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カブスの未来は鈴木誠也だった~契約比較編~

こんにちは、イサシキです。

昨日シカゴカブスと5年総額$85MMのビックディールで基本合意した鈴木誠也外野手。日本人選手がメジャー移籍する際の最初の契約としては、2014年に田中将大投手7年$155MM(現東北楽天)がヤンキースと結んだ契約に次ぐ2番目に規模の大きい契約となります。無論、日本人野手としては史上最高額。期待値の高さがうかがえます。

今回は今わかっている鈴木選手の契約内容や、他の選手との比較を取り急ぎではありますがやってみたいと思います。

鈴木誠也外野手の契約

契約年数:5年
金額:$85MM(約101億円)→インセンティブ込み
→年単位$17MM(約20億円)
オプション
・29球団に対するトレード拒否権
・本人は背番号「27」を希望(一部日本のメディア)
その他
・広島東洋カープへの譲渡金は$14.62MMほど

出典:https://twitter.com/Ken_Rosenthal

契約の規模としては、ブルワーズのロレンゾ・ケイン5年総額$80MM(2018)やブレーブスのマーセル・オズナ4年総額$65MM(2021)あたりが近しいでしょうか。MLBの外野手の中でも高額なので、非常に期待されていることがわかります。

続いて2022~2026年の単年での契約内容を見ていきましょう

2022年:$7MM
2023年:$17MM
2024年:$20MM
2025年:$18MM
2026年:$18MM
サインボーナス:$5MM
29球団へのトレード拒否権

https://twitter.com/Feinsand/status/1504859782578061316?s=20&t=qIqiN0zZjyTLbLdt2CbuAA

ヘイワード外野手の契約から学んだ?

※ここは投稿主である私の妄想パートなので、ソースも確証もなにもありません。戯言と思って聞いていただければと思います。

そして個人的に気になったのは、同じチームのジェイソン・ヘイワード外野手との契約を鑑みたのではないかという部分です。

●ヘイワード外野手の契約内容
契約年数:8年
金額:$184MM(約218億円→契約当時は約224億円)
→年単位$23MM(約27億円)
●単年当たりの年俸(~2021年までは確定値)
2016年:$21.66MM
2017年:$28.16MM
2018年:$28.16MM
‐‐-オプトアウト(以降、550打席到達でオプトアウト可能)---
2019年:$22.5MM
2020年:$23.5MM
2021年:$23.5MM
2022年:$24.5MM
2023年:$24.5MM
●オプション
・$20MM(約23億円)のサインボーナス
→2024~2027年の4年間で、4月に$5MM(約5.9億円)を受け取る
→オプトアウトの場合は即刻全額お支払い
・2016~2018年は29球団へのトレード拒否権
→2019~2020年は一部球団へのトレード拒否権

出典:https://www.spotrac.com/mlb/chicago-cubs/jason-heyward-7231/

2015年オフに8年総額$184MMという大型契約を結んでおり、契約当時は走攻守が揃った新たな外野手のスター候補生といった評価をされており、故ハンク・アーロン氏も大きな期待を寄せていた選手でした。
しかし蓋を開けてみれば主に打撃面で思った成績が残せず、ここまで6年間で稼いだbWARは9.6fWARは8.1で、過去12シーズンで稼いだbWAR39.4fWAR33.1の約25%程度の活躍に留まり、期待値を大きく下回ってしまったと言えるでしょう。

ヘイワードはもとより守備面での評価が非常に高く16、17年と2年連続でGG受賞、どちらかといえば打撃面は当時から疑問視されていました。それでもヒッターズパークである本拠地のリグレー・フィールドでその心配は杞憂に終わると楽観視される声も一部からはあがっていたようで、FAイヤーの成績(2015年カージナルス)を見る.293/.359/.439/13HR限り、ピッチャーズパークのブッシュ・スタジアムでもこれだけの成績を残していれば大丈夫だろうと考えてしまうのも無理はないかなあと思います。

フロント陣もこの契約の失敗は痛感しているはずなので、もしかしたら鈴木選手との契約を締結させる際に考慮した部分はあるかもしれません。

福留孝介外野手の契約との比較及び鈴木選手の詳細契約に関する予想

カブスにはかつて同じ日本人外野手の福留孝介選手が在籍していました。現状ではよく比較されている選手と認識しています。

福留外野手の契約内容(カブス時代)
契約年数:4年
金額:$48MM(約57億円→契約当時は約53億円)
→年単位$12MM(約14億円→契約当時は約13億円以上)
●単年あたりの年俸
2008年:$7MM
2009年:$12.5MM
2010年:$14MM
2011年:$13.725MM(途中インディアンスにトレード)
●オプション
・$4MMのサインボーナス
→毎年$1MMずつ加算
・トレード拒否権の付与
・毎年8枚日本-シカゴ往復航空券を付与
・2011年11月15日までに残留か放出かを決定させる条項付き

出典:https://www.baseballprospectus.com/player/35695/kosuke-fukudome/

当時単年あたり$12MMは、イチロー氏や松井秀喜氏のメジャー初年度の年俸を上回る史上最高額であり、その前年に地区優勝を果たしていたチームがおよそ100ぶりのWS制覇のラストピースとして獲得したのがこの福留外野手です。

余談ですが、カブス時代の福留選手は「偶然だぞ」の印象が強い方も多いと思います。しかし2008年の開幕戦では当時メジャー屈指のクローザーの1人であったエリック・ガニエ投手から9回に同点3ランホームランを放った勢いそのままに4月を好成績で終え、その年のオールスターにも選出される活躍を見せました。しかしその後はインコースのファストボールに対応しきれなかったり、毎年4月は好成績を収めてもそれが長続きせず、終盤では守備固めに回る機会が多かったことを考えれば、この契約は少々割高だった印象は拭えません。

