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アメリカの読書環境 学校Cでの取り組み

アメリカで私と子供たちが経験した読書環境を紹介します。

学校Cでの読書の取り組み

学校Cは、通常の公立校ではなく、チャータースクールです。教育の重要性、今の学校のあり方に問題意識を持った創業者が創立しました。あえてこの学校を選んでいる先生と家庭なので、皆、教育熱心だったのが印象的でした。

●教室文庫
さて、学校Cにも、学級文庫があります。他の学校では指定されたレベルの本から、子供が自由に本を選んで読んでいましたが、学校Cでは本を選ぶルールがありました。月曜日にその週に読む本を選びます。そのとき、自分のレベルの本の中の、フィクション2冊、ノンフィクション2冊、本係が選んだ1冊、合計5冊を借ります。(本係は、日本の子供の係と同じ位置づけです。)いずれも、読む本が偏らないように決めてあるルールとのことでした。そして金曜日の帰宅前に本を返却するというルーティンでした。

この学校には、学校の図書館はありません。ちなみに、体育館もグランドもなし。一応体育の時間はあって、体育専用の教室でダンス、腕立て伏せや、ジャンプしたりしていたそうです。日本は恵まれたカリキュラムと設備がありますが、アメリカでは前述の学校は珍しいことではありません。

●読書の時間
学校で読み聞かせをしてくれる時間が定期的にありましたが、この学校には他の学年の先生が読み聞かせに来てくれる時間もありました。読んでくれたのは、学年+2くらいの難し目のチャプターブック。何日かに分けて本の朗読を聞くそうです。最後に本を原作した映画を見たこともあったと聞きました。長女は、ここで聞いた本も、読み聞かせをしてくれた先生も大好きになって、この本を買い何日もかけて読んでいました。単に読書としての価値だけでなく、子供が学校が大好きになり、学校全体で子供全員を伸ばす土台ができる価値ある取り組みだと感じています。

担任の先生による読み聞かせ、1人で読む時間、ペアで読む時間、グループで読む時間など、他は前述の学校と同じです。

●本に出てくるキャラクターの仮装をしての読書
年に1回、自分の好きなキャラクターの仮装をして、仮装をした子供がその本を保護者に読み聞かせするイベントがありました。全校生徒が廊下の両脇にずらっと並び、皆で本を読む姿は圧巻でした。もちろん1番気合を入れて仮装するのは先生たちです。先生は集中できない子供のケアをしつつ、テキストと目配せで合図を送りあい、クラス全体のフォローをしている姿から、普段から一人一人に目を配って指導してくださっている様子を窺い知ることができました。

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●読書目標
読書レベルが設定され、学年ごとに到達目標があるのは他の学校と同じですが、この学校では到達目標に達成できない場合には、問答無用で落第というルールがありました。次の学年に必要な読解力がなければ授業全部についていけないため、子供に学力を積み重ねていくために決められた措置です。私の周りではこれを好意的に受け止める人が多かったですが、落第を嫌がって落第措置のない学校に転校する家庭も一定数いました。

●お勧め本リスト
学校Cには、独自のお勧め本リストがありました。難しい本ばかりで下の学年の本でさえなかなか読めなかった。。こういう本を読めるようになってくださいという学校からのメッセージを感じました。

かなり個性的で、好みの分かれる学校です。我が家は、長女の英語力も学力もグンと伸ばしてくださった学校に心から感謝しています。

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