オリックスのセカンド運用から色々書いてみる【2021/2/1-5/15】
こんにちは、ギータです。
今回はオリックスのセカンド運用についてnoteを作成してみました。
レギュラーが徐々に固まってきたオリックス野手陣ですが、セカンドとセンターは絶対的レギュラー不在の状況になっています。
今までの選手運用からプレシーズンの首脳陣の思惑、今日に至るまでの序列の変化等を考察するとともに色々思うことを書いてみました。
尚、本noteは選手への敬称を省略させていただきます。ご了承ください。
これまでのセカンド運用と福田の守備位置運用
まず考察に用いるデータとして下記を提示したいと思います。
・今シーズンの1軍~3軍の全ての対外試合でセカンドの守備についた選手一覧
・キャンプメニューおよび試合結果から抽出した福田の守備位置一覧(一部の紅白戦はキャンプメニュー上にメンバーの記載がなく、私の手元のメモから記載しました。もし誤りがあれば教えてください)
これまでのセカンド起用選手一覧
(このnoteで言及している太田、大城、宜保、福田、安達は色付きにしています)
福田の守備位置一覧
このデータを基に時系列で色々私見を述べたいと思います。
プレシーズンのセカンド運用の思惑について
まずは上記のデータの2/1~3/25からシーズン開幕前のセカンド運用の傾向および首脳陣の思惑について考えてみます。
1軍に関しては見ての通り太田一択。休養日(2/28,3/18)と安達コロナ感染に伴う直前ベンチ外(3/5)を除いた全試合に出場しており独壇場になってますね。
競争というよりは太田を一軍レギュラーとして無条件で使うぞという意志を感じます。
一方、2軍と3軍は少し複雑で色々な人間が守る(キャンプの練習試合)→大城調整(教育リーグ)→宜保基本固定(ウリーグ開幕後)と大雑把に分けることが出来るのかなと思います。
以上を踏まえ、開幕前の首脳陣からの各選手への期待を推察すると
太田:1軍セカンドレギュラーの獲得
大城:1軍二遊間のバックアップ(レギュラー獲りは期待されていない)
宜保:2軍の二遊間レギュラーとして結果を残し、太田か紅林が結果を出せなかった際にnextプロスペクトとして名乗りをあげること
だったのかなと思います。(大城と宜保は異論あるかもしれないですが、あくまで私見なので)
一方、福田ですがキャンプからオープン戦ではサードとセンターがほぼ半々でセカンドの準備は最小限に留まっている事が分かります。
この事から首脳陣は福田にサードないしはセンターのレギュラー争いを期待しており、セカンドは緊急時のオプション程度の認識でいたと考えられます。
外野は野球人生で初めてという福田がどうしてこのような起用方針になったのか推察すると
①首脳陣は若手プロスペクトの中でも太田に一番打席を与えたかった
②福田以外のレギュラー候補の顔ぶれから、福田に埋めてほしいポジション優先度をサード→センター→セカンドと首脳陣が設定した
③福田自身は試合に出ることが最優先でポジションへの拘りがなかった
といった理由が考えられます。
宗と大下が怪我でキャンプ全休、西野が対外試合初戦の初回に負傷離脱しサード人材が枯渇していた事、過去2年間の実績から太田が打撃では一定の成績を残す期待感が大きかった事を考えれば理解できなくもない運用ですが、もう少しセカンドの機会を与えた方が(今振り返ると)良かったとも思います。
4/18に起きた大きな変化と4/17に太田が犯したミス
こうして太田をセカンドレギュラーとして独り立ちさせるという意志のもとシーズンが始まりましたが、太田は開幕戦のタイムリーエラーを皮切りに攻守に精彩を欠いた状態が続きます。
そして20試合を消化した4/18、セカンド運用に2つの変化が起こります。
・僅差のゲームでの大城の守備固めが常態化したこと
・2軍にいる福田がセカンドの調整を再開したこと
この変化はなぜ起こったのか。私は前日の4/17に太田が犯した送球エラーが原因だったと考えます。
4/17の状況をまとめると
・セカンドスタメンは大城だったものの結果残せず
・3点ビハインドの8回裏に太田が代打で登場
