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働くということ・1

短大卒業後、系列大学の4年次に編入したのは働きたくなかったからだ。
4年次編入後は居酒屋とデモンストレーターの週7バイト三昧で仕送りもあり、かなり裕福だった。今はセンスのないCMを流している人材派遣会社も当時はそんなに大きくなくて、卒業後手取り30万円確約するからSVにならないか?と地域統括から声をかけてもらったりしたけれど、それでも就職するのとは違う気がしてなかなか就活に踏みきれなかった。

わたしが就活をはじめたきっかけは2つある。
一つは研究室の教授がいい加減真面目に就活しろ!と2つ3つの就職先の候補を突きつけてきたから。
もう一つは、当時親しくしてくれていたひとが「会社っていろんなひとがいて、それぞれに得意なことや苦手なことがあって、みんなでそれを補いあって成立する場所だからそんなに気にしなくていいとおもうよ」と言ってくれたから。
わたしは自分の社会性の無さを自覚していたから組織の一員として働くことに大きな不安と抵抗があった。
このふたりがいなかったらどうなっていたのか…。

両親は就職についてはなにも言わず、なにも聞かずにいてくれた。
就職先が決まったとき、ここで働くことになりました。とだけ報告したけど、ほんとうはききたいことがたくさんあったのだとおもう。

わたしが就職した年にハハが病気になった。

その時、親はいつまで親なんだろうと考えた。
生物としては子ができた時点で親となるから、子が子をもった時点で親のつとめは終わるのかとおもうけれど、子が子をもたない場合、親はいつまで親なんだろう…と。

そこでわたしが出した結論は
一丁前に稼いで経済的に独立した存在になること
だった。

ここでわたしが働く理由が生まれた。

良い社員や良い部下ではないかもしれないけれど、ひと1人が食っていけるだけの安定した収入が得られるようになったから、両親には親業を卒業してもらえるのではないかと考えていた。

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