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じっちゃま(広瀬隆雄)議事録「米経済が政策金利の引き上げを決定! 広瀬隆雄の 2022年米株市況アップデート」2022/4/8 楽天セミナーまとめ【米国株投資】


結論

👴「結論、目先の米国株は上を見てます。ただし、ごく短期。5月の声を聞けばポジションを軽くしたいと考えてます。それは5~6月にFOMCがあるから。それぞれ0.50%の連続した利上げが実行される見方が有力になってます。」


米国株マーケットのファンダメンタルズ


👴「(2連続の利上げ)は、もう市場に対してきっちりコミュニケートされているので、債券市場では織り込み済みだと思う。株式の投資家も理解してるわけですけど、0.50%刻みで2回の利上げはかなりアグレッシブな利上げです。頭でわかってても実際にくるとビビるかもしれないリスクがあります。」


👴「昔から"Sell in May and go away"…つまり、『5月になったら株式を手仕舞いにして、バケーションにでも行け!』という格言があります。その理由は、毎年季節要因として5~6月が苦しい年。2022年はそのタイミングでガッツリした利上げがくる。楽観視できない。」

👴「秋口も結構苦戦すると考えてます。2022年の年末に…11~12月ぐらいにようやくマイナス圏株価が這い上がるシナリオを考えてます。つまり、2022年は一年を通じて良くて…前年比+-ゼロとの展開になると考えてます。」


👴「先日、FOMCの議事録が公開されました。そのメッセージで一番重要なことは、『次回…5月のFOMCで0.50%の利上げをします。そして、必要であればその後も0.50%刻みで利上げをする用意がある』という風に言ってました。」

👴「FOMCからの2つ目のメッセージは、連邦準備制度の総資産の圧縮(QT)が、いよいよ今回のFOMCから着手される可能性がある。最初は小さくだんだんスケールを大きくして7月のFOMCまでには毎月950億ドル(米国財務省証券600億ドル、住宅抵当証券350億ドル)を行うことが発表されました。」


👴「(減額規模の話)FRBの総資産はずっと右方上がりで増えていましたが、そのペースを減価させるのがテーパリング。今年の年初から行われていたテーパリングの規模は毎月300億ドルでした。そして今は水平線になった。5月からQTという形で引きしめに転じます。」


👴「2017~2019年にかけてのQTでは、最大で毎月500億ドルでした。ざっくり言って、今回のQTペースは前回の倍ぐらいの規模…アグレッシブなQT…アグレッシブな利上げが行われます。」


FRBメンバーによるFFレート予想

1.FRBメンバーによるFFレート予想

👴「これは前回のFOMCで声明文に添付された資料として"経済予想サマリー"というものが発表されました。FRBメンバーの政策金利会合まえのアンケート調査結果がコレ。それによると今回のFOMCは2022年末のFFレートとしてコンセンサス予想は1.9%でした。これは2021年12月の0.9%よりも跳ねてる。」


FRBメンバーによるGDP予想(%、FRB)

2.FRBメンバーによるGDP予想(%、FRB)

👴「インフレ率7.9%に対して、2022年末の政策金利は1.9%…ゆるゆるの金融政策と見られても仕方ない。だから、なるべき早く引き上げたい。着地は2.5%ならインフレを加速させない水準…でも、これの根拠は示せないと思う。一般論としてこれぐらいならゆるゆる過ぎないとアメリカでは理解されている」


👴「何が言いたいかというと、2023年末に2.8%のFFレートには、中央銀行家の希望予想(フォーワードガイダンス)として2023年末までにはゆるゆるを改めたい。そういう希望が予想数字の中に現れている。

FRBメンバーによる失業率予想

3.FRBメンバーによる失業率予想(%、FRB)

👴「【失業率】2022年末は3.5%…2023年末が3.5%…2024年末が3.6%です。現在は3.6%なのでターゲットに限りなく近いところにきている。つまり、雇用市場は完全雇用に近い…理想的な形になってる。」


FRBメンバーによるPCEインフレ予想

4.FRBメンバーによるPCEインフレ予想

👴「【FRBメンバーによるPCRインフレ予想】PCEとは、個人消費支出の略です。2022年末に4.3%…23年末に2.7%…ちなみに米議会からFRBが言い渡されている努力目標は2%です。FRBの目先の仕事はインフレを抑えること。失業率の改善ではない。」


👴「FFレートには先物があります。CMEというデリバティブ取引所で、FFレートの先物が上場されています。その取引実勢価格から逆算して市場参加者が『どのくらいの確率で次の政策金利会合の時に利上げがあるのか?』という利上げ確率がcme fedwatchというサイトで掲載されています。」

2022年6月15日のFOMCでのFFレートの確率

6.2022年6月15日のFOMCでのFFレートの確率

👴「6/15のFOMCでは更に0.50%の利上げがあって、政策金利が1.25~1.50%になる確率が60%くらいを占めています。ほぼ確実に0.50%の利上げがあることが織り込まれています。市場参加者はアグレッシブは利上げが続くという心は決まっている。しかし、0.5%の利上げが連続するのは非常に異例なこと。」


