不景気な理由はお金を稼ごうとするのを足を引っ張っているのでは?と思った。
世の中、増税や保険料の値上げ、物価上昇があるのに何故か給料が上がらない…
ニュースを見るとそんなネガティブな話題が目に付くことが多いから、つい弱気になりませんか?
その原因を考えてみたら、「値上げを許さない」「無料が当たり前」「貰うのが当たり前」という風潮が原因なんじゃないか?と思います。
値上げを許さない
材料費高騰や原油価格上昇などの要因で値上げをすると
「あのお店安くておいしかったのに」「あの価格で売ってくれないならもう買わない」といった批判が多くあります。
本来はお店のほうではどうしようもないのに、そういった批判もあってかニュースを見ていると
「このお店を愛してくれるお客様のためにしばらくはお値段据え置きにします」
「値上げをしてしまって申し訳ない」
と申し訳なさそうな顔と声でテレビ取材班のインタビューに答えるお店の店主やオーナーがなんだか可哀そうな印象的です。
特に、ガリガリ君の10円値上げのCMが話題になったときは称賛の声が目立ちますが、私はそんな申し訳ないCMを打たないといけないほど追い込まれていると思いました。
そんなもやもやを抱えているとこんな研究を見つけました。
大阪大学の研究によると「日本人は意地悪で足を引っ張りたがる傾向がある。これが失われた30年の原因である」という説を唱えています。
これはどういうことなのかといいますと
本来、値上げをするとその分お店の利益が上がっていくので
従業員の給料が上がったり、もっとお店の規模やサービスが改善できるように設備投資にお金を回すことが出来て選択肢が増えていきます。
例えば、そのお店のラーメンを食べるのに30分も1時間も並ばないと食べられないけど値上げでお店の利益が上がれば
長蛇の列に並ばなくとも2号店3号店といった系列店が生まれて運が良ければ自分の家の近くにできて通いやすくもなる
タッチパネルの導入で注文しやすくなってあとどのくらい行列に並べば良いのか一発でわかる
従業員が辞めてお店がまわなくなるといったことなくサービスがもっと良くなっていく
突然の閉店に追い込まれることなく、ずっと一緒に苦楽を共にしてお店を応援できる
そうなっていけば、お気に入りのお店がより魅力的になっていきます。
そもそも本当においしいと思って行列に並んでお店に通っているなら、もう少し値上げしても通い詰めるかなと思います。
事実、悪質な転売ヤーが人気ゲーム機やレアなカード、生活必需品にいたるまで通常の倍以上の価格で販売しても一定数購入する人も後も絶たないことを考えると「多少高くてもこの商品はほしい」という需要は確実にあるのです。
だから、そんな値上げを嫌う風潮がなければ悪質な転売ヤーの存在がなかったといえます。
無料が当たり前
そんななか、値上げをする時に謝罪をしないと許さない風潮が続いた結果、「商品やサービスが無料でもらえるのが当たり前」になった。
飲食店へ入るとお水が無料で提供される、町中を歩けば広告付きのティッシュが貰えるといったものでしたが
基本無料のアプリゲームやPCゲーム
YouTube動画やニコニコ動画
といった形のないものから
特定サイト経由でホテル予約すると貰える地元のお菓子
特定の会場で無料で配られる新商品の試供品
といった条件付きで貰えるものまで、とにかく無料で貰えるものが多くなっています。
もしかしたら
「実際に自分たちの商品やサービスを使ってみないとお客様が買ってくれるかわからない」
商品の広告宣伝という側面もあって、商品を期間を設けて無料で配って反応を確認することもありますが
当然、その商品やサービスを作るのに人件費や開発コストなどかかっています。
しかし、それらを無料で配るとその分のコストを回収できないので、相当の資金力で賄う必要が出ます。
ここまで無料のものが溢れていると「ゲームは無料でプレイするのが当たり前」という風潮もありなかなか商品の有料化へつなげるのは難しい状況です。
貰うのが当たり前
無料が当たり前になると次は貰うのが当たり前になりつつあります。
例えばこんな広告を目にしませんか?
今ならアプリゲームにインストールしてプレイをしたら課金アイテムが貰える
〇〇を利用すると1000円分キャッシュバック!!
とただ無料で配っても他の無料サービスが溢れるから見向きもされない可能性があるから、プレゼントをつけないといけなくなったといえます。
実際に楽天グループでは、
・無料の楽天カードの普及のために5,000~8,000円分のポイントプレゼント
・楽天銀行を口座開設すると、毎月現金プレゼント(1~17円)
・楽天モバイル1年通信料無料キャンペーン
と楽天のサービスを利用するとこんなにも特典があり魅力的に感じます。
確かに、消費者である私たちからすると
お金や商品が貰えるならサービスを利用したいと思いますが、企業からすれば無料やプレゼントを維持するには相当の負担がかかり経営悪化を招きかねません。
無料やプレゼントだと、人件費やその他のコストを養うための収入がないので資金を取り崩すことになるのでだんだんしんどくなる。
先ほどの楽天グループでも
クレジットカードの還元率が低下したり、加盟店手数料の引き上げがあったりと徐々に有料化へと切り替わっています。
低価格、無料化、プレゼント化は長期的に良くない
これらの「商品は手軽に買える、使える」は不景気な状況ではありがたい存在ではありますが
企業の利益がすくなくなる状況になると
・サービスを維持できなくなって縮小
・従業員の給与も上がらないどころか下がる、又は解雇になる
・給与が下がったり解雇された従業員が、プライベートで利用した他のお店や商品での消費を控えるようになる
・他のお店に従業員が来なくなると収入が減っていく
・解決する為に据え置き、値段を下げる又は無料配布
・収益が減る
といった長期的に自分たちの首を絞めてますます貧乏になっていく負のスパイラルになっていないかと私は思います。
これらの問題を解決するには、せめて自分が応援したい企業やお店の値上げを許して利用し続けて応援するしかないです。
一人一人の考えが広がっていけば、少なくともお気に入りのお店のサービスが向上していつまで存続してくれると確信しています。
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