さようなら全てのクーロンズ・ボール・パレード

皆さんは少年ジャンプ連載の歴史に燦然と輝く一等星、クーロンズ・ボール・パレードをご存知でしょうか。

残念ながら既に連載は終了してしまいましたが、現在ジャンプ+に特別編が公開されています。前後編の2部構成からなり、先週10/5に前編、本日10/12に後編がそれぞれ公開されました。


前編のあらすじ
好投を続けていた黒龍山高校のエースピッチャー・龍堂だったが、打球を受けるアクシデントによりこれ以降の投球が不可能に。ピッチャーの代わりがいない黒龍山のピンチに、自信家の遊撃手・椿が代わりのピッチャーとして名乗り出るのであった……

前回のあらすじを見て、「代わりに入った椿がなんだかんだ好投するけど終盤打線に捕まって、最後はもう一回ピッチャーに交代した龍堂が抑えるんでしょ?」とか、「結局9回に4番の一打で大逆転勝利なんじゃない?」のようなありがちな展開を思い浮かべる人もいるかもしれません。そう思った方こそ是非、後編を読んでいただきたいです。


……読みましたか?はい、実際そうなります。

ビックリしました。こんなに思ってた通りに話が進むことってあるんですね。

誤解しないでほしいのは、僕はこういうやってほしい展開を誠実に描いてくれる所がクーロンズ・ボール・パレードの良さだと思っています。一見ベタとも取れる、皆が思う展開を作品の形で提供することは実は凄いことではないでしょうか。ヒロインが曲がり角でイケメンとぶつかる少女漫画の名前を僕は答えられませんが、廃部同然の野球部をはぐれ者集団で立て直して、9回に4番の一振りで優勝を決める野球漫画の作品名はハッキリ答えられます。そういう、ある種集合知のような展開を作品の中でちゃんとやってくれるところにとても安心感を覚えます。

本作は少年ジャンプでの連載を終え、今回の特別番外編の公開をもって本当に連載終了という感じがします。寂しくなりますが作者の鎌田先生・福井先生の次回作を心よりお待ちしています。昨今では珍しい、王道をつらぬく良い野球漫画でした。


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でもこんな終わり方まで打ち切り漫画のベタな感じ出さなくてもよくない???

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