鈴木選手と福留選手の共通点でいえば、

➀トレード拒否権の付与
②単年あたりの年俸が日本人野手史上最高額(鈴木選手の場合は初年度契約そのものが日本人史上最高額ですが…)
➂両選手を迎え入れる体制が整っていた
④年俸のエスカレーション
⑤サインボーナスが毎年あたり$1MM

になります。トレード拒否権の付与はおそらくオプトアウト条項が付いていない可能性が高いとみて良いのではないでしょうか(ついていませんでした)

逆に相違点で言えば

➀入団時のチーム状況が正反対
②契約が一回り鈴木選手の方が大きい

という部分が挙げられるかなあと思います。WS制覇へのラストピースとして入団した福留選手、チームの軸としての期待をされて入団する鈴木選手といった違いですかね。

鈴木選手のディールモデル予想

鈴木選手の契約はMLBのインサイダーの間でも総年俸が$70MM~$85MMで変動が見られたので、おそらく

ベースサラリー:$70MM(単年あたり$14MM)
残り$15MM:サインボーナス、インセンティブ等

出典:イサシキの頭の中

という形の契約になるのではないでしょうか。

単年ごとの年俸は2パターンに分かれると思っていて、

➀可能性:★★★☆☆
福留選手同様1年毎に年俸をエスカレートさせ、MLBレベルに慣れてくるであろう後半の年俸を$18MM~$20MM近くにさせて活躍とリンクできるようにする。サインボーナスが5年合計で$5MM程度(福留選手と同じ金額)付与され、残り$10MMで細かいインセンティブの設定が行われる。
②可能性:★★☆☆☆
数年後のコンテンドを見据えて契約初年度と2年目にベースサラリーの半分以上を年俸として支払い、3年目以降で過度なペイロール圧迫を防ぐと共にインセンティブで年俸を嵩増しさせる。サインボーナスは➀と同等程度。

出典:無茶苦茶理論でお馴染みのイサシキの頭n(ry

と、いかにも素人が考えそうなめちゃくちゃな予想ですが、ストレートに単年$15MM前後の年俸で5年契約を結ぶとは思えないので、詳細情報待ちになります。

(追記)
私が予想していた①と近しい契約になりました。おそらくモデルケースになったのは福留選手のディールでしょう。
ベースサラリーが$80MM、サインボーナスが$5MMということで、インセンティブが組み込まれていない分、同じく広島東洋カープからメジャー移籍した前田健太投手(ドジャース移籍時)のようにインセンティブ増し増しありきな契約ではなかったので一安心しました。
それだけ鈴木選手を本気で野手の中心選手にしようということでしょうか。

ファーストインプレッション

まずは野手の大型補強が鈴木誠也だったということに少々驚きました。今オフはヤンキースからクリント・フレイジャーやガーディアンズからハロルド・ラミレスを獲得して外野手のスタメン競争を促していた&同世代の外野手(MiLB含め)がやや飽和気味していたように思ったからです。

おそらく契約規模からみても数年後のカブスにおける打の柱としての期待を背負っているものと感じました。また、オーナーが強豪サッカークラブのチェルシーを買ってしまうほどの潤沢な資金を有するチームですので、おそらく鈴木選手の契約1つだけで財政を圧迫することはないと思います。てかそれやれるんだったら数年前からケチらずにカネ使えや

一部では「MLB経験のない鈴木に対して払い過ぎだし、過大評価されてんじゃないの?」という声も挙がっているようですが、私はその契約の全体像が見えてこないと何ともとしか言えません過大評価とは思いません
確かにその事実にギャンブル的要素を感じる方がいるのもわかりますが、鈴木選手に関してはそこまで心配するほど活躍できないとは思えません。その理由はまたのカブスラジオとかで…。
そして何が何でも今すぐコンテンドしようとしているチームでもないので、過度な期待やプレッシャーのかかることない環境でスタートを切れるのは大きいと思いますし、メジャーに慣れるという点では良い環境ではないかとも感じています。

既にご存じの方も多くいらっしゃるかと思いますが、カブスは昨夏にアンソニー・リゾ、クリス・ブライアント、ハビアー・バイエズらを放出して一度チーム解体をしましたが、このオフにはマーカス・ストローマンらを補強して新しいカブスとして生まれ変わろうとしています。でもやっぱり上記3人がいるときに鈴木誠也を見たかった…というのも本音です。

セカンドインプレッション

出典:https://twitter.com/Cubs/status/1504868044190978068?s=20&t=qIqiN0zZjyTLbLdt2CbuAA

ついにカブスからも契約合意の公式発表がされて、晴れて鈴木選手はカブスの一員になりました。

追記の部分にも書きましたが、数年後のコンテンドに向け、非常に大きな期待を背負って入団することになると思います。

ディールを見ると、やはりメジャーに慣れる3年目以降という部分での活躍を特に期待されているでしょう。既に現地メディアはヘイワードがCFの練習を始めているとも報じていたり、カブスの監督であるデビット・ロスも決してRFに関してこだわらせるだけではなく、内外野で複数ポジションを守らせる構造もあるようで、カブスの鈴木選手に対する期待の高さがわかる内容になっています。

日米から注目される選手として、ぜひ良い結果を期待しています!

今回もお読みいただきましてありがとうございました。

<アナウンス>
昨日緊急で行われたTwitterでのスペース「カブスラジオ」内でもアナウンスがありましたが、また3月末に戦力分析等を行う予定でいます。近日中に正式なアナウンスを致しますので、ぜひお聴きください!



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