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進垣リナ選手の戦績(2AW)

はじめに(読み飛ばし可)

少し前に話題になった、ビッグデータという言葉をご存知だろうか。

ビッグデータ とは、組織が非常に大きなデータセットとそれらが保存されている施設を作成、操作、および管理できるようにするすべての技術を指す。一般的なデータ管理・処理ソフトウエアで扱うことが困難なほど巨大で複雑なデータの集合を表す用語である。
ビッグデータを取り巻く課題の範囲は、情報の収集、取捨選択、保管、検索、共有、転送、解析、可視化等多岐にわたる。これら課題を克服しビッグデータの傾向をつかむことで「ビジネスに使える発見、疾病予防、犯罪防止、リアルタイムの道路交通状況判断」に繋がる可能性がある。

ウィキペディア ”ビッグデータ”より

とまぁ、たくさんのデータを使って役に立てよう、という理解をすればよいだろうか。とても普通の話になってしまうが。
2010年代に流行った言葉らしいが、それにしてはビッグなデータなんて古臭い単語の組み合わせであまり先進的なイメージがないなぁ、などと思ったものだ(あまり知らない言葉を使われるのも好かないが)。もしや、これが流行は繰り返す、ということだったのだろうか。

そんなことはさておき、千葉密着・発信型プロレス団体2AW(Active Advance Pro Wrestling)にもビッグデータがある。試合結果だ。公式サイトには前身団体KAIENTAI DOJOも含めた、2014年から実に丸8年以上にも渡る試合結果が掲載されている。
一番古いデータは2014年1月5日(日)のKAIENTAI DOJO 新春 戦い初め2014である。中を見てみると、ユーマ24さんが雄馬さんであり、吉野さんがまだデビュー前だ。トランザム★ヒロシさんは福田洋さんでユニオンプロレスに所属している。バンビさんがWNCという団体に所属している真琴さんと組んで、トマトキラーという技でトマトさんを降し、WEWハードコアタッグというどこに行ったのかわからないベルトを獲っている。実に歴史を感じるページだ。

ふと、ある一つの考えが頭の中をよぎった。一人の選手にスポットを当てて、その選手が生涯で何勝何敗だったのかを出せるのではないか、と。
ファイアーエムブレムというゲームがあった。クリアしたあとにキャラクターが何勝何敗だったかが表示されるのがあった。あれがやりたい。
そういうことになった。

しかし、アクセスできるデータは公式サイトのみである。知識があれば自動でサイトの情報を読み取り加工しやすいデータに変換することもできるだろうが、残念ながら自分はそちらの技術には疎い。ならばどうするか。手入力だ。手入力となると、そんなにたくさんのデータを扱うことは難しい。ならば現役期間が短い選手が良い。

そうして白羽の矢を立てたのが進垣リナ選手だ。
2018年4月22日に、新人女子レスラーらしからぬサブミッション主体というスタイルで鮮烈デビュー。そして3年7ヶ月という短い選手生活の後、2021年11月23日に惜しまれつつ引退した。
これは戦績を作るのにうってつけの選手だ。

というわけで、2AWの公式サイトから進垣リナ選手の試合を手入力でデータベース化した。とはいえその量は膨大で、入力していく中で何度も心が折れそうになった。結構入力したな〜、と思ったのにまだ2018年の入力すら終わってなかった時は本当に挫けそうだった。でも仕方ない、思いついちゃったんだもの。

そんな汗と涙の結晶であるデータベースから各種データと戦績をまとめたので発表する。

なお、先程ずらずらと選定理由を書いたが、すべて嘘である。本当の理由はシンプルに進垣さんが好きな選手だったからだ。

調査方法

調査は2AW公式サイトの試合結果に記載されている、進垣リナ選手の試合結果を集計した。

ただし、一部興行の順番が時系列通りでない箇所があり、データに抜けが発生したため、2AWブログから「試合結果」「進垣」で検索を行い、情報の補填を行った。

各種データ

戦績結果を出す前に、集計データから見えてきた各種データを発表する。

進垣リナ選手の試合数

まずは、進垣さんが生涯で何試合をしたのかを集計した。

試合数 209試合

※1興行で2試合あった場合は2つでカウント。
※再試合となった場合は別々にカウント。

3年7ヶ月の現役生活の中で209試合を行っている。単純計算で月に4.9試合になるため、大体週1強のペースで試合をしていた計算になる。ただし、怪我による欠場期間もあるため、実際の試合ペースはもう少し多くなる。
また、デビューからの年数別のグラフを以下に示す。

