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タロウちゃん伝説2

タロちゃんの姿を街で見なくなって3ヶ月。あれは夏の暑い日だった。
「引っ越し手伝ってくれよ」
俺たちは友人の親のトラックでタローちゃんの引っ越しを手伝うことになった。小さな冷蔵庫。スチールパイプのシングルベッド。二人用のソファ。実家ぐらしだった彼は最初の3ヶ月でアパートに引っ越しすための費用を貯金したのだ。規則正しい生活、自立した男。けれど一人前の生活を手に入れたタロちゃんはやっぱりタロちゃんだった。

見渡す限りの蔦。建物がもっさりと植物に覆われている。
「ここかい?」
「うん」
トレードマークの赤い髪が黒髪に変わってもタロちゃんの中身はやっぱりタロちゃんだ。

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1,735字
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