【 記事 】2022_06_21「続・クルマ屋さんの話」

初めてオイル交換をしてもらってから、毎月のようにそのクルマ屋さんへオイルを換えてもらいに行くようになりました。月に約3千キロ走るので、ほぼ毎月お店に行きます。何度か通っているうちに、ふと思ったことがありました。

お店にいつもいるのは事務の女性の方と、最初に話した若い30代半ばくらいのイケメンな整備士さんだけで、このお店のご主人はいつも仕事で忙しいのかな?と思いました。その若い整備士さんは事務所でパソコンをなぶったり、たまに電話したり、クルマの整備の作業場へ行ったりしていました。私はその人はこのお店で雇われている整備士さんなのだと勝手に思い込んでいました。

事務の女性の方は事務仕事や電話の対応をしています。私はオイル交換をしてもらっている間、その女性に聞きました。
「ここのご主人さんはいつも仕事が忙しいのですか?いつも若いあの整備士さんしか見えないようですけど」
なぜこんなことを聞いたのかと言うと、だいたいクルマ屋さんを経営している事業主の方は50代後半~60前後くらいの年配の男性が多いからです。顔を見たことがないので、いつもクルマの作業場にいて、仕事が忙しいのだろうなと勝手に思い込んでいました。

いつも事務所にいる和やかな女性は私のそばに来て言いました。
「あ、うちの主人は何年か前に亡くなったんです」
「えっ、亡くなった?じゃあ、このお店のご主人というか経営者は誰なんですか??」
「あの子です。ほら、さっきパソコンをなぶってた」
「え??あのいつもいる若い整備士さん??」
「そうそう。あたしの息子なんですよw」
「えっ!!息子さんなんですか!?」

なんか、解ったような、解らないような・・w

色々話を聞いているうちにやっと理解できました。
元々このお店のご主人とその事務の女の人は夫婦でクルマ屋さんを経営していました。整備士さんを二人雇って、クルマ屋さんを経営していたそうです。ところが旦那さんが病気で亡くなってしまったとのことでした。
整備士の資格を取ってネッツトヨタに就職していた息子さんは整備士として働いていたそうです。何年いたのか分かりませんが、経験を積んでプロの整備士として働いていました。しかし、父親が亡くなったのをきっかけに、実家のクルマ屋としての事業を継ぐことにしたそうです。息子さん曰く、ディーラーの整備士はサラリーマンと変わらず、自分がやりたいことができないからやめたという理由もあったと言っていました。
事務の女性はイケメン整備士さんのお母さんだったわけです。私はビックリしてしまいました。事務の女性がえらく若く見えたので、まさか親子だとはまったく見えませんでした。

跡を継いだ息子さんは事業主兼整備士で、お母さんは事務、他に二人の整備士さんを雇って、息子さんはお母さんと協力しながら、父親の事業の後を継いで一生懸命仕事をしていました。私はやっとこのお店のことを理解できました。不景気もあるし、事業というのは簡単ではないと思います。私には絶対ムリだなぁと思いました。息子さんは38歳だと言っていました。私より一回り以上若い。それなのに、仕事ができて、しっかりしているなぁと感心しました。仕事ができる男はカッコイイです。私とは大違いですw

いつも作業をお願いしている間、ついつい話し込んでしまい仕事の邪魔をしています。申し訳ないと思いつつも、つい話してしまいます。息子さんとも色々話します。奥さんも息子さんもイヤな顔一つせず、いつも和やかな温かい対応をしてくれます。地域の人に愛され、ずっとずっとクルマ屋さんを続けてほしいと心から願っています。天国で息子さんのお父さんも、きっと安心して喜んでくれていると思います。私はお客の一人として、ずっとずっと応援したいと思っています。