見出し画像

佐藤可士和の打ち合わせ

佐藤可士和 著
定価:本体1,400円+税
発行年月:2014年11月
判型/造本:4/6並製
頁数:256
ISBN:978-4-478-02714-1

否定をするのであれば、代案を出す、ということ。なぜなら打ち合わせの場は、みんなで作っていく場だからです。

アイディアの一歩手前にあるのがイメージ。アイデアはここから一歩踏み出したところにあるもの。でも、手前の話があるからアイデアに進めるのです。

「こんなことも知らないのか」と問われたりしたら、僕はこう返そうと思っています。「知りません。でも、多くのユーザもそうだと思います」。

専門用語を知っているユーザは、そもそも広告などを見て買わないのではないかと思ったのです。専門誌でいろいろ詳細を調べ、性能や機能をしっかり比較検討して買う。広告に動かされて買ったりはしないのです。

陳腐なアイデアと紙一重のところにあったりする。そのギリギリのところは、みんなにぶつけてみないと、なかなか見えてこないのです。それこそが、クリエイティブな打ち合わせの大きな醍醐味なのです。

経営者が出席するような打ち合わせでは、どうしても経営者視点になりがちですから、それを壊す意味でも、違う視点を持つ人にパスを出すのです。

常にどんな大人数であっても、誰かに向かって喋るのかを意識します。

緊張感を持ちながらも、身体を緊張させず、リラックスして臨む。そうすることで、良い打ち合わせができるのではないでしょうか。

打ち合わせは本当に必要なものだけにする。少なければ少ない方が良い。

打ち合わせを無駄な時間にしないためには、「終わり方」を意識することが重要です。その時間に打ち合わせした内容を、出席者全員でしっかり理解し、まとめて終えることができるかどうか。

打ち合わせで大切にすべきなのが、最後の5分です。この時間を、その日の打ち合わせについての確認の時間に充てる。

「感じ」や「方向」で終わらせないためにも、僕が繰り返すのが、「これで良いですか」「これでいいですね」という言葉です。

もし自分がCMを制作するのであれば、どんなものがあれば良いのかを徹底的にイメージしたからこそ出てきたことだと思うのです。

「事情」のパワーに押し流されない

打ち合わせは言ってみればバンドをやっているようなもの。それぞれが役割を持って、それが1つにまとまって良い曲が演奏できる。

覚えておきたいことは感じた事に紐付けて、心のひだに記憶していく習慣をつけていく。

実はみんな、ロジカルになんて考えていない。だから、「感じたこと」が大事になるわけです。感じる力を磨く事は、仕事の力を磨くこと。僕はそう思っています。

結論はプロジェクトのリーダーが判断する。責任を担っている人の仕事。

もっと先にどんなふうになっていたいか、未来の構想をお聞きするのです。未来を語り合う場にすることです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?