10年債利回り-2年債利回り

7.10年債利回り-2年債利回り

👴「【10年債利回り-2年債利回り】景気後退の先行指標として市場参加者が好んで使うのがコレ。この差がゼロになったらリセッション(景気後退)が将来やってくる前兆だと理解されています。この資料を作った後、既に瞬間的にゼロになっています。長短金利差がゼロになった後には必ず景気後退がきます」


👴「長短金利差がゼロになってすぐ景気後退がくるわけじゃない。そのあと、1~2年くらいの猶予があったあとで景気後退が襲ってくる。だから、景気後退は避けられないが、すぐにはこない。景気後退を恐れる理由は、景気後退の直前にマーケットが-20~45%というような大きな下げが起きている。」

今後のシナリオ

👴「【今後のシナリオ】長短金利差がゼロになったので景気後退は避けられない。2022年4月は相場上を見てます。5月にはポジション軽くして様子見したほうがいい。今年は一年を通じてグズグズして年末にやっとS&P500が前年比+-ゼロまで戻すかもしれない。1~2年後には大きな下げがくるかもしれない。」

30年固定住宅ローン金利

8.30年固定住宅ローン金利

👴「【30年固定住宅ローン金利】新型コロナで在宅勤務が強いられた。郊外の大きな家に住み替えブームが来た。コロナの低金利を活かして住み替えを進めた。しかし、今は金利上昇でこれからは中古~新築住宅の販売とかは陰りが見えてくる。景気が悪くなることを予期しています。」

ミシガン大学消費者信頼感指数

9.ミシガン大学消費者信頼感指数

👴「【ミシガン大学消費者信頼感指数】消費者がガックリしている理由はインフレです。スーパーに買いに行っても全て高い。それが消費者信頼感指数が低下してる原因だと思います。」


全米平均レギュラーガソリン価格

10.全米平均レギュラーガソリン価格


👴「【全米平均レギュラーガソリン価格】アメリカの場合は車に乗って通勤するのが普通です。すると、ガソリン価格の上昇する=通勤費が高騰する。アメリカが景気後退に入っていく一番起こりやすいシナリオとしては、エネルギーや食品価格の高騰→消費者のセンチメントを害する→景気後退になる。」


参考銘柄

キャロン・ペトロリアム( $CPE )

• 出遅れシェールオイル株
• 西テキサス・パーミアンに優良な油田を確保
• 不利な値段で原油価格をヘッジ
• 負債比率低下著しい

👴「アセットのクオリティは非常に高い。効率性も高い。アメリカのシェールの中で一番割安放置されている銘柄の1つ。」

サウスウエスタン・エナジー( $SWN )

• 出遅れシェールガス株
• マーセラス天然ガス田で最大級の業者
• 不利な値段で天然ガス価格をヘッジ
• 負債返済進捗

👴「堅実経営。経営陣の見識も地に足がついてる。問安値でヘッジした分は時間が解決する。非常に割安で取引されています。」

オックスフォード・インダストリーズ( $OXM )

• トミー・バハマ、リリー・ピューリツァーを展開
• バケーションに関係したブランド
• プレミアム価格戦略

👴「決算しっかりしてた。コロナで外出できなかったのでアメリカ消費者の願望はバケーション。値引きしないのでマージンが高い…堅実経営」


チーズケーキ・ファクトリー( $CAKE )

• インスタ映えするテーマ・レストラン
• 売り場面積当たり売上高で圧倒
• 着席型レストランなので新型コロナの影響を大きく受けた
• マーケットシェア伸長が期待される

👴「NYやサンフランシスコなどレストランの10~15%が閉店。そのシェアを奪える。」


ディラーズ( $DDS )
• 南部の高級百貨店
• ウォール街に媚びない経営哲学
• マーチャンダイジングに特徴

👴「テレビ広告はほぼしない。投資家アピールもしない。媚をしないポリシー。"百貨店たるもの一番大事なのは得意客に良い品物を提示すること"という経営哲学をもっている。」


ハイパーグロース株について


👴「ハイグロ株の最大のベアマーケットはドットコムバブル崩壊…3年ぐらい続いた。2021年の6~7月が天井です。日柄的に不足してる。金利見通しを見ると、ドットコムバブルより厳しい環境。去年の高値に戻る可能性と半値になる可能性なら、半値リスクの方が大きい。今はグロース株を買うべきではない。」

今が旬のセクター

👴「【セクターローテーション】今年の1月にエネルギー株が人気になった。一度人気になると人気は3ヶ月で終わるものではなく、1~3年ぐらい続く場合が多い。ロシアの戦争で瞬発的に原油も跳ねたし、一旦は買われ過ぎになった。でも、今の水準ではグロース株よりエネルギー株の方が魅力ある。」


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