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レコード棚を総浚い #42:『Booker T.&Priscilla / Booker T.&Priscilla』

ブッカー・T・ジョーンズとリタ・クーリッジの実姉プリシラ・ジョーンズによる1971年リリースのカップルアルバム。

ちょっと変わった仕様で、当時あったオートチェンジャー付きのプレーヤーで演奏する前提で、1面の裏が4面、2面の裏が3面となっている。

冒頭、ブッカーTのオルガンと渋いノドが冴えわたるスワンプ・ロックナンバーで幕を開けると、矢継ぎ早にグラム・パーソンズの大名曲『SHE』が、ブッカーTとプリシラのデュエットで歌われる。

以降、ゴスペル色の強いプリシラの歌唱がメインとなっていくが、アルバム全体から立ち上るスワンプ・ロックの芳香は、3曲に参加したジェシ・エド・デイヴィスのギターの匂いか。

このアルバムとの出会いは、『いとしのレイラ』であった。

当時プリシラの妹リタ・クーリッジのボーイフレンドであったジム・ゴードンは、リタと作っていた『TIME』という楽曲をスタジオで弾いていたところ、これを『いとしのレイラ』に接合するアイディアを思いついたクラプトンに説得され、楽曲を提供した。が、リタの名前はクレジットされず、それに憤慨したブッカーTと姉のプリシラが自らのカップルアルバム第3弾『Chronicles』に『TIME』を収録したという。

こんなエピソードを聞いては、『Chronicles』を聴きたくなってしまうのがクラプトン・ファンというものだろう。しかし探せども探せども『Chronicles』は入手できなかった。そして、この探索の旅の途中で、この『Booker T.&Priscilla』に出会った。
スワンプ・ロックの(まさに)沼にハマるきっかけの一枚であった。


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