見出し画像

NZ留学体験記③クイーンズタウン旅行編

 2024年3月9,10日に、ダニーデンからバスで5時間ほどの内陸部にある、有名なリゾートタウンであるクイーンズタウンに1泊2日の旅行に行った。雄大な自然と美しい街並みを満喫できたのはもちろん、そこでの様々な人との出会いと自身の成長という意味でも濃い思い出になったので、その記録を残しておく。

到着早々のスカイダイビング!(1日目)

 なんといっても最大のイベントは、人生初のスカイダイビングに挑戦したこと!クイーンズタウンは「アクティビティの天国」ともいわれるほど様々なスリリングな体験ができる場所として有名なので、何かしらはやろうと思っていた。そこでせっかくだし空を飛んで自然を一望できるスカイダイビングをしようとなった。

 選んだ高さは9000feet (約2.7km)でオプションの中では最低(最高は15000feet!)。それでも最大時速200km/hの約20秒のfreefall (自由落下)がある。また一生に一度の機会ということで動画記録のオプションもつけてみた(約2万円!)。直前直後インタビュー付きで、初めて英語インタビューを受けた。また思った以上に事前説明が軽くて安全性が少し心配になるくらいだった。「freefallのときはバナナのように全身反った形になること」、「着陸するときは充分足を上げること」の2点しか言われず、「はいヘリに乗ってください」と淡々していた()。ヘリに乗っているとき考えていたことは、

  • さすがになんかのアクシデントでここで死ぬことはないでしょという確信

  • 万が一ここで死んだら人生あまりにもやり残していることが多いわ

  • 私が今できることはただMike(インストラクター)を信じることだけだ

ぐんぐんと高度を上げ、視界が広がっていく。これから飛ぶんだという実感が湧いてきて緊張してきた。時折Mikeが声かけしてくれて少しは安心した。

ヘリから

 そうこうしているうちに9000feetに達し、ヘリの窓がガガッと開く。なんとも驚いたことに、すぐに淡々と(まるで流れ作業のように!)窓の近くの人から飛び降りていく。目の前で他人がヘリからこぼれ落ちるように姿を消していく。これを見るのが、自分が落ちた時よりも怖かったかもしれない。心臓がヒヤッとする怖さ。

 いよいよ自分の番が来た。ヘリの外に足を出し、機体にくっつける。さすが上空でビュービューと強風が吹き付け体が飛ばされそうだ。ぐっと踏ん張り、上半身をMikeの胸にくっつけて体勢を整える。と思った瞬間!!
 落ちた。
3,2,1のカウントダウンもなく。気づいたら自由落下が始まっていたのだ。ものすごいスピードで落下する。と同時に空気抵抗、強風、凍りつくような寒さ(素手)、口の中に空気が押し込められ、お口パクパク息ができない。「やばいやばいやばい」と完全に語彙力を失っていた。数秒経ったら両手を上げバナナポーズをとらねばならないのだが、何度肩を強くたたかれても全く気が付かず、4回目くらいにようやくハッとした。間もなくパラシュートが開いて一気にスピードがゆるむ。ここまでほんの数十秒の出来事だった。

 その後は見渡す限りの山と湖を眺めながらゆっくり降りていく。とても美しい。しかし同時に身体的にきつい。締め付けられて息苦しい。「苦しい」とMikeに言おうとしたが言葉が出てこなかった。着陸前、何度か高度を一気に下げるタイミングがあり、グァン!と下がったとき、気圧の急変と体がぐっと横に傾いたことで乗り物酔いをしたような気持ち悪さがあった。とにかく早く着陸したい...と思っていた。

 骨折しないようなるべく足を高く上げ地面に平行になるようにする。2人のスタッフさんがぐっとロープを引っ張ってくれ、無事着陸。ああ、無事に戻ってこれてよかった。と同時に一旦どこかで横になりたい...。

 すぐ解放されると思いきや、そうだ直後インタビューがあった(泣)。私はまだ息がしづらい状況でハアハアと胸を押さえずにはいられなかったのだが、カメラの前では満面の笑みで、胸を押さえるくらい感動感激した人みたいに映っていたと思う(笑)。インタビューも無事終わって、Mikeにお礼を言って、着替えて、やっと終わった。

