻した恋愛関係など、恋愛のうまくいかない面だ。
恋愛をするタイプの人は、性別や性的指向はあまり関係なく「ああ〜、わかるなあ…」とあの作品をするっと読めてしまうのではないだろうか。

意表を突いた「ああ〜、わかるなあ」がいくつ散りばめられているかが、質感に繋がるのかも? これはまた今度詳しく考えたい。

私は「ああ〜、わかるなあ…」がマンガ内でたくさん出てくると、その作品を好きになる傾向にある。

ヤマシタトモコさんや志村貴子さんのマンガは、そういう自分のフックにひっかかる描写が多くて、読むたびにすごいなあと好きだなあが波のように押し寄せてくる!
あんなふうに、細かく心の機微を描いた小説を書けるようになりたいなあといつも思っている。

やばい。
思ったより回顧が長くなりそうだ。項目が進むごとに分量が増えてるし!
後半戦はまた次回!

……というかさ、ライブもあまり行ってない、芝居もあまり観てない、マンガもあまり読んでないって一体2023は何をしてたのかって話だよ。

それは次回、後半戦で。

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