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オリックス・バファローズの現在地を中嶋監督の「言葉」から考察する【オープン戦編②】

こんにちは、ギータです。

初めてのnote、スルーされるのが怖かったのですが、予想以上に反響をいただき嬉しかったです。読んでいただいた方、拡散していただいた方、コメントまでいただいた方、本当にありがとうございました。

今回も公式HPのゲームレポートに記載されている中嶋監督の試合後コメント(紅白戦5試合、練習試合5試合、オープン戦16試合)を分析し、オリックス・バファローズの現在地、今シーズンの戦い方を考察してみたいと思います。

今回は野手編です。

投手編はこちら


1.単語の出現回数から考察してみる

中嶋監督が野手陣に言及したコメントの中の単語の出現回数上位(4回以上を抽出)は下記の表の通りになります。

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個人単位だとオープン戦で長打力を発揮し開幕一番センター有力な佐野晧大選手、オープン戦では一軍の壁にぶつかってしまいましたが、ヤングバファローズの象徴としてチームを盛り上げてきた太田選手、紅林選手に言及している事が多いです。

佐野晧大選手はチームの長年の課題だった「1番」と「センター」の両方を埋めてもらう事、太田選手、紅林選手は一軍の壁を乗り越えてもらう事を期待しています。

紅林3

この中で私は「打線」に着目しました。

「打線」が使われたコメントは下記の通りです。(打線と同義で使用されていた「打つ方」も含めています)

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前半こそ評価する文章で使用されていましたが、練習試合終盤からオープン戦にかけては勝敗に関わらず反省の文章しかないのが分かるかと思います。
最終週の楽天阪神6連戦で4回指摘しているのが目立ちますが、勝敗上では健闘していたオープン戦序盤も定期的に打線に奮起を促すようなコメントをしています。

今思い返してみるとオープン戦序盤は一軍当確線上レベルの投手から打つことで勝てた試合やダメ押しできずに辛勝した試合が多かったです。中嶋監督は「このままだと相手投手が仕上がったら点が取れなくなる」という危機感を持っていたのでしょう。そしてその予感は残念ながら的中してしまいました…。

中嶋監督も最終的には「ずっと課題」、「心配」、「一気には良くならない」、「シーズンに入ってからもやっていかなければならない」とはっきり発信していますし、ファンも理解してあげないといけないですね。

投手編でも書きましたが、開幕当初は投手陣の踏ん張りで勝ちを拾っていく試合が多くなると思います。ただ投手陣の頑張りだけで今のパ・リーグを勝ち抜くことは不可能です。シーズンを戦っていく中で野手陣が成長し、打撃で投手陣を助ける試合を増やしていかなくてはなりません。経験を血肉に変えてもっともっと成長してください。本当に期待しています。


2.共起ネットワークを用いて考察してみる

野手陣の共起ネットワークは、下記の通りになります。

野手

今回は佐野晧大選手、太田選手に着目してみたいと思います。

佐野晧大選手には「成長」、「続ける」、「対応」という語句が結びついています。

中嶋監督が佐野晧大選手に言及したコメントをいくつか抜粋すると、

「佐野皓は、まだまだ開幕へ向けての過程ですからね。これからも続けていってほしいと思います(3/2)」

「佐野皓はまだまだですけど、少しずつ対応できてきているかなと。もっと精度を高めてほしいと思います(3/9)」

「佐野皓はあそこまで飛ぶということは力もついてきたということじゃないですかね。(中略)これからも続けてほしいし、どんどん成長してほしいと思います。対応力もついてきて、細かいところもできるようになれば、もっとよくなってくると思いますよ(3/13)」

「佐野皓はまだまだこれからですよ。いろんなことができるようにならなければいけないですし、日々成長ですね(3/16)」

佐野晧大選手に対してはもっと出来るとか細かいところまでやってほしいという注文が多いですね。
注文をするという事はポジションを与えられる段階をクリアしつつあり、次のステージに上がってほしいという期待の表れだと思います。
これからも成長して一番センターの座を確固たるものにしてくれることを願っています。

佐野

次に太田選手ですが「出る」、「大事」、「仕掛ける」が直接結びついており、それに付随して「自分」、「思い切り」、「積極」、「振る」、「考える」、「アピール」等があります。

中嶋監督が太田選手に言及したコメントをいくつか抜粋すると、

「太田は甘い球を1発で仕留められていたと思います(2/15)」

「太田はいい状態できていますけど、まだまだ成長できると思うし、まだまだやっていけると思います(2/17)」

「太田は一本出たことはよかったんですが、その後の打席ですよね。そういったところを今後に生かしてほしい(2/23)」

「太田はファーストストライクからしっかりと仕掛けられていますし、持ち味を出していいアピールができているんじゃないですかね(2/24)」

「太田は思い切りのいい選手ですので、その思い切りが出なくなって、積極性がなくなるということは嫌ですからね。率とか、数字とかにこだわることはないです。自分タイミング振るということが大事。数字で野球をしているわけではないですからね(3/10)」

まず紅白戦から練習試合にかけては最初に高評価、次の段階として細かい注文をつけるという佐野晧大選手と似た流れとなっています。しかしオープン戦では一転「数字を気にせずとにかく自分のタイミングで振れ」と変化しました。オープン戦での不振を受け目標が下方修正された形になっていますね。

太田選手はオープン戦16試合中15試合でスタメン(安達選手の件で1試合直前ベンチ外になったので実際に出場したのは14試合)でしたが、打順は1番が4試合、2番が3試合、3番が5試合、5~7番がそれぞれ1試合ずつとなっています。

おそらくシーズン当初も上位起用されるでしょう。太田選手も結果が出ない苦しさ、結果が伴わないのに起用してもらっている申し訳なさを感じていると思います。しかしそんな事は気にせず(中嶋監督の言葉を借りますが)前を向いてプレーしてくれる事を期待しています。
そして中嶋監督は我慢が固執にならないよう成績が伴わなければ打順を下げる、一時的にスタメンから外す等の適時適切な対応をお願いしたいです。

太田2

3.最後に

ここまでの中嶋監督の言葉を分析してみると、投手陣は「順調」、野手陣は「課題成長」という傾向が見えてきました。このあたりを踏まえてオリックスがスタートダッシュを決め上位進出するためには「シーズン当初は投手陣を中心に守り勝ち、投手陣が疲弊してくる夏頃には成長した野手陣で打ち勝っていく」というのが最も現実的なシナリオだと思います。具体的には

・シーズン当初はとにかく投手陣は先発を中心に最少失点で抑える
・最初は点の取り方が下手糞なのは仕方ない、攻撃的なメンバーでチャンス回数を出来る限り増やすことで何とかカバー
・点がとれない代わりに投手陣の足を直接引っ張るような守備ミスを極限まで減らす
・若手野手はまずは自分のスイング&堅実な守備を、チームバッティングやチャンスでの最低限は経験する中で夏頃までに身につければOK
・そして中堅以上の野手は若手野手の攻撃面での失敗を拭えるようシーズン通して攻守にわたる活躍を

現実的なシナリオと言いつつ滅茶苦茶条件出してしまいました(笑)
ですが2年連続最下位&未知の若手だらけのオリックス・バファローズが上位進出を果たすにはこれ位の奇跡は必要になってくると思います。

首脳陣、選手が一丸となって戦い、秋に中嶋監督の優勝インタビューが聞けることをファンとして願っています。

■出典、使用ツール

トップ写真はデイリースポーツさんの記事より


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