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工業の発展②「モノづくりの国」卒業?日本の工業の変化

あるテーマパークにある「変なホテル」🤖 あらゆるロボットが接客などのサービスを行うユニークさで話題になっているホテル。行ってみたい。「変なレストラン」というのもあるらしいですね〜。宿泊はなかなか機会ないけど、食事くらいなら行けるのではないだろうか!(コロナが治らないと、外食もはばかられます。コロナのバカヤロー。)

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というワケで、工業の第2回目!というか続き!前回は工業立地論を参考に、日本の工業地帯の立地が変わったことを確認しました。一番分かりやすい例が、八幡製鉄所とスペースワールド🚀 戦前戦中は、中国からの鉄鉱石と福岡で採れる国内炭を使っていたから、原料指向型の立地で工業地帯が北九州に形成された。しかし戦後は、海外との輸出入が活発になったため、海外からの輸入炭や鉄鉱石を使うようになったため、より輸送費が節約できる海沿いに工業地帯が立地するようになった(「太平洋ベルト」ですね。「臨海指向型立地」とか「交通指向型立地」とか呼びます)

しかし、現在の日本の工業のあり方はさらに変化しています。それを確認していきます。簡単にいうと、日本は「モノづくりの国」を卒業します…!

「モノづくりの国」で経済急成長の日本!を阻むアノ大国!

「日本の産業の特徴って何ですか?」と外国人の友人に聞かれたら何と答えますか?「クルマ作ってるぜ!」「モノづくりの国よ!」うむ、正しいと思います。何を隠そう、日本の自動車メーカーのT社の売上高は、一国のGNIに匹敵します。(以下「大企業の売上高と各国GNIの比較」出典:帝国書院)

141-03 大企業の売上高と各国のGNIの比較

まさに「モノづくりの国」日本!特に自動車輸出の繁栄と、その当時の国際問題を端的に表しているのが次の写真。写真の看板に書かれてある英文、日本語訳することはできますか?

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UAWとは、「United Auto Workers」つまり「全米自動車労働組合」のこと。アメリカの自動車メーカーで働く人々の団体です。

UAW says "If you sell in America,build in America.「もしアメリカで売りたいんだったら、アメリカで組み立てろや!!!!」と言いながら、ハンマーで日本車をフルボッコにするワケです。見たことある人も多いと思いますが、「日米貿易摩擦」を象徴する場面です。当時の日本車は、他と比較しても安くて性能がいい上に、オイルショックが起こり、より燃費がいい日本車は重宝されたワケで、

「日本車バカ売れ⇄アメリカ車絶不調」→アメリカの自動車メーカー「うーん、経営苦しいから従業員解雇!」→従業員「日本車のせいじゃああああああ!!!!!」

という状況ですね。雑ですみません。この騒動が象徴する「貿易摩擦」は日本と欧米間に見られたため、日本の強すぎる輸出(国際競争力)を弱らせようと、円高となるように合意が日本を含む先進諸国で交わされました。(プラザ合意)

「プラザ合意」結構大事です。このように、日本の工業のあり方を変化させますし、「バブル経済」となっていくきっかけでもあります。日本の経済を語る上では、是非覚えておいてもらいたい!お調べ下さい。

国内の「モノづくり」が減少…「産業の空洞化」

プラザ合意で、日本は輸出に不利な「円高」が進んで行きました。そうでなくとも、同盟国アメリカやヨーロッパからの圧力によって、国内製造&輸出という構造を転換しなくてはならなくなりました。その結果として、日本の企業はどんどん外国進出し、低賃金労働力が豊富なアジア諸国や、「輸出を減らせ!」と圧力をかけてくる欧米諸国での「現地生産」に切り替えていきます。そうやって発生したのが「産業の空洞化」です。

150-01 日本企業の地域別海外進出件数の推移

(出典:帝国書院「日本企業の地域別海外進出件数の推移」)

1985年のプラザ合意以降、アメリカやヨーロッパへの本格的な海外進出が進んでいます。また、90年代後半からはアジアへの海外進出も進んでいます。

150-03 アジアのおもな都市における日本の進出企業(製造業)の賃金水準

(出典:帝国書院「アジアのおもな都市における日本の進出企業(製造業)の賃金水準」)

日本と比較すると、随分と低賃金です。この豊富な低賃金労働力を活用して、より安い製品の生産することができます。ファストファッション(ユニクロやGUなど)、100円ショップのような低価格製品は、国内製品では実現不可能です。

先進工業国の生きる道…「脱工業化」!

148-01 GDPに占める研究開発費の割合とおもな国・地域の知的財産権使用料

(出典:帝国書院「GDPに占める研究開発費の割合とおもな国・地域の知的財産権使用料」)

同じくらいの品質であれば安いに越したことはないので、人件費が高い日本で「モノづくり」は難しい。ではどうするか?

「新技術」や「新素材」と言われるようなものを、「開発」する!

例えば、iPhoneを”製造”するのではなく、iPhoneを”開発”するというイメージですね。そういった”技術”は財産として扱われます。著作権や特許権などの「知的財産権」と言われるものです。

上の図で分かる通り、アメリカや日本は知的財産使用料の受け取り額が多くなっています。「モノを輸出するのではなく、技術を輸出している」と理解しておいてください。「技術貿易」と呼びます。

今の日本はそのような変化が生じていっています。

まとめ

アメリカとの貿易摩擦や、低賃金のアジア諸国の存在により、日本は「脱工業化」が進みました。その結果、知的財産使用料などで黒字を出すような、「技術貿易」へのシフトが求められています。

そしてもう1点。かつての日本と同じように、アメリカとの貿易摩擦が国際問題となっている国がありますね。

「中国」です。貿易摩擦というよりは、「貿易戦争」とか「米中新冷戦」とか言われています。アメリカでは、GAFA(ガーファ)と呼ばれるハイテク関連企業らが経済を牽引していますね。それぞれの企業の名前は出てきますよね?これ、中国バージョンでBATH(バース)と呼ばれる企業もあります。それぞれどのような企業なのか、調べてみてください。

日本の事例や、日本の「モノづくり」としての強みをどう活かしていくのかを学んでおくことで、これからの世界情勢の中心になっていくであろう「米中関係」を考えていくことができると思います。

コロナ関連でも色々とやり合っていますが、報道をよくみて考えていきたいですね〜

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