デビューからの年数毎の試合数
(デビュー日4/22を起算日とする)

徐々に試合数が減っているが、2年目は他団体に引っ張りだこになったため、2AWでの試合数が減っていたと考えられる。また、3年目は新型コロナウイルスの影響で興行自体が実施できていなかった期間がある。4年目は7ヶ月しかないので当然数が少ないのと、怪我(靭帯)による長期欠場も影響している。

進垣リナ選手の試合形式

進垣さんが行った試合形式の割合をグラフにしたものを以下に示す。

試合形式の割合

結果はタッグマッチ・シングルマッチ・6人タッグマッチで9割を超えた。対して3wayなどの特殊形式の試合は10%にも届かなかった。サムライTVでの3wayやハロウィンコスプレ4wayマッチなど印象的な試合もあったが、確かに通常のチーバトルで3wayをしていたイメージは薄い。というか、大体の選手はこのような割合になのではなかろうか。例外的に旭さんは3wayが多そうなので、旭さんの試合形式の割合を集計してみると面白そうだ。大変なのでやらないが。

進垣リナ選手のパートナー

ここではタッグ、6人タッグなどで進垣さんの隣に立った選手を取り上げる。各選手が進垣さんのタッグパートナーになった回数を集計した結果を表にまとめた。

進垣リナ選手のパートナーになった回数の順位表

※ピンクレディー・アヤは笹村あやめに含む。
※リッキー・スパロウはリッキー・フジに含む。
※セーラームーンはタンク永井に含む。

堂々の第1位は進垣さんの同期、笹村さんだった。3A(Active Advance Animals)としてW.W.W.D世界タッグも戴冠した名タッグと言えるだろう。
続く第2位は大ベテランのリッキーさんである。こちらも良く組んでいた印象が強い。親子のような、祖父と孫のような、そんな二人の関係が微笑ましいタッグだった。良くリッキーさんのことをジジイ呼ばわりしていたが。
第3位は女子部の先輩、バンビさん。女子部の高い壁でありつつも、組んで男子に挑む構図が多かった。
第4位は同日デビューの同期・花見さん、第5位のトマトさんと続く。この5人で全体の割合の半数を占める結果だった。
意外な人としては、真霜さんが挙げられる。こちらは千葉城プロレスで真霜・進垣・若松という不思議なタッグで闘っていた。十嶋さん、さとうさん、本田さん、遊馬さんとはユニットの都合か、一度も組んでいなかった。今の若手4人も、ナカさん、仁木さんとは組んでいない。

進垣リナ選手の対戦相手

ここでは進垣さんと対角に立った選手について取り上げる。対戦相手となった回数を集計した結果を表にまとめた。

進垣リナ選手と対戦した回数の順位表

※バトルロイヤルは参加者全員を1回ずつカウント。
※改名による名称変更や扮装による一時的に名称が異なる場合も同じ選手として1回にカウント。(例:花見ヒロト→花見達也)

総勢89名の選手と対戦をしていた。
そんな中で2位にダブルスコアの差をつけての第1位は笹村さんだった。組んでよし、戦ってよしの相手だということがわかる。
2位はバンビさん。女子部の高い壁として進垣さんの前に立ちはだかった。
3位はタンクさん、旭さん、トマトさんの3人が同率だった。タンクさんはその汗を巡る闘争、旭さんは毛を巡る闘争があったため納得だが、トマトさんは意外なようなそうでもないような。

なお、先程の内容を、シングルでの対戦相手に限定すると以下のようになる。

進垣リナ選手とシングルで対戦した回数の順位表

ここでも第1位は笹村さんだった。進垣さんとの名勝負数え歌とも言えるシリーズで、笹村さんは進垣さんのデビュー戦と引退試合の対戦相手でもある。バンビさんも納得の2位である。
なお、3位に藤田さん(3回)が食い込んでいるが、3回すべてが2021年11月12日(金)の2WFで行われた試合である。

進垣リナ選手の決め技

進垣さんが相手を仕留める際にどの技で相手に勝利したかを集計して、その割合を求めた。もしあなたが進垣さんと試合をすることになった場合、この技には十分に注意する必要がある。

進垣リナ選手の決め技

※2021年5月3日における[come on BABY リッキー・フジ スペシャル“4”wayマッチ]は決まり手が”敗者 リッキー・フジたち"となっており、なんだかわからないので計上していない。

