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レコード棚を総浚い #34:『Bobby Caldwell / Bobby Caldwell(イブニング・スキャンダル)』

ご存知AORの代表選手ボビー・コールドウェル1978年のデビュー・アルバム。

見慣れないレーベルだが、このT.K.Recordsは80年に倒産しているんだそうで、ボビー・コールドウェルも充分なプローモーションが出来ず、本国での人気が高いとは言えない。それでもこのアルバム収録の代表曲『WHAT YOU WON'T DO FOR LOVE(風のシルエット)』くらいは耳にしたことがあるだろう。

一般に思い浮かべるAORというジャンルの鋳型のような楽曲だ。

AORという略語は、Album Oriented Rockという文脈で語られる時と、Adult Oriented Rockの文脈で語られる時があるが、どちらにしてもその嚆矢はボズ・スキャッグスの『スロー・ダンサー』やスティーリー・ダンの『プレッツェル・ロジック』が出た1974年あたりに求められる気がする。
そして、このボビー・コールドウェルが出てきた1978年にボズ・スキャッグス不朽の名盤『シルク・ディグリーズ』がリリースされ、AORは完全にロック・ミュージックの新しい潮流の一つとして確定する。

そして1988年、長いブランクを終えようとしていたボズ・スキャッグスに名曲『ハート・オブ・マイン』を提供して、カムバックをサポートする。

この楽曲はボビー・コールドウェル自身も歌って、90年代パーラメントというオシャレ系のタバコのCMに使われ、ボビー・コールドウェルというシンガー・ソングライターに一般的な知名度をもたらした。


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