ひょえ〜〜 

 スカイダイビングを振り返って、我ながらよく一人で飛んできたな~~と思う。友達と一緒に行ったわけでもなく、自分以外に誰も日本人がいない状況で、英語の指示だけで初めて飛んだ。また、実のところ私はぜん息もちで呼吸器系が強くないのに後先考えず申し込んでしまっていた。(誓約書には面倒くさそうなので「疾患無し」と選択してしまっていたため、何かあっても完全に自己責任だった)

 素晴らしい景色に感動する気持ちと、体調の明らかな異変に対する焦りの気持ちがごちゃごちゃに混じった「やばい」経験だったが、今となってはすべてが自分を強くしたと信じて満足している。この経験からの学びとしては、今回はぎり大丈夫だったが、今後もし他の大胆なアクティビティをするときは、もっとしっかりリスクを予め把握し、もしもの場合の対応策を自分で伝えられるようにするということ。当たり前だけど重要!!
次はバンジーかな。

▼スカイダイビングの動画

(一応付記しておくと、他にスカイダイビングをした友達の話によれば、全然息苦しいとかなく意外と普通だったと言っていたので、私がちょっと特殊だったのかもしれない。体が元気な人なら存分に楽しめるのだろう)

韓国人2人組との出会い

 着替え終わったときに、一緒のヘリから飛び降りた韓国人2人組が声をかけてくれて、スカイダイビングの感想を言い合った。その流れでその日の夜ごはんに誘ってくれて、もともと約束していた友達と一緒にみんなで食べることになった。

 再集合する時間まで1.5時間位あったので、私はとにかく横になれる場所を探していた。依然として若干の呼吸困難で背中を丸めて街を一人で歩いていたので、周りからは明らかに体調悪い人に見えていたと思う。Queenstown Gardens(大きい公園)に入り、通路沿いの木の下、湖のほとりの芝生に横になって休息をとった。ちなみにニュージーランドでは街中でも芝生に寝っ転がることは普通で、昼寝大好き人間の私にとっては最高だった。青空の下でぽかぽかと、人々の会話の心地よい音を耳にしながら、スカイダイビングをやり遂げた体を癒した。

 目が覚めるともう集合時間。みんなと合流し4人で韓国料理店に行った。その韓国人二人が色々おすすめを教えてくれて、トッポギ、チキン、スープを頼んでみんなでシェアすることになった。

疲れた体に肉はうまい

 彼らはオーストラリアのシドニーでワーホリ中で、1週間程度ニュージーランドを旅行しているのだそう。夜ごはんを食べながら彼らと色々な話をして本当に楽しかった。ライトなトピックからディープでセンシティブな話題まで沢山、「韓国ではこうだよ」「日本ではこうだよ」とそれぞれ話して共通点や相違点を見つけられたし、ニュージーランドの暮らしに対する感想が似ていて日本と韓国社会の文化的価値観の近さを実感した。(NZのゆったりした暮らし、人々の夜がめちゃ早い⇔日韓の都会でのあくせく働く日々、真夜中まで元気・うるさい街など)

 また、社会問題や歴史問題についても少し話せて興味深かった。北朝鮮のこと、韓国の兵役義務のこと、戦争教育などについて質問したが、とてもオープンに率直に話してくれて色々リアルな話が聞けて貴重だった。韓国料理もすごくおいしくて、「気に入ってくれたら嬉しいな」と言って沢山食べさせてくれて大満足!

 夜ごはんを食べた後、パブに行って飲もうという話になったが、誠に悔やまれることに私がパスポートを所持していなかったため、パブに入ることができなかった(泣)。ニュージーランドは飲酒提供にかなり厳しく、原本パスポートが唯一の年齢確認ができる証明書で、他の健康保険証も運転免許証もダメだった。なんとか!とお店の人に交渉するも、無理と言われてしまった。もともとお酒を飲むつもりがなくダニーデンにパスポートをおいてきてしまっていた。これは今後の教訓だ。韓国人の2人は既にお酒をオーダーしてお金を払っており、彼らにはとても申し訳なかった。でも「しょうがないから全然謝ることじゃないよ」と言ってくれて一杯をさっと飲んで、外でまたすぐに合流してくれた。