・9回表太田の送球エラーをきっかけに2点を失う
勝敗には関係ないミスだったものの、擁護のしようがない質が低いプレーでした。(解説者の里崎さんも「問題外」と酷評するレベル)
※動画の26:10あたり
このエラーについて中嶋監督のコメントは下記の通り
しょうもないエラーもありますんで…。使っている方の問題ですし、負けてる責任もこっちが持ちますので、切り替えて思い切ってやってほしい(日刊スポーツより)
言葉の表面上はとても優しく聞こえます。
ですが、翌日から太田の信頼度が下がったことが傍目から見ても丸分かりな行動をとったことを考慮すると逆に怖く感じますね。
使っている方の問題という発言も「(こんな下手な奴を)使っている方の問題」みたいな怒りを通り越した呆れのニュアンスに聞こえてきます。
では、なぜこのエラーでここまで信頼感を損ねたかと考えると、
・(勝敗と関係ない場面だからか)太田が明らかに油断していたこと(一生懸命プレーしたうえでのミスではなかった)
・エラーで顕在化しただけで練習中、試合中問わず太田が恒常的に油断していたと推察されること(氷山の一角、ハインリッヒの法則的な感じですね)
・太田はレギュラーを与えられた立場だったということ
あたりかなと推察します。
レギュラーを育てるためには優先的にチャンスを与えるのは必要ですが、あまりに無条件で与えすぎるとマイナスになる場合もいうことですね。
開幕後1か月以内で顕在化したのが不幸中の幸いかなと思います。
長々と書きましたがこの章の私見を纏めると下記の通りです
①首脳陣が太田を甘やかしすぎた(チーム内の競争原理が殆ど働いておらず、出場機会も他球団の似た立場の選手と比較して明らかに多かった)
②太田自身も自分の立場に甘え、無意識に慢心していた
③送球エラーをきっかけに①と②の事実が顕在化した
④反省した首脳陣が行動で信頼度が下がったことを示してお灸をすえた
※しつこいようですが、上記は一個人の見解で異論は認めます。
ここまで読んだいただければ分かると思いますが、私は性格悪いです。
5/5のセカンド安達が意味するもの
4/18以降も出場機会を減らしながらも太田を中心としたセカンド運用が続きますが、守備に改善はみられるものの打撃は更に数字を下げていきます。
更には宜保は2軍でもイマイチ、大城は昨年に比べると数字を上げているもののスタメンをはれる結果は残していないという状況で、チーム全体としてセカンドが穴という状態に陥ります。
その状態を見かねた首脳陣は一つの大きな決断をします。
それはセカンド安達です。内野の要であるショートを華麗な守備で支えてきた安達のセカンド起用は多くのファンを驚かせました。(セカンド起用自体が2015年以来6年ぶり、スタメン起用に限ると2013年以来8年ぶりの事でした)
この起用から読みとれる首脳陣のメッセージとしては
・太田に無条件で打席を与える期間を一旦終了します
・太田の序列を紅林、宗よりも下にします
かなと思います。
今後太田の起用がどうなっていくか分かりませんが、2/1から続いていた太田一択の優先起用は5/5の安達起用をもって一区切りついたと言えるのではないでしょうか。
その後5/7~9で太田はスタメン起用されますが、いずれも第三打席で代打を送られています。(5/7に関してはHRを打った直後の打席で代打)
序列を再度上げるにはかなりの労力が必要になると思いますが、頑張ってもらいたいと思います。
ここまでは太田にフォーカスをあてましたが、セカンド安達起用の裏には紅林、宗の頑張りがあることは見逃せません。特に4月後半からの宗の活躍は素晴らしいものがあり、打率こそ安定しないものの殊勲打を量産、定評のあるサード守備でも好プレイを連発しパ・リーグTVの常連になっています。
(1週間で2本もまとめ動画作ってもらうとか、どこのスター選手ですか)
インタビューでの受け答えを聞いていても中心選手としての自覚が芽生えたように感じますし、この調子で頑張ってもらいたいですね。
※個人的に好きな宗のインタビュー記事もはっときます、お時間あるときに是非!!
