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コロナ禍に思うこと

上の画像は、動画の一部をスクショしたものです。
4月11日(土)渋谷
緊急事態宣言を受けて初めての週末の渋谷で、人通りに変化が見られるのか報道されていました。


感染者数が爆増して危機感を強めていた東京をもってしても、この後感染者数を抑え切ることはできていません。
個人的な感覚で言うと、私が住むような地方都市は感染確認数も少なく、それほどの危機感がないようにも感じられています。

今後、地方でどのように新型コロナウィルスが影響を与えていくのか…大変危惧しています。

地理の教科書にある「感染症と保健医療」のページ

主に使っている教科書は、やはり地理業界のKING「帝国書院」です。
「次書く記事はどの分野にしようかねえ…🧐」と教科書をパラパラとめくっていると、「感染症と保健医療」と言うコラムのページがありました。このコロナショックの中において、非常に興味深いページだと思って、読みました。
そのページの一番上に、次のように書かれていました。

▷保健医療の地域差と感染症の広がり
 医療施設や保健システムの整備状況には地域差が大きく、特に発展途上国では、適切な保健医療サービスを受けられない人々も多い。また、世界の死亡原因の4分の1は感染症によるものとされ、その拡大が、人々の健康をおびやかすだけでなく、労働力の低下や経済活動の低迷など社会問題にもつながっている。

他には、4つの資料が載っています。
2つは写真。難民キャンプで予防接種を行う様子や、エボラ出血熱に対応する「国境なき医師団」の様子など、いずれもアフリカの国の写真です。
そしてページのおよそ半分を、以下の2つの資料で占めています。

179-01 新型インフルエンザの感染拡大

(出典:帝国書院「新型インフルエンザの感染拡大」)
発生地こそ異なりますが、今回の新型コロナウィルスでも同じように「関係の深い国」から広がっていくプロセスが見られたのではないでしょうか。

179-04 1人あたり医療費とおもな国の平均寿命の変化

(出典:帝国書院「1人あたり医療費とおもな国の平均寿命の変化」)
単純に見て、「一人当たり医療費が高い国は、平均寿命も高い傾向にある」と言うのが見て取れるかと思います。

そして、最後に「世界の保健医療に関わる課題」として、3つの課題点が挙げられています。
・感染症が主に発展途上国の人々の健康を脅かしている
・主に途上国では、医師の治療を受けられない人々が多い
・劣悪な医療保険サービスで、特に妊産婦や乳幼児の健康が脅かされている
といった内容です。

「感染症と保健医療」が他人事ではなかった

このページを見ると、おそらくアフリカの貧しい国々に思いを馳せるでしょう。

「発展途上国は大変だ。ただでさえ、医療・保健体制が整っていない中に、感染症の猛威もある。発展途上国の抱える課題の解決にむけて、できることをしなければいけないかもしれない。」

こんなふうに。教科書の編集者や執筆者も、そう言った問題提起が必要だと考えていたかもしれませんし、私もそう思ってます。

しかしこのコロナ禍において、皆さんのこのページの受け取り方は変わったのではないでしょうか。

先進国においても、感染症の蔓延は他人事では済まされない

教科書の資料が示す通り、先進国はある程度医療が整っていると言えるでしょう。
各国で医療制度は異なりますが、発展途上国と比較すれば十分なほどに整っていると思っていたはずです。それでも、いわゆる先進国と呼ばれるような国々で感染拡大が止まりません。「終息ってなんだろう…?」そんな状態ではないでしょうか。

教科書には「経済活動の低迷」と書かれています。
今の日本は、「経済活動の低迷」という教科書上のたった7文字で表現されている未曾有の事態にあります。

なぜ、先進国でも感染症に苦しめられているのか…

ここのところずっと、「なぜ先進国でもダメだったのか?」と考えてます。
そんな時に、以前読んだ本のことを思い出しました。

それで、「資本主義のせいだ!」と今は思っています。

めちゃめちゃ興味深く読んだ本です。

我々「ホモ・サピエンス」と呼ばれる人類の一種が地球を征服することが出来たのは、虚構を信じることは出来たからだ。
例えば、国や企業は実体がないし、1000円札などの紙幣はただの紙切れなのに、みんなが国家や企業というものの存在や、紙幣の価値を”信じる”ことができるから、色々うまく回っている。
だからこそ、他の生物では不可能なほどの大人数で連帯、協力が出来たから、地球を征服できている。

一番分かりやすい例が”宗教”ですね。
人種、性別、民族が異なっていても、同じ仲間として受け入れ、協力することが出来ます(だからこそ強く対立して、紛争になります)

こう言った内容の本で、最後の方になると「資本主義も宗教だ」と言っているんです。
資本主義も絶対的に正しい経済・社会システムではありません。

今、私たちの世界はほとんどが「資本主義経済」を中心として回ってます。「資本主義って何ですか?」って聞くと、「聞いたことあるけどちゃんと説明はできない」と返ってきます。
言い換えると、当たり前過ぎて説明できないくらいに、今この世界に「資本主義」が浸透しています。

「経済活動を続ける」ことは、資本主義社会で生きていくためには欠かせないことです。
感染拡大を止められなかったのは、根本的には、「経済活動を止められない社会」だからだと思います。

資本主義社会が確率する産業革命以前だと、「休みにしたいけど、休みにできないからな…」という葛藤はどれほどあったでしょうか。
案外、みんなすんなり休んでいるかもしれません。
まあ、今ほど医療が発達してないから、感染症への対応はできないんでしょうけどね…。

まとまりませんが…

こういうことを考えると収拾がつきません。

要は、今の当たり前である”資本主義”っていう前提の社会もいつかは否定されるのかな〜ってことです。
僕らが歴史の教科書を読んで「何でこんなこと信じていたんだろうか…」と思うこともありますけど、未来人は今の僕らを教科書を通して知った時に「理解できんわ…」と思っているのかもしれません。

「今の”当たり前”を疑い始めることが哲学だ」って誰かが言ってました。
今大学生に戻れるならば、もう少し真面目に哲学概論の授業を受けるだろうな…


日々忙しすぎると忙殺されて、あんまり深く考えたりとか、ボーッと考え事したりできないと思います。
こんなご時世だからこそ、哲学学んでみたり、「そういえば知っていそうで実はよく分からないこと」を調べてみたり、深く考え事をしてみたりするのも、いいかもしれませんねえ。


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