 その後はpatagoniaという有名なアイスクリーム屋に行き、ワカティプ湖のほとりのストリートピアノの演奏を聞きながら巨大なアイスを頬張った。その後店内に入ってまた色々話していた。

 気づけばもう22:30になっていた。あっという間。ここでお別れすることになった。帰り道、クイーンズタウンでの偶然の出会いに感謝しながら、お互いの国に行ったときに再会して案内し合おうという話になり、また一つ楽しみが増えた。本当にいい人たちに会えて、沢山話せて充実した夜だった。街の中心部から出るとあたりはすっかり暗くなっていた。ふと上を見上げると、星空が広がっていた。 

夜のクイーンズタウン

まさかの荷物なしの夜

 長い1日を終えて疲れた~と寝る気満々でいたその時、私は重大なミスをしでかしていたことに気が付いた。
 荷物が部屋にない!!
受付に預けっぱなしのままスカイダイビングに向かってしまったのだ。無論受付は既に閉まっていて誰もいない。慌てて受付ドアに張られた緊急連絡の電話をかけるも全く意味がなかった。泣く泣く諦めてそのまま寝るしかなかった。泊まりのために持ってきた荷物が何一つ使えない。着替え、洗顔、コンタクト、歯ブラシ、充電器...。スカイダイビングして野原で寝そべった汚れた体を洗うこともできず、ジーパンをはいたまま歯も磨かず寝るしかなかった泣。案の定あまり眠れなかった。

 まあ完全に自業自得だったので仕方なかったし、今思えばベッドがあるだけ良かった。もし部屋にも入れなかったら完全に終わっていた。野宿する羽目にならなかっただけよかったよね。今後似たことがあっても動じないということでよしとしよう。

早朝からチョデカハンバーガー(2日目)

 昨夜の荷物ハプニングによって全然ぐっすり眠れなかったが、せっかくのクイーンズタウンの時間を無駄にはできまいと2日目もアクティブに動くことにした。早起きしてすぐロッジを出て朝日を見に湖に向かった。ほとんど人のいない静かな湖のほとりでぼーっと迎える朝は心地よかった。 

朝のワカティプ湖

 その後、クイーンズタウンの名物ハンバーガー屋(Fergburger)に開店と同時に入った(日中は長蛇の列)。朝からめちゃくちゃ大きい1500円ほどのハンバーガー(“Morning Glory”)を注文した。そこで、あるアメリカ人と知り合った。たまたま目が合ったので話しかけてみたらとても快く話してくれた!彼はカリフォルニア出身で一人でニュージーランドの色々なところをトレッキングしているのだそう。とても陽気でアクティブな方で、昨日私が一人でスカイダイビングしたことを”Well done! I’m proud of you!!”といって褒めてくれた。とっても素敵な朝を迎えられて嬉しかった。

カリフォルニアのおじいちゃんと

クルーズ船のピアノ

 その後は、ワカティプ湖のクルーズ船に乗りに行った。蒸気で動く二階構造の中型船で、高級感のあるデザインでテンションが上がった。その中になんとグランドピアノがあった!これは弾くほかないと思い、何曲か弾いてみた(実のところよく見るとグランドピアノの鍵盤がぶち抜かれてそこに電子ピアノがはめ込まれていた。オイ)そして弾き終わったときに周りの観光客から”Bravo~!”と拍手をもらえて一瞬ピアニストになった気分だった(笑)!周りにいたほとんどが中国人観光客で、いつもは自分が話しかける側だったが今回は話しかけられる側だった。ピアノを通して新たなコミュニケーションが生まれたと思うとピアノ弾けて良かったなぁと思った。

日本の曲のリクエストもされた
ワカティプ湖

 その後はバスに乗ってアロータウンという内陸の小さな金鉱の町に行き、クイーンズタウンに戻って美術展を見たり街中や公園をぶらぶら散歩してゆっくりしていた。(クルーズ船であった中国人2人組に偶然1日の中で4回もあって仲良くなるなど)

公園内を散歩

まとめ

 私にとってこのクイーンズタウン旅行は、挑戦と出会いに満ちた、まさに冒険だった。すべての経験が私の視野を広げ、成長させてくれたと思う。またいつか戻ってきたいな。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?