第1位は進垣さんの代名詞とも言える技、SBTロックだった。相手の頭に足を引っ掛けた状態でくるんとしてなんやかんやあって相手の腕を極める進垣さんのオリジナル技だ。リッキーさんが進垣さんについて「決まれば抜け出せない技がある」といっていた技もSBTロックじゃないかと思われる(未確認)。
第2位はキドクラッチ。脇固めから逃れようとした相手を丸め込む技で、脇固めを得意とする進垣さんにうってつけの技だと言える。バンビさんからシングル初勝利したのもこのキドクラッチだった。

進垣リナ選手をリングに沈めた技

前項とは逆に進垣さんが負けたときに、なんの技で負けたのかを集計して、その割合を求めた。もしあなたが野生の進垣さんに襲われた場合、この技を使えば撃退できる可能性がわずかに見えてくるかもしれない。

進垣リナ選手を沈めた技の順位表

わかる人には調べなくてもわかるだろうが、1位のブロックバスターホールド、4位のパンダカッター改、笹団子はすべて笹村さんの技である。対戦数が多いため、必然的に笹村さんの技も多くなることがわかる。同様に対戦数2位のバンビさんのラリアット、お股も上位に食い込んでいる。

進垣リナ選手は第何試合に出てくるか

例えば家を出るのが遅れて開始時間に間に合うか微妙で(バスを待たずにタクシーを使うかどうしようか)というときにも、進垣さんが後半の試合に出るようであれば(多少遅刻しても良いか)と気持ちに余裕も出ようというものである。ただ、2AWは第1試合から面白いカードを用意しているし、そもそも大人なんだから時間に余裕を持って行動して、なんなら少し早めに行って千葉にお金を落とすくらいするべきである。
それはともかく、進垣さんの出番は第何試合かを集計してヒストグラムにしたものが以下である。

進垣リナ選手の試合順

※2WFは基本的にワンマッチのためカウントから除外。

結果、進垣さんは第2試合を任されることが多いようである。第2試合は、第1試合で盛り上がった会場のボルテージをさらに加熱させる大事な試合である。なにしろ、もし第2試合がなければワンマッチ興行になってしまうのだ。

進垣リナ選手の総試合時間

これは各試合の試合時間を合計したものである。

総試合時間 9時間25分13秒

3年7ヶ月の総試合時間は約9時間半だった。8時間勤務の場合、1時間半の残業をした日の仕事時間に相当するが、この9時間半ではオーバー過労死できる。1試合平均は9分36秒となり、大体1試合10分の計算になる。

戦績(2AW、KAIENTAI DOJO)

それでは、進垣さんの戦績を発表する。まずはシングルマッチの戦績、名勝負数え歌・VS笹村さんのシングル戦績、そして総合戦績を見ていく。

進垣リナ選手のシングル戦績

79戦 5勝 70敗 4分け

勝率は6.3%。団体内では基本的にチャレンジマッチが多かったため、なかなか厳しい結果となった。強い相手に立ち向かっていく進垣さんが見たかったから、仕方ない側面もある。5勝はそれぞれ、笹村さん、バンビさん、がばいじいちゃん、藤田ミノルさんから勝利している。

進垣リナ選手のVS笹村あやめ選手の戦績

25戦 1勝 23敗 1分け

勝率4.0%、シングル戦績よりもさらに厳しい結果となった。負けることが多いがたまに勝つ、くらいのイメージでいたが、試合内容でそう見えていたのであろう。1分けの試合がとても良かったし、タッグマッチで直接勝つこともあったことも影響しているだろう。

進垣リナ選手の総合戦績


209戦 39勝 163敗 5分け 2勝敗に関係無い人

勝率は18.7%となった。男女混合団体の女子選手で3年7ヶ月のキャリアであれば妥当な戦績だろうか。類似条件での比較として同期の笹村さんと比べてみたいところだが、入力が大変なので各自にお願いしたい。また、進垣さんの他団体での戦績と比較してみると面白いかもしない。
3wayなどもこなしているにも関わらず、勝っても負けてもない、というポジションになったのは2回のみのため、積極的に試合に臨む姿勢も伺える。
なお、引き分け5回の内4回は2021年11月12日(金)の2WFでの藤田ミノルさん絡みの5分1本勝負、2分1本勝負の4戦だ。

ドット絵っぽくなるかと思い写真に軽めのモザイクを入れたが、モザイクにしかならなかった。

最後に、今回作成したデータベースを添付する。ファイル形式はodsである(OpenOfficeの表計算ソフトcalcで作成)。
データベースの誤字脱字や入力漏れなどはご容赦頂きたい。
なにせ、これは手入力なのだから。

以上

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