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私と妄想とハウル

ハウル

本作の主人公。「美女の心臓を食べてしまう」と町で噂されている、魔法使いの美青年。
サリマン曰く、後継者としての期待も掛けられる程に素晴らしい才能を持つ魔法使いだったが、その実態は見栄っ張りで弱虫であるなど精神的に未熟な面が目立っていた。その為、ジェンキンスやペンドラゴン等の様々な偽名を使い分けては嫌な事から逃げ回る暮らしを送っていたが、ソフィーらとの生活を通じて人間的に成長する。カルシファーとは、心臓を与える契約で自身の魔力を高めさせ、城に縛り付けて使役すると同時に、生死を共にしてもいる。が、悪魔との契約の力は使い続けると「元に戻れなくなる」ような危険なものであり、サリマンは魔王になる可能性を指摘している。花園の隠れ処を残してくれた、同じく魔法使いの叔父がいたらしいが、既に亡くなっている模様。
序盤では金髪だが、ソフィーの掃除による手違いで魔法が解けて黒髪になってしまい当初は落ち込んでいたが、立ち直ってからは気に入ってそのままにしている。瞳の色は青。戦場へ飛び立つ際は、人面の黒い巨大なツバメのような魔物へ変じる。
原作では異世界(現実世界における英国)に別に家族を持つが、本作には未登場。また、性格がより一層掴み所が無い者として描かれていた。(Wikipediaより)

出会い

出会いは2004年、公開年だ。子供の頃、ジブリやディズニーなどの映画はとりあえず都会の祖母が妹たちと一緒に連れて行ってくれていた。その映画館で出会ったのが彼だ。

それまで見てきたジブリの男といえば、わんぱく、冒険好き、クールな感じでも「少年」だった。しかしどうだろう、とてつもなく美しいお兄さんが出てきたではないか。これディズニー映画じゃないよね?みたいに思ったのをよく覚えている。優雅な立ち振る舞いに、綺麗な言葉遣い。

推しにならない訳が無い。

私とハウル

私は魔女。数年前に一人前になったばかりで、今は海沿いの街を目指して箒で移動中だ。私は箒に乗るとあの日々を思い出す。

あの日も私は箒で夜の街を飛んでいた。着いたら何を食べよう、なんて考えながらよそ見をしていた私は突然、何かに激突してしまった。それがあの「ハウルの動く城」だったのだ。美女の心臓を食べるとか、そんな噂を聞いていた私はすぐに脱出を試みるが箒が完全に折れていた。もうだめだ。そんな時、近くのドアから声が聞こえる。

「おやおや、こんな時間にお客様かな。」

ハウルだった。彼は魔法で私を招き入れ、私の心臓を食べなかった。驚いたことに、箒が治るまで城にいていいとまで言ってくれた。ちょうど私の目指している街の近くを通過する予定だったこともあって、お言葉に甘えることにした。

彼の城の中は意外にもかなり散らかっていた。でも私には小さな新しい部屋を用意してくれた。その城に居候するにあたって守るルールは4つ。勝手に物を動かさないこと、予め許可されたドアしか使わないこと、カルシファーの炎を絶やさないこと、彼の部屋に入らないこと。彼が城にいることは少なくて、大抵は弟子のマルクルと買い出しに行ったりして過ごしていた。

出発の日、彼は私をベランダに呼んで手を取った。すると彼が魔法を使ったようで、私たちの体がふわりと浮く。

「一緒に踊ってくれないかな。近々こうしたい女性がいてね、居候のお礼に練習に付き合って欲しいんだ。」

「よろこんで。」


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