【ニュース】セブン&アイ社長、ヨーカ堂とヨーク「23年内にも統合」(20230426)
セブン&アイはグループ内の総合スーパー、イトーヨーカ堂と食品スーパー、ヨークを2023年内にも統合する。商品開発や事業管理を一元化してコストを削減、首都圏のスーパー事業を26年2月期までに黒字転換させる。セブン&アイには物言う株主がヨーカ堂の売却など構造改革を迫っている。コンビニエンスストア事業との相乗効果を高め、物言う株主の要求に対抗する。
セブン&アイの井阪隆一社長が日本経済新聞の取材で明らかにした。グループ内で首都圏のスーパー事業を統合・再編する方針は打ち出していた。まずヨーカ堂とヨークで本社機能や商品本部を集約し、物流やシステムも統合することで固定費などのコスト削減効果を狙う。
ヨーカ堂は25年度までに直営のアパレル事業から完全撤退する。不採算事業から手を引き、化粧品や冷凍食品の売り場を広げる。地域住民のニーズを踏まえ順次改装する。店舗改装で集客力を高めつつ、いまは各社ごとの調理工程などを共通化し、運営を効率化する。
8月には神奈川県内でネット販売専用の大型施設を立ち上げる。仕分けがしきれず配車できないなどで注文の4割ほどを断っていたなか、ヨーカ堂のネット販売を強化する。顧客の購買動向の変化に対応し、従来取りこぼしていた需要を掘り起こす。
セブン&アイは一連の改革を通じ、ヨーカ堂を含めた首都圏のスーパー事業を今後3年間で黒字転換させる計画である。26年2月期に償却前利益で550億円を目指す。中核のコンビニエンスストア事業とともに食を中心とした成長戦略を描いていく。
投資ファンドの米バリューアクト・キャピタルはセブン&アイに対し、ヨーカ堂の売却を求めている。セブン&アイは世界戦略を進める上でスーパー事業の知見は必要不可欠との考えだ。井阪氏は一つの事例として「プライベートブランド『セブンプレミアム』の開発はスーパー出身者で支えられている」と説明。コンビニ事業が世界展開を続けるために「食」がカギを握るとするなか、スーパー事業との相乗効果を強調する。
セブン&アイは25日、井阪氏ら4人の実質的な退任やコンビニ事業の分離を主張するバリューアクトに対し、「根拠無き批判は、本質的な戦略推進に関する議論を妨害する」などとする反論文を公開した。井阪氏は5月25日の株主総会に向け、「スーパー事業を切り離すと成長が滞ることを証拠を示して説明していきたい」と話す。同社が進める構造改革への理解を既存株主に求めていく考えだ。
自宅に一番近く、よく利用するのがセブンイレブンである。
総合スーパーと食品スーパー、またコンビニエンスストアという多くの事業を持つセブン&アイだからこそ出来る「食」の面での戦略だと思う。
今後どのように進んでいくか楽しみである。
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