5/11福田の再昇格
宗の頑張りによりサードの攻撃力が5/9時点でリーグ平均まで改善し、若手お試し枠の穴がセカンドとセンターになりました。
https://twitter.com/Deltagraphs/status/1391340181676953606?s=1
また、チーム出塁率が低い(5位)ため、チーム打率(2位)、本塁打数(1位)の割に平均得点が伸び悩む(4位)という問題点も露わになってきました。(順位はいずれも5/9時点のもの)
ここで再昇格したのが福田です。
福田は4/18以降ファームでセカンドとセンターでの出場を続け、満を持しての再昇格となりました。
再昇格後はセンターでの起用ですが、おそらく安達休養日のセカンドとしての起用も考えられているはずです。
福田のセンター挑戦は前年の契約更改の際に福良GMに直訴することで始まりました。
本人は「試合に出れるならどこでも」とは言ってますが、半強制的にポジションを太田に明け渡すことになったのは悔しかったと思います。
そういう意味ではセカンドとセンターが穴になり、打線の中で出塁できるバッターの必要性が高まったのは野球の神様が福田の頑張りに応えてくれたのかもしれないですね。
今までの鬱憤を晴らすべくグラウンドで躍動してください。
【余談①】それでもU25若手野手の逆襲を信じてる
ここまでのオリックスを見ているとかなりの優先起用があったにも関わらず、U25の野手の中でポジションを勝ち取ったと言えるのは宗、紅林、頓宮だけです。
佐野晧は登録抹消され、太田は成績を残せずレギュラー落ち、宜保は2軍で打率2割台前半、中川圭は悪くはないけどスタメン固定するには厳しい成績といった状況で徐々に中堅に居場所をとられていっています。
ただ彼らがこのまま終わるかというとそうではないと思います。
太田は安達にスタメンを奪われた直後の5/7にHRを打ち、中川圭は福田にスタメンを奪われた後の5/12に11球粘って四球をもぎ取り、宜保は2軍で4/17時点で2割だった打率を2割3分まであげています。
序列をひっくり返すにはまだまだですが、小さな成果の継続的な積み重ねがやがて大きな華をさかせるはずです。
頑張ってください。
【余談②】ベンチにいても野球は上手くなれる(1軍ベンチは良質なインプットが沢山ある)
ベンチにいる若手選手に個人的に読んでほしいなぁと思う記事があります。
現在は楽天でコーチをされている光山さんの記事です。
私が読んでほしいのは中村武志さんの部分ですが、内容を纏めると
・自分は近鉄時代「リードが悪い」と言われていたが、何が悪いか分からなかった
・トレードされた中日で同じくリードが悪いと言われている中村さんのリードをベンチで観察した
・中村さんのリードの悪さが理解でき、同時に自分のリードの何が悪いのか分かった
・中村さんを反面教師として改善した結果、現役終盤には「リードがいい」と評価されるようになった
光山さんは経験する中で生じた課題をベンチで他者を観察し自身の姿を客観視することが出来るようになり克服したと言ってますね。
トレード時点で30歳だった光山さんと同じことを若手に求めるのは酷かもしれませんが、若手選手はまずは漫然とベンチに座る事をせずに色々なことを観察し、考えて、疑問に思ったことは質問することをしてほしいなと思います。
インプットの量が多ければ多いほど、質が高ければ高いほど、良いアウトプットを出せる可能性が高まります。今は理解できないインプットも多いと思いますが、バラバラだったインプットが有機的に繋がる時が必ずくるので頑張ってください。
※光山コーチはインプットが有機的に繋がった瞬間を「ジグゾーパズルの残り何ピースの1ピースがおさまったみたいで、『はまったわぁ』と思った」と表現していますが、私の場合は歯車が嚙み合った感じでした。噛み合った歯車が動き出してアウトプットが次から次に出る感覚は本当に気持ちよかったです。
おわりに
ここまで読んでいただいてありがとうございました。
感情のままに書き殴ったのでおかしな表現が多々あるかと思いますが、その点はご容赦ください。
シーズンも100試合残っています、これから爪痕を残して来季のセカンド優先起用権を手にするのは誰なのか本当に楽しみにしています。
皆、頑張れ!
写真はオリックス公式インスタグラムより
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