世界の大地形②災いに苛まれる国…日本
かつて、何かしらの災害を経験したご先祖様は、その地に住む後世の住人が同じ目に合わないように石碑などにその経験を記し、各地にそう言った石碑を残しています。
2019年度からは、「自然災害伝承碑」として、新たな地図記号も使われるようになりました。
新型コロナウイルスが猛威を奮っている昨今において、最も起こって欲しくないのが”災害”です。「”3密”を避けましょう!」という中で、避難所生活を余儀なくされる大災害の発生だけは、なんとしても勘弁して欲しいところです。
しかし、「勘弁してくれええ!!!」と叫んだって、どうにもなりません…。
起こる時は、起こります。
季節的には、豪雨による洪水や土砂災害というものはあまり考えられませんが、地震や火山の噴火はいつだって起こる可能性があります。
地震の発生や火山ができるかどうかは、大地形によりますね〜
そもそも「大地形」とは?
「大地形」とは、大陸規模で見られる大規模な地形で、造山運動や造陸運動によって形成された山脈、高原、平野からなるものです。
造山運動の時期がいつだったかによって、上図のように「安定陸塊」「古期造山帯」「新期造山帯」に分けられます。
(出典:帝国書院「 世界の造山帯・安定陸塊」)
これ以降に出てくる代表的な地名は、上記の地図にて確認しましょう!
「安定陸塊」〜年長者 ブレない、キレない 尖ってない〜
先カンブリア時代に造山運動を受けたのちに、長期間の侵食によって大平原や高原(台地)を形成しているところを「安定陸塊」と言います。
大地形の中では最も年長者ですから、ブレませんしキレませんし尖りません。(意訳:地震も火山活動をほとんどなく、平坦な地形です。)
(出典:Wikipedia「カナダ楯状地」 ずぅっと先まで山がありません)
大きく分けると、
①卓状地…海底に沈んで土砂が堆積し,ゆっくり隆起したところ
例)北アメリカ中央平原,ロシア卓状地,シベリア卓状地
・構造平野…地質構造も水平な侵食平野
・ケスタ…硬軟な地層が侵食,急崖&緩斜面な非対称形の丘陵
例)パリ盆地
②楯状地…先カンブリア時代の岩石が地表に露出している地域
例)バルト楯状地,カナダ楯状地
・準平原…長期間の侵食により形成されたゆるやかな地形
こんな感じですね。(図の出典:GEOLINK 地理屋にできること)
「絶対に災害が嫌だ!!」と言う人は、安定陸塊を目指すしかありません。
この辺りを抑えておくと良いです。地図帳で調べましょう。(なぜか白黒)
「古期造山帯」〜中年に なれば色々 丸くなる〜
古生代に造山運動を受けたのち、侵食により丘陵性の山地が形成されてい流所を「古期造山帯」と言います。
昔はプレートの境界だった所ですが、長期間の侵食によってなだらかな地形になっています。(人も山も、年齢を重ねると”丸く”なっていくんですね。人の場合は、心も体もね…)
この辺りを覚えましょう。
そして、この分野では特に「古期造山帯の分布」で差がつきます!!!!
「安定陸塊」「新期造山帯」は、プレートの境界とリンクしているので、比較的覚えやすいのですが、「古期造山帯」は”かつてのプレートの境界”と言うことなので、現在のプレートの境界とリンクさせて覚えることができません…。
白地図に書き込んだり、地図帳に記しをつけたり、意識的に覚えるようにした方がいいです。絶対。
「新期造山帯」〜青二才 ブレて怒って 尖ってる〜
もう、苦し紛れの575。
流石に、言葉の意味はわかってますよね?
「青二才」時聞くと、「金色のガッシュ!!」を思い出してしまうのは私だけでしょうか。世代が違いますよね。いいマンガで大好きです…。小学生の頃によく読みましたね。
戻ります。
中生代末〜新生代にかけて造山運動を受けており、急峻な山地が多く形成されている所は、「新期造山帯」と言われます。
先ほどの通り、プレートの「狭まる境界」付近に分布するために地殻変動が続き、褶曲山脈や弧状列島が見られます。
中学地理まででもやってるからこそ、確認してくださいね。
絶対わかってないといけません!覚えてなかったら、お話になりません!
①環太平洋造山帯…沈み込み帯とほぼ重なる
例)アンデス山脈,ロッキー山脈,アラスカ山脈,千島列島,
日本列島,フィリピン諸島,ニュージーランド
②アルプス=ヒマラヤ造山帯…衝突帯とほぼ重なる
例)アトラス山脈,ピレネー山脈,アルプス山脈,イラン高原
(結局、作図したものは最後まで白黒になってしまった。ナゼだ。)
資源の分布に影響を与える大地形
鉱工業分野では、主な資源については産地を覚えますが、大地形の分布をしっかりと覚えておくとリンクさせて覚えることができますね。
>安定陸塊 :鉄鉱石、金鉱
>古期造山帯:石炭
>新期造山帯:銅鉱、銀鉱、石油
まとめ
資源の分布もそうですが、最初に書いた通り、やはり地震や火山活動の分布とリンクします。
(出典:帝国書院「世界のおもな火山と地震の震源地の分布」)
地震の分布に関しては「プレートの境界」で説明できますが、火山活動に関しては「プレートの境界」だけでは説明がつきません。
次回は、その辺りもお話しします。
とりあえず、「大地形」は地理の学習の基本中の基本です!
特徴と分布を覚えるのは必須です!!!
頑張って理解してくださいね〜
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